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酔生夢死ってわけでもないけれど、、、日々雑感

「由布院 六花」一泊旅行②〔「由布院 六花」編〕

2023年05月24日 | 旅行記

「由布院 六花」。「六花(りっか)」と言えば、雪の結晶の異名を思い浮かべますが、当宿が6棟の離れであることがその名の由来なのかもしれません。いずれにしても、九州の宿で最も予約困難な宿のひとつで、ダメもとで空室待ちをしていたところ奇跡的に予約できました。

「六花」のある場所は、JR九州の久大本線「由布院駅」から徒歩でも10分程度で到着できる所ですが、金鱗湖へ通じるメインストリートとは駅を挟んで反対側(西側)にあり、メインの方の喧騒が嘘のようにのどかなエリアです。

(「六花」の目の前の景色。田植えが終わった水田に由布岳が映り込みます。この田んぼの向こうに久大本線が走っていますが、「ゆふいんの森」号でしょうか、列車が走っているのを見ました。)

チェックインは15時、10分程早めに着きました。

(iPhoneのカメラが光でハレーションを起こすほどのいい天気。)

ロビー・フロントはシンプルです。

(右の壁一面は薪で埋め尽くされています。もちろん壁として。湿度調整や断熱機能、抜群でしょうね。)

一泊二日の滞在中、私が見かけた従業員の方は5人、料理長がいらっしゃるようですので、全員で6人かも。6人で6棟の離れを運営するというのはなかなかたいへんだと勝手に想像します。そのせいか、最近の露天風呂付き離れタイプの宿では珍しく、チェックアウトが10時半と早め。(大体の宿が12時、早くても11時が相場です。) 掃除などがたいへんなんだろうと思いますが、私たちも、部屋の準備の最終確認をしているとのことで、数分ロビーのソファで待ってから案内されました。

ロビー棟を出ると右手に由布岳が見えます。

(奥の建物は離れです。)

私たちが泊る離れの前でロビー棟を振り返るとこの景色。

(右手の建物は食事処で個室になっています。水盤と通路を隔てるトクサ(短い竹のような植物)の作る雰囲気がシンプルだけどとてもいい。)

離れ「六」。

(各離れの名前は数字。「六」は「MU(むぅ)」と読むようです。)

引き戸を開けて踏み込みに入ると、目の前には、はめ殺しのガラス壁の向こうに露天風呂と中庭が見えます。

(このはめ殺しのガラス壁が部屋を広く見せる効果大。ありそうでない建築です。)

部屋は、斜め天井に渡っている立派な梁が古民家のテイストを少しだけ感じさせる、清潔感溢れるシンプルな作り。

(分かりづらいですが、畳は琉球畳風、ベッドエリアと洗面・脱衣場・トイレの床は天然木を粗く削ったような(肌触りはもちろん滑らかです)ビジュアルの無垢材。)

洗面所・脱衣場。ここからシャワースペースを通過して露天風呂に出ることができます。

(安っぽさを決して感じさせませんが、コストを抑えた作りであることが分かります。)

ちなみに最近チェックしてしまうシャワーヘッドは、TOTO製でした。(笑)

(使い勝手、とてもいいです。)

露天風呂は後にして先にテラスに出てみます。

(横長の部屋のほぼ全面が窓になっているので、テラスとの一体感があり、室内にいても広さを感じます。デッキの家具類、現在進行中の❝プライベートプロジェクト❞の参考になります。(笑) 露天風呂上がりにテラスの人工ラタンの椅子に座ってゆっくりくつろぐのにちょうどいい季節です。)

さて、露天風呂です。

(縁のヒノキ、湯舟の伊豆石、私が最も好きな組み合わせの浴槽です。)

中庭に降りて広角モードで全景を撮ってみました。

(私が足を楽々伸ばすことができる広さ。)

湯量(湧出量)は豊富で、首まで浸かってサバァーと湯が溢れても、数分後にはまたいっぱいになっています。泉質は弱アルカリ性の単純泉、肌がしっとりとする優しい温泉です。源泉温度が40℃とやや低めなので少し加温しているとのことですが、源泉かけ流しです。

温泉に浸かって見える中庭の景色。

(数本からなる細い株立ちが優しい印象で、当宿の温泉の優しさと合っています。優しい温泉に浸かりながら、優しい仕立ての樹々を愛でる感じ。)

部屋に戻って、最近の宿には必ず置かれているドリップマシーンでコーヒーを淹れて、由布院駅から金鱗湖に続くメイン通りにある手作りクッキー専門店「LINGON」のクッキーをいただきます。

(これ、美味しかったです。)

「六花」には貸切風呂はないので、部屋の露天風呂を楽しむことに専念できます。(笑)

(夕食は18時。それまで何度も温泉に浸かります。)

さて、夕食の時刻となりましたので食事処へ。九州は日没が遅いのでまだ日中のように明るいです。こちらが本日の献立。

(小さくて見えませんね。(笑) 「皐月の御献立」。)

■食前酒:りんご酒

(部屋「六」のキーホルダーとともに。)

乾杯のドリンクはスパークリングワインのハーフボトルにしました。

(スペインの「Codorniu(コドニュー)」という老舗ワイナリーの一本。)

■酒菜

(見事です。べんがら色の皿が素敵です。りんご酒の盃もべんがら色系、写メに写っていませんが、取り皿もべんがら色で、このさりげない統一感に気分が盛り上がります。)

左から順にアップの写メを。枝豆うに真丈、ローストビーフ、ペコロス?の酢漬け、そら豆。

冷製マスカルポーネチーズのフルーツサラダ。

若鮎塩焼き、ヤングコーン姿焼き。

(宿の方の説明では「これくらいの若鮎は頭から骨ごと食べることができます。」とのこと。お好みで蓼酢で。ヤングコーンは秩父長瀞の「セラヴィ」でも出ましたが、❝ひげ❞ごと食べることができます。)

嶺岡豆腐。

(嶺岡豆腐というお店の名前かと思ったら、胡麻豆腐の牛乳版のことを言うようです。胡麻豆腐のようにもっちりとした食感ですが、あの独特の胡麻豆腐感がなかったので不思議でしたが、合点がいきました。)

チーズ西京焼き。

(当宿の自慢の一品だそうです。確かに美味しい。ワインでも日本酒でも、酒のつまみにピッタリだと思います。自家製で作れるか、、、。)

穴子と胡瓜の寿し。

(大阪では通称❝あなきゅー❞。少量過ぎてキュウリの食感が全てに勝っていました。(笑))

■造里:鮃薄造り(ポンジュレ)、寒八、貝柱、烏賊

(「ポンジュレ」とはポン酢のジュレで、左上の小瓶に入っています。それをガラスの器のヒラメの薄造りにかけていただきます。うまい!)

鮃の薄造りが美しかったのでアップで。

(添えられている黄色い花は「キンギョソウ」の花。食用だそうですが「美味しくないので、、、」とのこと。(笑) それよりも私には「キンギョソウ」と聞くと「鬼灯の冷徹」の「金魚草」が思い出されて、余計に箸が出ません。(笑))

刺身の方も美しい。そして特徴的なのは刺身の下に敷かれたグレープフルーツの輪切り。

(軽く炙られている烏賊は確か紋甲イカだったかな。グレープフルーツは「甘いですから是非どうぞ」とのことで、食べてみると確かに甘かった。こういう使い方もあるのですね。)

ここで宿の方が水を持って来てくれました。「ここから歩いてすぐの所にある『若宮八幡社』の湧水です。柔らくてとても美味しいので是非どうぞ。」とのこと。

(確かに超軟水という感じで飲みやすい。「六花」に来る前に立ち寄った「霧嶋神社」の湧水もこんな優しい水だったのだろうか、、、。)

■口替り:冷製新じゃがのポタージュスープ

(口替りにいつからかスープを出すようになったそうです。旬替わりのようですが、「スープシリーズがお客様にご好評をいただいています。」とのこと。皿でガッツリいただきたい美味しさでした。(笑))

■蓋物:鰻と湯布野菜の養老蒸し

(養老蒸しとはすりおろした山芋を具材の上にのせて蒸した伝統料理。)

ここで次の飲み物を注文。妻は「大山のこだわりの梅酒」、私は「安心院(あじむ)ワイン」の「卑弥呼」の白を。

(梅酒のソーダ割がなみなみです。(笑) 「大山」は奥日田の宿「うめひびき」近くの梅畑が広がる地域。ざっくり日田と由布院は❝お隣❞ですね。)

■魚料理:伊佐木のポアレ、蒸し鮑、ホワイトアスパラソース

(うまい! もっと食べたい!(笑))

■肉料理:おおいた和牛サーロイン(石焼き)

(おススメの焼き方、ミディアムレアで出されますので、石の上で最後の焼きを入れて、醤油ベースのステーキソース、天然塩、ワサビをお好みでつけて。肉の上にはウニ。)

■御番菜:鰆の南蛮 ■御飯:湯布院米 ■留椀:赤出汁

(鰆の南蛮がめちゃうまでした。写メには小鉢の中が写っていませんが。(笑))

ご飯茶碗が飛び鉋の器でしたので、「あっ、小鹿田焼の器ですね。」と言うと、宿の方曰く「小鹿田焼は昔ながらの製法で作っているので高価なので、同じ飛び鉋模様の、お隣の小石原焼を使っています。」とのこと。兄弟窯の小鹿田焼と小石原焼にそんな差があることを知りました。

■水菓子:ティラミス、季節のフルーツ、アイス

(シャーベットみたいなアイスが特に美味しかったです。何のフルーツのアイスだったかな、、、思い出せず。(笑))

本日の夕食はこれで終了。とても工夫されていて思い出に残る夕食でした。何よりも食材のことや器のこと、この季節のこの地域のことなど、いろいろな話題を交えながら食事を運んでくれる宿の方のホスピタリティが最高でした。「六花」が人気があるのがよく分かる夕食でした。ごちそうさまでした。

さて、夕食前に宿の方が「ここから歩いてすぐの所でホタルが飛ぶのですが、今晩は結構出ると思います。もしよろしければ夕食の後にいかがですか。」と案内してくれました。なかなかホタルを見る機会もないので行ってみようということになりました。

(安全のため貸し出してくれる懐中電灯待ち。ここがフロント。これまで訪れた宿の中で最もシンプルなフロントです。)

アイリスオーヤマの懐中電灯をお借りして出発。

(宿の方が道を教えてくれます。「真っすぐ行ってください。すぐに左右の分かれ道に出ますので、右方面でホタルが飛んでいます。先程偵察して来ましたが、結構出ていましたので、楽しんで来てください。」とのこと。)

ご案内の通り、歩き出してものの数分でホタルを発見!

(iPhoneのカメラでもなかなかうまく撮れませんが、これはこれでホタルっぽいか。)

写メだとこの程度ですが、肉眼では淡い光を点滅させながら飛ぶホタルをたくさん見ることができました。

(20分くらいでしょうか、このあたりでホタル観賞していました。)

久大本線の線路がありました。

(踏切もないローカル地点。夜の線路というのは何だか寂しいものです。)

30分くらいの夜の散策でした。宿の前から見える由布岳❝夜バージョン❞。

(幻想的。iPhoneのカメラ機能のみでの撮影です。)

離れ「六」に帰ってきました。

(離れの玄関前からフロント棟を。夜の雰囲気もいいですね。)

この後、思う存分温泉に浸かってゆっくりしました。

(夜は肌寒いです。それがまた温泉の良さを引き立てます。)

今朝は6時の新幹線でしたので睡魔が襲ってきます。23時前には爆睡状態に落ちてしまったような、、、。いい一日でした。

 

翌朝。6時過ぎに目覚めましたが、霧の朝のようです。

(霧の朝とは、さすが由布院。朝食前に何度か温泉に浸かって目を覚まします。❝朝温泉❞はいつどこで浸かっても最高です。体と頭がしゃきっとしていく感覚。)

朝食は8時。初めて宿の草履を履きますが、大きい方が何か変。

(素敵な草履、、、ですが、鼻緒ってちょっと内側に入っていると思うのですが、大きい方の草履は両方とも鼻緒が右寄りのような。つまり、左用×2かも。(笑) この後草履を履いて食事処に行きましたが、特に不自由はなかったので、ご愛敬ということで。)

朝食です。

(美しいセッティング。それだけでワクワクして食欲が増します。サラダには日向夏のドレッシング。お隣の宮崎県の名産です。)

目覚めのスムージーはブルーベリー。

(粘度が高過ぎてひっくり返しても落ちてきません。(笑) 豆腐用のさじでいただきました。)

朝カレー、鮭、きゃらぶき、明太子などなど。どれも素材の良さが際立つ美味しさ。

(野菜がうまい!)

卵は、別府市で放し飼いされている鶏のブランド卵「蘭王」。醤油はひと手間かけたウニ醤油。

(黄身も白身もしっかりしている(=簡単には混ざらない)いい卵でした。)

お米が美味しい。多分昨晩も出た湯布院米でしょうね。味噌汁は豚汁風。卵かけご飯と朝カレーで食が進んで、ご飯も味噌汁もおかわりしました。

(写真のフレーム外ですが、梅干は大山の梅か、大粒で味が濃くあまり酸っぱくない。)

食後のデザートはクリームブリュレ。

(表面パリパリ。濃厚でコーヒーにベストマッチ。)

朝食も大満足です。ごちそうさまでした。

チェックアウトは10時半ですので、いつもよりは結構早く感じます。それでも泉質の素晴らしい温泉を最後まで楽しみました。既に日差しが強くなってきました。今日も快晴だけど暑くなる、そんな予感です。

(朝の霧が嘘のように晴れました。宿の方曰く、「朝に霧が出ると、その日はお天気が良くなります。」とのこと。いろいろなことを教えていただきました。)

チェックアウトです。宿の前とこの絶景の前で私たちの写真を撮ってもらいました。

(今日もいい一日になりますように。)

「由布院 六花」、予約困難な人気の宿ということがよく分かりました。公平性を担保するために、特に予約が集中する年末年始は常連さんも一見さんも平等に抽選だそうです。いつかまたその抽選に参加してみたいと思わせる名宿でした。

お世話になりました!

 

・・・「由布院 六花」一泊旅行③[完]〔「鶴見岳山頂」など復路道中編〕へ続く。


「由布院 六花」一泊旅行①〔「塚原の里」など往路道中編〕

2023年05月23日 | 旅行記

インプラント手術をした博多の歯科医院に半年に一度、定期検診で通っています。九州から大阪へ転勤して以降、その機会に合わせて妻と温泉旅行に行くのが恒例です。土曜日、私は新大阪駅を6時発の「みずほ」に乗車。

(ほぼ満席の印象。意外と混んでいます。)

今回はインプラントの定期検診だけでなく、懸案の歯の治療もセットでやって約1時間。また半年後の予約をして歯科医院を出発。

(博多駅前の大通りにはまだ建設機械がゴロゴロ。いつまで工事をやるのでしょうね。)

馴染みの(笑)レンタカー屋で車をピックアップして、これまた恒例で、前入りしている妻をホテルに迎えに行きます。無事合流して、今回の旅がスタート。

(都市高速走行中。福岡空港近くで妻撮影。)

渋滞知らずの九州の高速道路。大分道の玖珠PAでトイレ休憩です。玖珠町は「童話の里」として有名ですが、こんな像がありました。

(石板には「童話の里 くす」とあります。)

よく見ると、私たちも二度ほど車で登ったことがある「伐株山」の上に巨大な鯉のぼりが乗っています。

(見づらいですが、山の右の裾野に「伐株山(きりかぶさん)」と彫られています。)

「伐株山の童話に鯉のぼりなんて出てきたかなぁ?」と帰宅後調べてみたら、どうやらこの像は童話を表現しているのではなく、昭和55年(1980)から続く「ジャンボこいのぼり」(巨大な鯉のぼりの口からお腹を通ってしっぽへくぐりぬける!)が名物のご当地の祭「日本童話祭」に由来すると思われます。

角度が悪いのできれいに見えませんが、伐株山が少し見えました。

(高速道路本線を走ると、もっときれいに見えました。)

ここで気になるお土産を発見。

(のぼりがバンバン立ってます。)

「とり天」は大分名物のひとつですが、「謎のとり天せんべい」とは何だろう、、、と思って店内に入ると、「売上NO.1」だそうです。

(ただし、よく見ると、「『とり天お土産部門』売上(NO.1)」と小さく書かれています。なかなかニッチな部門です。「あのCMで話題の」とも書かれていますが、見たことがない。(笑) 妻の方は、とり天ではなく、中津のから揚げチップス的なお土産を買っていました。)

何度も通っている大分道ですが、玖珠PAで結構楽しめました。さて、博多から由布院までは1時間半強というところなので、ちょうど昼食時となりました。今回の旅では、由布岳スマートICを降りた近くにある、地鶏炭火焼きの店「塚原の里」に行こうと決めていました。

(ICを降りて5分もかからないくらい。)

「塚原の里」は、私たちが常宿にしている黒川温泉の「月洸樹」の宿の方に教えてもらって、一度行ってみたかったお店です。

(行列覚悟でしたが、3組待ちくらいで、15分程で入れました。)

実は、「塚原の里」、私たちが鶏の炭火焼きのお店でその雰囲気と美味しさに衝撃を受けた「高天原」のごく近くです。「高天原」とどっちが美味しいか比べてみたいということもあって、今回訪ねました。

(炭火焼きのいい匂いが外に漂ってきます。)

メニューが置かれていますが、定食はシンプルに3種類。

(「地どり定食」、「豊後牛定食」。そして、「いのししは終了しました」。(笑) 左ページには単品・追加料理がありますが、定食なら全部入っています。)

私たちの名前が呼ばれました、入店です。

(いいですねぇ、この雰囲気。)

出入口に、何とアントニオ猪木さんの写真や書・赤いタオル(額装)が掲げられています。

(合掌。)

「豊後牛定食」もそそられましたが、初回訪問ということで、定番の「地どり定食」2人前で。まずは「地どりたたき」。

(ほど良い歯応えと、鶏にしては肉の味がしっかりしています。)

「そばの実のおかゆ」(だったかな)。

(優しい味と口当たり。お米のおかゆよりも粒粒感があって好きです。)

汁物は味噌汁ではなく「呉汁」(大豆をすり潰したもの)。

(うまい! 2020年6月に宮崎県西都市のうなぎの名店「入船」で初めて食べて以来の2度目の呉汁。ちょっと感動です。)

メインの地鶏登場。

(地鶏の美しさとともに、椎茸の立派さに「ここは椎茸の名産地大分」を感じます。)

ここで店員さんから焼き方のアドバイス。「網の上で転がすように焼いていただいて、表面が焼けたら焼き過ぎないように、中がレアくらいが美味しいです。」とのこと。

(一生懸命「転がす」私。妻撮影。)

地鶏の炭火焼きと言えば、宮崎県のお店で、モクモクの煙の中、大将が焼き網の上で小さめの切り身を転がしながら焼いている姿を覚えていますので、「あんな感じで転がせばいいんだ。」と分かりつつ、身が大ぶりで転がりません。(笑) ということで、焼き過ぎだけは注意して焼いてみました。

(いい感じ(自画自賛)。うまい!)

地鶏と野菜(野菜もうまい!)を堪能していると、「朴葉味噌」が来ました。店員さんが焼いてくれます。

(朴葉を焼き網に直置き。えっ、燃えないの?)

と思っていたら、燃えてしまう前に手早く焼いて、ざるに戻します。

(ざるに戻す直前。うまそ~。鶏のミンチやキノコ?などが入っていて、とにかくうまい! この朴葉味噌とご飯だけでも定食になる、美味しさ超絶レベルです。)

地鶏の方は2セット目に突入。

(2度目の方が焼きに安定感が出ました。(笑))

「塚原の里」の「地どり定食」、食べてみる価値ありです。ここで悩ましいのは、「塚原の里」か「高天原」か、、、それは個人の好みだと思います。(笑) 決定的に違うのは、「塚原の里」は「地どり」ですのでそれなりに歯応えがあります。一方「高天原」は朝挽きですが地鶏ではなく(普通の)鶏で、柔らかいです。あと、味付けは、両店とも鶏肉に事前に味は付いていますが、「塚原の里」はあっさり味、「高天原」は濃いめの味。私は迷いに迷いますが、「高天原」かなぁ、、、気が変わるかも。(笑)

ここ塚原は名水が湧くようです。「塚原の里」の店内にこんな貼り紙がありました。

(妻が発見。)

そう言えば駐車場の一画にひっそりと祠がありましたが、どうやら水神様のようです。

(右の大きな石に隠れてしまっていますが、この後ろで水が流れ出ていました。)

いい昼食でした。ごちそうさまでした。

さて、宿のチェックインにはまだ時間がありますので、予備的に事前リサーチしておいた、「塚原の里」の近くの「霧嶋神社」に立ち寄ってみます。車で数分。

(新緑が美しい。)

霧嶋神社に立ち寄ってみようと思ったのは、境内に湧水(御神水)が出ていて自由に汲むことができ、人がひっきりなしに水を汲みに来るとかで、ちょっと見てみたいと思ったから。

ひっそりとした参道を歩くと気付くのは、まずは新緑が美しいこと。

(誰もいません。ひっそりとした雰囲気がとてもいい。)

次に気付くのは、路傍の石たちにむしている苔のなんと立派なことか。

(びっしり苔むしています。こんな景色は初めて見ます。妻が苔を近くで見て、その立派さに驚いていました。)

参道脇の祠も苔に覆われています。

(実際はもっと緑がはっきりしていて、とても美しかったです。)

境内です。

(神職はどなたもいません。水を汲みに来る人は途切れることがありません。)

手水舎も苔&シダを厚くまとっています。

(もちろん湧水が❝源泉かけ流し❞でドバドバです。(笑))

こちらが境内脇で出ている湧水です。想像以上の水量で、汲み口は2つあります。

(水を汲みに来る人は、ペットボトル数本なんて次元ではありません。ポリタンク10個単位って感じ。どう考えても家庭消費ではないような。(笑))

そして、湧水を汲む所にはこの立て看板。

(値上げしてもいいと思います。(笑) 私は水を汲みませんでしたが、百円お賽銭を入れました、、、というか、百円未満、入れづらいです。(笑))

お参りさせていただきました。

(書き置きの御朱印もありませんでしたが、おみくじはセルフのものがありました。)

本殿を外から拝見できますが、彫刻が素人目にも分かる立派さ。

(霧嶋神社の御由緒など詳しいことは分かりませんが、この立派さは相当なものだと思います。)

湧水に興味があって立ち寄った霧嶋神社ですが、見応えがありました。塚原というエリアが名水の里ということもよく分かりました。

さて、そろそろ宿に向かうことにします。お天気は快晴。最高のドライブ日和です。

(ドライブ中。妻撮影。窓を開けて走りたくなる、気持ちのいい道です。)

通りかかった「由布岳登山口」。

(たまたま立ち寄りましたが、下から眺める絶景スポットです。)

大きな案内板。なるほど、由布岳(左)と鶴見岳(右)、この2大峰を縦走するのか、、、。

(私たちは由布岳はここから眺めるだけ、鶴見岳は明日「別府ロープーウェイ」で登ります(昇ります)。(笑))

この大きな案内板から数歩進んだ所でこの景色!

(真ん中が由布岳。絶景です。)

トレッキングの方がパラパラと下りて来ています。

(多分無理だと思いますが、ここから見ていると自分も登れそうと錯覚してしまいます。(笑))

いい景色を見ることができました。この由布岳登山口を出発すると、数分で有名展望スポットの「狭霧台」ですが、何度も立ち寄っていますのでスルー。まだちょっとだけ時間があるので、明日立ち寄ってみようかと妻と相談中の「工房 輪葉葉」の場所を確認がてら一瞬寄り道。

(「食事中」とのことで閉まっていました。)

「輪葉葉」は、❝伝説の❞「招き猫」(陶器)を製作・販売している工房ですが、超人気で販売日は必ず抽選(定刻にその場で抽選)で、まぁ当たらないらしい。今日も抽選日だったようですが、今は誰もいません。

(私たちのレンタカーだけ。翌日(明日)ここが満車になるとは、この時は想像もできず。(笑))

ちょうどいい時刻となりました。本日のお宿「由布院 六花」に向かいます。

そうそう、北部九州の観光スポットには行き尽くしている感があり、「どこに行こう?」となかなかいいプランが思いつかなかったので、「ChatGPT」に聞いてみました。

(う~ん。旅人の心をつかむ提案とは言えないなぁ。質問力の問題かな。(笑))

 

・・・「由布院 六花」一泊旅行②〔「由布院 六花」編〕へ続く。


秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行④[完]〔復路道中編〕

2023年05月13日 | 旅行記

「小さなホテル セラヴィ」は12時チェックアウト。復路の道中の立ち寄りスポットはほぼノープランでしたが、秩父・長瀞の名所は押さえておこうということで、まずは「長瀞ライン下り」の見せ場でもある国指定天然記念物「岩畳」(いわだたみ)へ。といっても、対岸の「長瀞自然のみち」という散策路から見えるのではないかという見切り発車です。(笑)

(セラヴィから数分で到着。数台分ですが無料駐車スペースもあります。)

対岸は人でにぎわっていますが、こちらはこの通り、誰もいない散策路です。

(石畳できちんと整備されています。)

歩き始めるとすぐに「春日神社」というお社がありました。

(案内板によると、昭和17年頃までは春の例大祭は盛大に行われていたそうですが、今はその面影もないひっそりとしたお社です。)

肝心の対岸「岩畳」の眺望ですが、なかなか視界が開ける場所がありません。5分くらい歩いたでしょうか、既に対岸は岩畳ではないかもしれませんが、「これぞ長瀞」みたいな景色が見えました。

(確かにこの渇水ぶりではライン下りは無理ですね。)

散策路を少し戻って、もう少し岩畳っぽい景色を。(笑)

(岩畳ということにしておきましょう。)

散策路途中にこんな道標がありました。「井戸はぐれの旧道」。

(全く道らしきものが見えませんが、昔々は人馬が通行していたそうです。「井戸はぐれ」は漢字では「井戸破崩」と書くようで、道中の危険度が分かります。)

さて、事前のリサーチでもチェックはしていたのですが、今日の暑さならピッタリかと思い、車で数分の所にあるかき氷専門店「阿左美冷蔵 金崎本店」へ。

(たまたまお店の駐車場に入れることができましたが、基本満車でなかなかの競争率のようです。)

事前リサーチでは行列のできる店ということでしたので、あまりに待つようならスルーしようかと思いましたが、30分待ちくらいなので並びました。

(この敷地内に、「本館」、「氷極」(ひぎょく)、「蔦楽庵」(ちょうらくあん)という3つの店がありますが、メニューは別々だったような。)

かき氷なのでお客さんの回転は良くて、そんなにストレスなく待てます。

(奥の「本館」という暖簾の所が入口です。)

待っている間にメニューから注文を選んでおくシステム。(精算はかき氷が出てきた時にテーブル会計です。)

(「蔵元秘伝みつ 極みスペシャル」と「いちごミルク&メロンミルク」にしました。)

お土産にこちら「阿左美冷蔵の水羊羹 箱入り一枚流し」も注文。

(帰宅後すぐにいただきましたが、水羊羹とぷるぷるの寒天の二層構造で、不思議な食感とすっきりした甘さでとても美味しかったです。)

さて、私たちの番が回ってきました。

(新緑に藍に白抜きの暖簾、涼し気で風情があります。)

暖簾をくぐって進んで行って、席に着く前あたりで振り返った景色。

店内と屋外(庭)が選べるようですが、木陰が気持ちいいお天気なので、屋外のテーブル席にしました。

(庭にいろいろなパターンで席が配置されていて、お隣が気にならないゆったり感の中でかき氷をいただけます。)

「店内に温かいお茶(セルフ)もございます。」とのことで、汲みに行ってみます。

(オシャレそうな店内入口。)

てっきり給茶機かお茶のポットがあると思っていたので店内を見回しましたが、それらしきものがない、、、と思ったら、何とこの釜から柄杓で汲みます。

(汲みづらいですが(笑)、風情があります。)

お茶をすすっていると、かき氷が来ました! まずは私が注文した「蔵元秘伝みつ 極みスペシャル」。

(「阿左美冷蔵」はかき氷と餡などは別々になっています。餡ですが、奥から「あずき粒あん」、「白あん」、「抹茶あん」。手前の小さなポットは「蔵元秘伝みつ」。)

上からも撮っておきます。(笑)

(ちなみに、かき氷の食感は、今はやりの❝ふわ雪氷❞タイプではなく、昔ながらの❝ソフトガリガリ❞タイプ。氷は天然氷だとか。)

妻が注文した「いちごミルク&メロンミルク」。

(日本酒なら一合は入りそうな器にたっぷりイチゴとメロンのミルク。)

これをかけながらかき氷をいただきます。

(かき氷が余ることのないたっぷりのイチゴ&メロンミルクの量。私の3種類の餡もたっぷりな上に、秘伝みつもありますので、存分にかけまくれます。(笑))

食べ終わって出てくると行列が伸びていました。最後にこの顔出しをやって(笑)「阿左美冷蔵」を出発しました。

続いて、往路を走っている時に大きな看板で「寺坂棚田」と案内が出ていたことを思い出して行ってみました。武甲山と棚田のコラボ絶景の「寺坂棚田」。

(田んぼに水を入れているかと思いましたが、ちょっと早かったようです。向こうの山が武甲山。)

横瀬町の「寺坂棚田」。埼玉県内最大級の広さ(約5.2ha)で、農業者や各団体の取り組みで保全されています。2022年、農林水産省の「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~(ポスト棚田百選)」に埼玉県内で唯一選定されました。「ポスト」なんですね。(笑)

東屋が見えましたので、駐車場から立入可の畦道を歩いて向かってみます。

(東屋。今日も暑い! 日傘を持っていない私は東屋の日蔭へ緊急避難。)

駐車場と東屋の間を歩いて一番いい感じで景色が見えるポイントはこのあたりかな。

(一部水を張った田んぼがありましたので、そこで撮ってみました。)

田植えはこれからのようです。苗が準備されていました。

(農作業のことは全く分からないので、ここからどんな作業となるのか。)

秩父神社の手水舎に「武甲山の伏流水」と書かれていた「武甲山」、形がかなり不自然です。

(明らかに山肌を人工的に削られているように見えます。)

実は、セラヴィの部屋にあった「ブラタモリ」の長瀞編のDVDを観ていると、この武甲山についてもレポートされていました。

(DVDのジャケットは長瀞ライン下りの様子ですね。)

武甲山は石灰岩の採掘場所で、1917年(大正6)に採掘が開始され、日本最初のセメント工場に石灰岩を供給。その後、日本が高度成長期を迎え、都市開発やインフラ整備などのセメントの原材料を供給し国の成長を支えました、、、みたいなレポートだったと思います。上の写真手前の工場はセメントのプラントで、多分「秩父セメント」です。

誰もいない寺坂棚田、なかなか良かったです。田んぼ一面に水が張られていたら更に絶景だったでしょうね。次は、テレビの地元ニュースでもやっていた、芝桜の名所「羊山公園」に立ち寄ってみます。

(ここからも武甲山を望むことができます。)

情報によると、芝桜のピークを過ぎたので入場無料になっているけど、一部では遅咲きの芝桜がまだ咲いているとのことで、「じゃぁ立ち寄ってみるか。」という、ちょっとケチな話です。(笑)

(入場料は無料でしたが、駐車料金は取られます。(笑))

見所は「芝桜の丘」ですが、こんな感じです。(笑)

(大体パンフレットと同じアングルで撮ってみました。情報通り、完全にピーク、終わっております。(笑))

❝遅咲きゾーン❞らしきエリアを見付けて、「多分ここが一番咲いている」所を撮ってみました。

(ほぼ❝葉桜❞状態。(笑))

近接で撮るともう少し咲いている感が出ます。

(そうでもないか、、、。)

かくなる上はズームで。(笑)

(芝桜の丘には10品種、40万株の芝桜が植えられているそうです。)

「羊山公園」だからかどうか分かりませんが、羊が飼われていて、草やり体験ができるようです。

ここに植わっているヤマボウシが満開でした。

(これはすごい。ヤマボウシってこんなになるのですね。)

芝桜の丘、そこそこアップダウンがあって、今日の日差しと暑さで汗だくになりました。もう初夏ですねぇ。さて、復路の立ち寄りスポットはこれにて終了です。あとは帰るだけですが、「阿左美冷蔵」のかき氷を食べてから何も食べていないので、さすがにお腹が空きました。帰り道の途中、そこそこ戻ってきた所で早めの夕食にしました。何となくハンバーグが食べたくなったので、「びっくりドンキー」へ。

(久々というか前回はいつ来たかも記憶がない「びっくりドンキー」。)

ハンバーグのボリュームが150gの上がいきなり300gで迷いましたが、300gを注文。

(大きさに驚きましたが、想像以上に美味しくて、ペロッと完食。ごちそうさまでした。)

夕食も終わって最後の道中を走っている時、空には不思議な形をした雲がいくつも浮かんでいました。

(妻撮影。)

吊るし雲(レンズ雲)と呼ばれる雲で、上空の風が強く空気が湿っている気象状況の時に発生しやすくなるそうで、要は、明日あたりは雨が降るという予兆。一泊旅行の間、お天気が良くて良かったです。この後無事に帰宅。これで今回の一泊旅行は全行程終了です。

秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」、思い出に残る宿でした。次は季節を変えてリピートしたいと思います。

「あなたの別荘」、、、最高です。(笑)


秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行③〔滞在2日目編〕

2023年05月11日 | 旅行記

セラヴィでの滞在2日目の朝です。鳥の鳴き声で6時頃に目覚めました。

(近くで鳴き声が聞こえると思ったら、ベッドルームの窓の外の木の枝にこんな大きな鳥が留まって鳴いていました。)

目覚めの温泉です。

(旅先での朝一の露天風呂、最高です。(笑))

2、3度温泉に浸かったでしょうか、一番早い時間帯8時からの朝食の時刻となりました。1階のレストランに行くと、私たちが一番乗りでした。

(改めてレストランを眺めてみて、本当に素敵です。)

テーブルの場所は昨晩の夕食の時と同じ。「斧折樺の箸」も昨晩選んだタイプのものがセットされていました。

(妻と座る席を交替したので、斧折樺の箸も入れ替えです。(笑))

朝食の献立です。

■しぼりたて蜜柑

(手搾りだそうです。もちろん無添加ですが、何だこの濃厚な甘さは!)

■(左下の御飯からスタートしてざっくり右回りで)平飼いたまご厚焼き・紅鮭塩焼き、小鉢(茄子、みょうが)、地元長瀞「うめだ屋」おぼろ豆腐、地場野菜サラダ(人参ドレッシング)、小鉢(なめことろろ)、小鉢(かき菜お浸し)、小皿(独活きんぴら)、ぬか漬け、味噌汁

(おぼろ豆腐は塩でいただきます。御飯はオリジナルブレンドの「ミルキークイーン」。御飯の器と味噌汁の器が木地で軽い! 両方とも見惚れてしまう美しさでした。)

御飯は今や懐かしい木のお櫃で出されます。

(この使い込まれた感じがたまりません。昭和世代、私が子どもの頃はお櫃が当たり前でしたが、久々に木製のものを見ました。)

■むさし麦豚ときのこの自家製野菜味噌朴葉焼

(結構なボリュームです。)

セラヴィの自家製野菜味噌がぐつぐつしてきたら食材をしっかりと混ぜて混ぜて、、、味噌に馴染ませてきのこたちがしなっとしたら食べ頃です。

(これ、めちゃうまでした。朝食の御飯とも相性抜群ですが、夜なら日本酒の肴としても最高だと思います。(笑))

■手作りヨーグルト

(この器も木地に漆で超軽量。手にも馴染むしいい食器です。)

ちょうどいいタイミングで宿の方が「テラスにコーヒー、紅茶をご用意していますので、よろしければ食後に森林浴をどうぞ。」と勧めてくださいました。

(昨晩と同じソファーに座って、明るい中でローテーブルの置物を見ると、童話の世界に入り込んだような感覚が一瞬。)

窓の外は新緑。涼しい朝の空気が気持ちいいです。

テラスのコーナーにはカップ&ソーサーが用意されていますので、コーヒー・紅茶、好きな方を注ぎます。

(あっ、部屋で飲まなかった「Nagatoro Tea」と「無農薬栽培で育てた森のコーヒー」です。知らないうちに飲んでました。(笑))

宿の方が出来立ての「ふわふわ泡ミルク」を持って来てくれました。

たっぷりコーヒーと紅茶に❝トッピング❞。

(お茶請けに「すのうぼうる」がありましたので、いただきました。)

ソファーに座って窓の外の新緑を眺めながらコーヒーを飲みます。頭が空っぽになってリラックス状態。(笑) ふと目の前を見ると、香りを楽しむオイルの小瓶がありますが、ラベルには「斎場御嶽」の文字。

(「斎場御嶽」は「せーふぁーうたき」で琉球最高の聖地。世界遺産。九州勤務時代に訪れたことがある思い出の地でもあります。この小瓶を手に持って、あの神聖なエリアを散策したことを懐かしく思い出します。)

同じローテーブルには、こんな楽しい❝読み物❞もありました。

(文字がびっしり。何だろう?)

これ、迷路形式になっていて、「スタート」から迷路を脱出するように読み進めると、良く知った童話になります。すごいのは、迷路を間違って進んでも、ちゃんと文章として成立するようになっていること。(もちろん、行き止まりに当たりますので、そこでストップですが。)

(「王様の耳はロバの耳」。思わず引き込まれて読んでしまいました。実は、間違って進んで読める文章が面白い。正確な文章は忘れましたが、例えば「王様は散髪屋に入ってパンチパーマをかけれくれと言いました。」みたいな文章。(笑))

朝食もテラスタイムも夕食に引き続き幸せな時間でした。しばらくテラスでまったりした後、部屋に戻りました。温泉に何度も浸かりました。チェックアウトは12時。11時を回ると、朝の涼しさからぐんぐん気温が上がってきました。

(日差しも強くなってきました。雨の心配はどこへやら、今日も暑くなりそうです。)

「さて、今日はどこに立ち寄って帰ろうか。」 まだ何も決めていませんが、長瀞ライン下りの状況をネットで確認してみました。連日の好天で荒川の渇水状態が続き、ライン下りできる水量がないため、出発地点近くを15分ほど周回する「一周船」という運航になってしまっているようです。

(ネットより拝借。これでも1100円とは、ちょっとね、、、。)

ということで、長瀞ライン下りはパスしますが、対岸から天然記念物「長瀞岩畳」は見てみようと思います。その他、かき氷の名店(製氷店)、往路で大きな案内看板を見た棚田、ピークが過ぎて入場無料になった芝桜の名所などに立ち寄ってみることにしました。

秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」、最高でした。間違いなくリピートします。今回は自家用車で来ましたが、秩父鉄道「野上駅」への送迎サービスがあるようです。そして、この送迎の車がこちら「トヨタ・クラシック」。

(まさにクラシックカー。ちょっと乗ってみたい気がします。(笑))

最後に、キジのステンドグラスがある玄関をバックに夫婦の記念写真を撮ってもらいましたが、1枚は夫婦ともに同時かつ完全に目をつむっていました。(笑) お世話になりました。また「別荘」に帰って来ます!

 

・・・秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行④[完]〔復路道中編〕へ続く。


秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行②〔滞在1日目編〕

2023年05月10日 | 旅行記

「小さなホテル セラヴィ」は「長瀞オートキャンプ場」の敷地の中にあります。聖神社から県道を北上すると、必ず気付くこの看板が目印。

長瀞オートキャンプ場のゲートを入って行って、「セラヴィはこちら」的な案内板に導かれて到着です。

(オートキャンプ場の中と言っても広大な敷地なので、セラヴィ滞在中、キャンプ場からの声は全く聞こえず。風の音と鳥の鳴き声だけの森の中という静寂さでした。)

駐車場は建物のすぐ近く。全5室ですので、駐車スペースも小ぢんまりしています。

(「PARKING」のアイアンサインがいい雰囲気。)

こちらが「小さなホテル セラヴィ」のエントランスです。

(いい宿はその前に立っただけで分かります。1980年からこの地に佇んで43年。時間の経過が醸し出す伝統を感じます。)

宿の名前「C'est La Vie.」(フランス語)の意味と主人の想いが、部屋に置かれた冊子に書かれていました。

(悲しい時に「それもまた人生」、出会いに感謝する時に「これぞ人生!」と、いろいろなシーンで使うようです。主人の想い「ここセラヴィはあなたの別荘、どうぞご自宅のようにごゆるりとお過ごし下さい。」という言葉が嬉しいです。)

キジのステンドグラスが印象的な玄関扉。セラヴィに数多くあるステンドグラスはアーティストの作品だそうです。

(玄関扉のキジのステンドグラスは大塚基純という方の作品。)

写真から既に感じるように、セラヴィはアンティーク調の調度品でいっぱい。昭和世代の私たち夫婦にとっては懐かしいというか玄関を入った瞬間からホッとする感じです。ロビーはこんな景色。

(「電話室」。かつてはほんとに電話が置かれていたそうですが、今はLAN環境が整えられたインターネット利用スペースとのこと。)

上の写真に背もたれ部分が見える革張りのソファーに座ってチェックイン。目の前には開放的な窓、外には緑が広がります。

(セラヴィを象徴する像。後程知りましたが、流木作家さんの作品だそうです。)

ルームキーとマスクケース。

(マスクケースにはセラヴィのための絵画がプリントされています。ルームキー、一見普通に見えますが、実はこれ、バードコールになっています。「星のや富士」のルームキーもバードコールだったことを思い出しました。)

今回予約した「Tルーム」は2階の角部屋。部屋の扉には「T」がデザインされたアイアンサイン。

(無垢材の扉も温か味を感じます。建物は古いですが、隅々まで手入れされ、設えにスキがない。(笑))

この「T」サイン、やはり芸術作品でした。

(部屋に置かれた冊子に説明がありました。西田光男という方の作品。この説明書きの下には「こちらのお部屋にしかない、たった1つのものたち」という説明が続いていて、とにかく部屋の家具や小物はほとんど一点もの。)

Tルームの概観です。

(ネットより拝借。扉を開けて踏み込みに立って見える景色。)

写メだとこんな感じです。天井の照明もいいですね。

(このソファーは「カリモク家具」の特注品で、もう何十年も経っているそうです。このソファーには仕掛けがあって、片方のひじ掛けを引っ張り出して、背もたれのクッションを敷けば、ベッドになります。)

寝室、洗面、シャワールーム。

(ベッドスローは「秩父銘仙」という、秩父地方で生まれた独特の「ほぐし模様」の織物だそうです。宿のサイトによると、「平織りで裏表がないのが特徴で、表が色あせても裏を使って仕立て直しができる利点があり、女性の間で手軽なおしゃれ着として明治後期から昭和初期にかけて全国的な人気を誇っていました。数も少なく貴重な古布は、柄も斬新で今でも新鮮に感じられます。」とのこと。ぞんざいに扱えません。(笑))

トランプも一点もの。オシャレすぎます。(笑)

(トランプそのものは半透明なので、実際にゲームに使えるのか??)

水屋はライティングビューローをイメージさせますが、陶器のミニシンク付きですので、水屋用の家具なのですね。

(絵画は秩父在住の画家、勝野平二氏の作品。勝野氏は「セラヴィ」の名付け親でもあるそうです。ベッドルームにも作品がありました。水屋家具の下段のスリット開き戸の中には冷蔵庫があり、中身はフリーです。)

水屋家具の上段のガラスの引き戸棚の中には、左に秩父のお茶たち。

(冷蔵庫のジンジャエールと麦茶ばかり飲んでいて、このお茶は結局飲まず。)

右には「長瀞珈琲焙煎室」の「セラヴィスペシャルブレンド」の豆。

(セラヴィスペシャルブレンドともう一種類、「無農薬栽培で育てた 森のコーヒー」という豆もありました。)

棚の奥に見えるハンドル付きの❝筒❞が豆を挽く器具。ドイツの「COMANDANTE(コマンダンテ)」社のコーヒーグラインダー。これがすごくスムースに豆を挽けて使いやすい。「これ、いいなぁ。」と欲しくなってAmazonで検索すると、超高級品でした。(笑)

(ネットより拝借。色違いの同じ製品。バリスタも使う❝本物❞のようです。豆の挽き方がコーヒーを淹れた時の味を大いに左右するそうです。)

お茶請けの置き菓子は、秩父産メイプルシロップ「秩父カエデ糖」使用の「すのうぼうる」。

(指で作ったオッケーサインの❝丸❞くらいの大きさ。とても美味しいですが、結構口の中の水分を持っていかれますので、飲み物必須です。(笑))

さて、Tルームの室内のレポートは一旦中断して、チェックインの時に❝一番風呂❞を予約した、貸切大露天風呂「洗心」へ。(Tルームのテラス、半露天風呂のレポートはその後で。(笑))

セラヴィの建物を出て、お向かいの別棟が「洗心」です。確かに大露天風呂です!

(ネットより拝借。奥に見える屋根付きの場所は、左が脱衣場、少し奥まって左が休憩処。)

脱衣場のランプも雰囲気満点のアンティーク調です。

(おそらくアーティストの作品だと思います。)

脱衣場から踏み出すとこんな景色です。

(もはや大浴場クラスの広さです。)

脱衣場から(露天風呂とは逆側に)石段があって、そこを上ると東屋風の休憩処があります。

(滑らかな踏み石がうまく配されているので、素足でも痛くありません。)

アイアンの手すりもありますので安全です。そして、この手すりがまたしてもオリジナル(オーダー物)。

(リスが駆け上っています。現在進行中の❝プライベートプロジェクト❞でアイアンのオーダー物が高価なことを思い知らされているので(笑)、このさりげない手すりの価値も何となく分かります。)

休憩処も広々としていて開放的そのもの。

(囲炉裏もあるので、食事処にも使えそうな充実ぶり。蚊帳でも吊るせば、夏場ならここで十分宿泊できそう。(笑))

休憩処には冷蔵庫もあって、中にはジンジャエールと水がぎっしり。

(ジンジャエール、いただきました。もちろんフリーです。)

貸切時間は50分。広大さもさることながら、休憩処の存在もあって、本当にゆっくりと過ごせます。あっという間の50分でした。セラヴィの貸切大露天風呂「洗心」、最高です。

部屋に戻ってきました。Tルームにはテラスと半露天風呂があります。カリモク家具のアンティーク調ソファーのある❝リビング❞からテラスに出ます。

(この林の向こうは長瀞オートキャンプ場ですが、人の声は全く聞こえません。鳥の鳴き声と風で樹々がそよぐ音だけが聞こえます。)

テラスに出て室内を見るとこんな景色です。

(今日のように暑い日になると、この季節、もう虫が飛んでいますので、テラスでのんびりするには蚊取り線香必携です。ちゃんと用意されています。(笑))

こちらが半露天風呂。

(林側には一応の虫よけ、蚊帳がセットされています。そして、オーダー物と思われるアイアンの柵。写真左の手すりも含めて全て西田さんの工房の作品。)

この日は5月5日ということで、菖蒲湯の粋な計らいです。

(菖蒲湯は、リラックス作用や血行促進が期待できるほか、肩こりや腰痛予防にも効果があるそうですが、行事としては、端午の節句に子どもの健やかな成長を祈るという意味合いもあり。)

こちらがセラヴィの長瀞温泉に併用されている、北海道産の「ブラックシリカ」。

(湯舟に沈められているブラックシリカを写メのため一瞬引き上げました。(笑))

ブラックシリカは天然鉱石で、「神の石」と言われるほどの効力があるそうです。マイナスイオンが豊富に放出されるため、入浴すると精神が安定する上、自律神経と呼吸機能を高め、血流を促し、汗や血液をサラサラにし、さらに酸素を全身に行きわたらせることから体の免疫力を高めます。(半露天風呂の棚に置かれていた説明書きより。)

宿に来ると最近ついついチェックしてしまうシャワーヘッドです。(笑)

(3パターンの切替機能あり。違うかもしれませんが、アラミック(Arromic)のシャワーヘッドを思わせる高水圧でした。)

「長瀞温泉+ブラックシリカ+菖蒲湯」という効能盛り盛りの温泉に2度ほど浸かっていると夕食の時刻となりました。食事は1階のレストランとなります。

(テーブルの上に置かれたオイルランプが優しい空間を演出します。)

テーブルに着く前、レストランの入り口で、まずお箸を選びます。「斧折樺(おのおれかんば)の箸」という、秩父の樺の木で作ったお箸が太さ・長さ別に5種類用意されていて、自分で持ってみて一番使いやすいものを選ぶ、という趣向です。

(自分で選ぶという趣向のため「記念にもらえるのかも。」と欲深いことを思ってしまいましたが、セラヴィの小さな売店で販売中。(笑) 斧が折れるほど硬いことがその名の由来です。なお、セラヴィでは環境への配慮として、お箸は使い捨てにはしていません。)

ドレスコードはフリー。「あなたの別荘」ですから、部屋にある作務衣や浴衣(勝野平二氏デザイン)でOKです。テーブルセッティングも特別感は演出しつつも自然体。

(手前のお箸が私が選んだ❝長め・やや太め❞の斧折樺。妻は❝短め・やや細め❞を選びました。)

本日の献立。

(「食べられる物の命を できる限り生かすのが精進」。コースの最後に気さくなシェフが挨拶に回られましたが、「できる限り素材の美味しさをそのまま味わってもらえるよう心がけています。」とおっしゃっていました。)

水のグラスも何だかオシャレ。

(イボイボがあるので持ちやすい。(笑))

■先付:玄米、梅、スープ(小さな湯呑みで出てきましたが写メし忘れました。(笑))

■前菜:(写真上段)割り干し大根、ふき、あずき菜と小豆、鮑とアスパラガス、(写真下段)芹・人参・アーモンド、ぶどう豆豆腐・山椒、サマーオレンジ、紫キャベツ・レンズ豆・ドライトマト

(皿が長かったので分けて写メ。素材の味をしっかり感じる薄味。)

乾杯はスパークリングワインで。

(「 Segura Viudas(セグラ ヴューダス)」(スペイン)というスパークリングワイン。)

■椀物:沢煮(わらび、独活、人参、椎茸、牛蒡、絹さや、木の芽、祝いの粉)

(「祝いの粉」とは胡椒のこと。昔は貴重品だったことから祝いの席などでしか使わなかったことがその異名の由来のようです。)

ここで、料理の美味しさはもちろん感動的ですが、それ以上に気になるのがこの木彫りの半月盆。

(見事なお盆。妻は別の柄でした。これは彫刻家の豊田豊という方の作品とのことで、材質は栃の木。デザートの時に移動したレストランをぐるっと囲む❝室内テラス❞の見事な彫刻も同氏の作品。)

さて、飲み物は、遅まきながら「秩父のワインコース」へシフト。。

(「本日のグラスワイン」から白・赤2種類ずつを順番に出してくれます。)

1種類目は秩父の「兎田ワイナリー」の「秩父ブラン」。

(やや甘口とのことですが、スッキリしています。)

■温物:炙り角煮(じゃが芋、マスタード、ごぼう、法蓮草、若もろこし、人参)

(若もろこしは❝ひげ❞も美味しくいただけます。この炙り角煮、激ウマです。)

■凌ぎ:グリーンピース・カリフラワーご飯、小皿(ふきの葉、黒オリーブ)

(先程とは違う柄の半月盆。見事です。)

■強肴:鱒(パセリバター、芽キャベツ)、新玉葱・ピンクペッパー、ケール、紅芯大根、そら豆

(確か姫鱒と説明されたような記憶が。美味しい~。)

白ワイン2種類目は、「秩父ワイン 源作印」の「甲州シュールリー」。

(やや辛口。先程の「秩父ブラン」よりも更にスッキリタイプ。秩父の白ワイン、いいですねぇ。)

■主菜:黒毛和牛、小鉢(アボカド、ニラ、黒にんにく)、手前小さじ(行者にんにく)、蓮根、トマト、えんどう、甘唐、もやし、フルーツピーマン、奥大さじ(葉物サラダ)

肉料理に合わせて赤ワイン1種類目を出してもらいます。「秩父ワイン 源作印」の「G3 2014」。

(フルボディ。地元の食材に地酒というのは鉄板のマリアージュですが、地元のワインというのも間違いない美味しさです。月並みな感想ですが、幸せなひと時です。)

赤ワイン2種類目はデザートにも合うということで、後程出してもらうことにして、〆の食事へ。

■食事:そば切り

(十割そば。そばの香りと美味しさを堪能するために、「ひと口目は是非塩でどうぞ。」とのこと。)

そば茶が一緒に出されますが、湯呑み(と皿)が素敵です。

そば湯も出てきました。

(そば湯の器が木地に漆でとにかく軽くて手触りが最高。そば湯もそばを味わい尽くすためあえて濃くしているそうです。)

この十割そばが超美味で、スルスルと一枚いただいたところ、宿の方から「料理長はその日にそば粉を引いてお客様の人数分しかそばを打たないのですが、今日は偶然にも一人前余裕があります。よろしければおかわりはどうですか。」という最高のご提案が。即答で「いただきます!」。(笑)

(今まで食べたそばで一番美味しい。もちろん旅先での食事ですので、美味しさちょい増しではあると思いますが。)

この後、料理長が各テーブルを回って来られました。とても気さくな方で、素晴らしい料理と最後のそばの美味しさ、「何だかエネルギーをもらったようです。」など感謝の気持ちを伝えて、少しですがお話できました。ありがとうございました。

あとはデザートです。このままテーブルでいただくもよし、❝室内テラス❞に移動するもよし、ということで、移動しました。

(ソファ、椅子、ローテーブル、どの家具も素晴らしいです。)

ふと隅の方に動く物を感じて見てみると、メリーゴーラウンドの置物が回っていました。

(実際は動いています。ダイソンの真っ白なファンが若干浮き気味なのはご愛敬。(笑))

そしてこの彫刻。

(この彫刻が❝室内テラス❞を囲むように10枚配されているのですが、その10枚で長瀞の四季を表現しているそうです。食事の時の半月盆と同じく豊田豊氏の作品。材質は楠の木。)

■甘味:道明寺、小豆、抹茶ジェラート、長瀞苺 + オプションで注文しておいたセラヴィオリジナルの小さなケーキ

(イチゴよりも一回り大きなチーズケーキ風とチョコレートケーキ風のものがオリジナルケーキで、確か豆腐を使っていると説明があったようななかったような、、、。)

コースはこれで終了ですが、デザートを食べ切れないので、残った分を盛り直していただき、秩父のワインコース最後の赤ワイン2種類目とともに部屋に持って来てもらいました。

(赤ワイン2種類目は、「兎田ワイナリー」の「秩父ルージュ」(ライトボディ)。)

これにてコースは完全終了。ごちそうさまでした。ちなみに、献立には書かれていませんが、セラヴィのコースは、和の食「身土不二(しんどふじ)の膳」と銘打ち、朝晩合わせて65種程の大地の恵みと旬野菜、上質な肉・魚を取り入れたコースとなっています。体が元気になるのも気のせいではないのかもしれません。

部屋に戻ります。夜のテラスに照明が雰囲気を醸し出します。

(ゆっくり温泉に浸かります。日中の鳥の声に替わって、虫の声が静かに聞こえます。)

ベッドルームから見える外は竹林の景色。

(ベッドルームの窓より。)

時刻は10時を大きく回りました。ふと空を見上げると、月が明るく輝いています。

(テラスに立って。この後月は雲に隠れてしまいました。明日は雨かなぁ、、、。)

日中の暑さが嘘のように涼しい夜です。この後温泉を何度か楽しんで就寝。秒で眠りに落ちました。(笑) 明日、雨が降りませんように。

 

・・・秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行③〔滞在2日目編〕へ続く。


秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行①〔往路道中編〕

2023年05月08日 | 旅行記

2023GW後半戦、秩父の長瀞にある「小さなホテル セラヴィ」に行って来ました。以前から気になっていた評判の宿ですが、昭和世代の私たちが落ち着ける素晴らしい宿でした。リピートしたい宿にまたひとつ出会いました。

GWということで、高速道路でも一般道でもさほど所要時間は変わらないようなので、のんびり下道で行って道中にあるいくつかのスポットに立ち寄ります。

既に秩父エリアに入っていますが、トイレ休憩で「道の駅あしがくぼ」へ。

(数日前の天気予報を覆す快晴。夏のように暑い!)

この後宿の食事で堪能しましたが、秩父は新鮮野菜が豊富なようで、ここでも魅力的な野菜がお買い得価格で出ていましたが、旅はこれからですので、「いい野菜だねぇ~。」と見るだけ。人出の方は、駐車場に入れるのにちょっと待つくらいのプチ混雑というところでしょうか。

さて、立ち寄りスポット「秩父神社」に到着です。神社の無料駐車場に入るのに2台待ちでしたのでラッキーだったと思います。時間と体力があれば「秩父三社」と言われる「三峯神社」・「秩父神社」・「宝登山神社」にお参りしたいところですが、今回は秩父神社へのお参りとさせていただきました。(特に三峯神社は離れていて山梨県近くです。)

(ますます気温上昇中。暑い!)

まずは手水舎で手を清めます。

(「武甲山」。これも後程宿にあった「ブラタモリ」の秩父編DVDで知ることとなりました。)

秩父の総鎮守「秩父神社」の創建は、第10代崇神天皇の御代に知知夫国の初代国造に任命された八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)を、その十世の子孫である知知夫彦命(ちちぶひこのみこと)がお祀りしたことに始まるとされています。(秩父神社サイト参照情報。) 八意思兼命は政治・学問・開運を司る神様。そんな秩父神社は、2014年(平成26)に鎮座2100年(!)を迎えました。

(神門。)

お参りの列が神門近くまで伸びていましたが、並びます。

(日傘必須の日差しの強さ。)

現在の社殿は、1592年に徳川家康の寄進によるもの。その影響かどうかは分かりませんが、日光東照宮と造形に共通する趣きを感じます。

(鮮やかな彫刻。これは見応え十分です。)

見所はいろいろとあると思いますが、必見は本殿の4面の彫刻。①「子宝子育ての虎」、②「お元気三猿」、③「北辰の梟」、④「つなぎの龍」。こちらは本殿正面の頭上の彫刻。

①「子宝子育ての虎」(本殿に向かって正面左側にあり。)

「秩父神社は永禄12年(1569)戦禍により焼失の後、徳川家康公のお力により天正20年(1592)に再建されました。当社の社殿正面にも四面にわたって虎の彫刻が施されています。特に拝殿正面左より二つめの子虎とたわむれる『子宝 子育ての虎』の彫刻は、名工 左甚五郎が家康公の威厳とご祭神を守護する神使として彫ったものと伝えられています。」(秩父神社サイトより。)

この「子宝 子育ての虎」の彫刻の下にはこんな言葉が掲げられています。

(「親の心得」。なるほど。)

②「お元気三猿」(本殿左側の面にあり。)

「三猿といえば日光東照宮が有名ですが、同じ徳川家縁りの御社であるにも拘わらず、秩父神社の三猿は日光とまったく違った表情をしています。日光が古来の庚申信仰にちなんで、『見ざる・言わざる・聞かざる』なのに対し、秩父神社の三猿は『よく見て・よく聞いて・よく話す』お元気三猿として親しまれています。」(秩父神社サイトより。)

③「北辰の梟」(本殿正面反対側の面にあり。)

(改修工事中。(笑))

「ご本殿北側の中央に彫刻された梟は『北辰の梟』といって、菱川師宣の描く有名な浮世絵『見返り美人』のように、体は正面のご本殿に向き、頭は正反対の真北を向いて昼夜を問わずご祭神をお守りしています。秩父神社のご祭神である妙見様は、北極星を中心とした北辰北斗の信仰であり、この梟の見ている方角に妙見様が出現することからも、ご祭神と特に縁りの深い瑞鳥であると考えられます。」(秩父神社サイトより。)

「北辰の梟」は残念ながら見ることができませんでしたが、神社の外に案内板があって、そこに描かれていました。こんなイメージの彫刻なのでしょうね。(笑)

(ユーモラス。実物を見てみたい。)

④「つなぎの龍」(本殿正面の右側の面にあり。)

「その昔、秩父観音霊場札所十五番である少林寺の近くの天ヶ池に住みついた龍があばれた際には、必ずこの彫刻の下に水溜りができていたことから、この彫り物の龍を鎖で繋ぎ止めたところ、その後、龍は現れなくなったという不思議な伝説が伝わっています。この彫刻こそ、伝説に語られた『つなぎの龍』の姿です。つなぎの龍の彫刻も、名工 左甚五郎が社殿彫刻に施したものと思われます。」(秩父神社サイトより。)

暑い中でしたが、お参りさせていただき、見所の彫刻も拝見しました。

(御朱印をいただきました。)

秩父神社と言えば冬の「秩父夜祭」が有名。夫婦ともども旅先の地域のお祭りに興味があるので、秩父神社の道路向かいにある「秩父まつり会館」に入ってみます。

(かなり立派な建物です。入館料500円。)

毎年12月3日、秩父神社の例祭「秩父夜祭」が行われます。花火も打ち上げられ、こんな景色となるようです。

(ネットより拝借。)

秩父夜祭は日本の重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財に指定されていて、京都祇園祭、飛騨高山祭とともに「日本三大曳山祭」(初めて知りました(笑))。なお、秩父夜祭は2016年(平成28)に世界無形文化遺産に登録されました。当館ではその山車が展示されています。

(実際に曳かれる山車ではなく展示用とのことです。特に奥の花飾りの山車は現在では電線等に絡むリスクを防ぐため、これだけの花飾りの山車はないそうです。)

この後、この山車の展示ルームは照明が落とされ、壁全体がスクリーンとなって夜祭のムービーが投影され体感できます。(ちょっと映像が荒いので臨場感としてはイマイチですが。(笑)) 更にそれが終わると隣の3Dシアタールームに移動して資料映像を15分観ますが、こちらは秩父の四季が描かれており、なかなか勉強になります。

2階の展示室に移動すると、1階の山車を上から見ることができます。

(「秩父神社」。別の側面には「天下泰平」と書かれています。)

こちらは「亀の子石」という秩父夜祭には欠かせない石です。

(「亀の子石」の甲羅に大きな幣束が立っています。)

「亀の子石」とは、秩父夜祭の6基の山車に先立って神幸行列がお旅所に到着すると、石の背中に大幣束が立てられ、神輿が安置される場所。秩父神社・亀の子石・武甲山は、地図上では一直線上に並んでおり、その北の延長線上に北極星が位置する特殊な配置になっているそうです。当館にある「亀の子石」は、新調に伴いお役御免となった前のもの(実際に使われていたもの)。現在は「触らないでください。」ですが、❝現役❞当時は撫でまくられたのか、亀の顔がかなりすり減っています。(笑)

当館では、秩父夜祭だけでなく、秩父エリアで年間300(!)は開催されるという祭の一部についても展示されています。

(神事で使われるものが祭の概要とともに展示されています。上:「三峯神社のごもっともさま」、中:「山田の春祭り」、下:「龍勢祭」。)

秩父夜祭、実際に一度は観てみたい祭です。もっとも、深夜まで続くので、宿泊場所と防寒具は必携のようです。

お昼時です。事前にリサーチしていなかったので、秩父神社の周辺をぶらぶらしてみて、ここに飛び込みました。「亭端 ちんばた」。

(味噌漬けのものを焼いているようないい匂いに誘われて入店。(笑))

メニューを見ると、「秩父名物」なるものがあります。

(外まで出ているいい匂いは「豚みそ漬焼き」ですね。(笑))

せっかくなので、豚みそ漬焼きとわらじかつの「秩父名物W丼」を。

(大盛りにするとわらじかつが2枚になって、まさにわらじ状態になります。(笑) 豚みそ漬焼きが想像通りの美味しさなのはもちろんですが、このわらじかつがうまい! ちょっと甘めのタレがかかっていて、ご飯が進みます。)

飛び込みで入ったお店の秩父名物に大満足して駐車場へ戻りました。チェックインにはまだちょっと早いので、道中もう1スポット立ち寄ります。

「和同開珎」にゆかりのある「聖神社」です。

(駐車場待ち数台、15分程待ったでしょうか。)

慶雲5年(708)、秩父で見つかった銅が朝廷に献上されたことにより、年号が「和銅」に改元され、日本最初の流通貨幣「和同開珎」が発行されました。この「和銅」ですが、精練を要しない自然銅のことで、「ニギアカガネ(熟銅)」と呼ばれていました。聖神社から更に奥に登って行くと、当時の露天掘りの「和銅遺跡」がありますが、この暑さと時間の関係で、聖神社へのお参りとさせていただきます。

聖神社は、和銅献上の際、元明天皇から遣わされた勅使によって近くの金山彦命(かなやまひこのみこと)という鉱山の神様が祀られ、その後、和銅元年に現在の地に遷座し、創建されたと伝わっています。

(ちなみに、元号は「和銅」、貨幣は「和同」です。)

和同開珎が祀られている聖神社は、地元の人々からも「銭神様」と呼ばれ、お金儲けの神様として親しまれています。金運を授かろうということか、結構人がいます。私も傍から見ればそのひとりですが。(笑)

(インパクト抜群、和同開珎の巨大オブジェ。)

念入りに(笑)お参りさせていただき、御朱印をいただきました。

(御朱印は書き置きのみ。金運御守りも授与していただきました。)

さて、いい時刻となりました。ここから「小さなホテル セラヴィ」までは10分程。ちょうど15時にチェックインできそうです。

 

・・・秩父長瀞「小さなホテル セラヴィ」一泊旅行②〔滞在1日目編〕へ続く。


箱根「金乃竹 塔ノ澤」一泊旅行②[完]〔2日目〕

2023年05月02日 | 旅行記

2日目は予報通りの雨。

(雨でもテラスの露天風呂はぬれずに入れます。起き抜けの温泉も旅のお約束。)

本日の天気予報。チェックアウトする頃には雨も上がるようです。

(ネットより拝借。)

朝食は7時半なので、それまで何度か温泉に浸かって目を覚まします。雨と風は強くなる一方で、テラスの軒外に張り出されたタープが下からの強風で煽られて溜まった雨水を勢いよく落とします。

(静止画では分かりませんが、樹々は風にしなり、雨粒は大きく音を立てて降ります。これはこれで温泉に浸かりながら見る自然の景色としていいものです。)

さて、朝食です。朝食は和食・洋食から選ぶことができますので、1つずつ注文しておきました。まずは、私の洋食の方。

(左側に献立、右側に素材や産地の説明。神奈川の素材を中心に、長野、群馬など。)

運ばれてきました。オーソドックスな洋食です。

(野菜は地元箱根西麓三島産。卵は「横浜食彩卵」というブランド卵でビタミンEが通常の5倍だそうです。)

コーヒーカップが面白い形でした。

(カップを持ち上げると皿には金乃竹のロゴがプリントされています。)

妻は和食。チェックインの時に和洋の注文を聞かれますが、ほとんどの方が和食を選んでいましたね。

(洋食よりも使っている食材の数が多い。地元食材もいろいろで、蒲鉾は小田原の老舗「籠清」、梅干は曽我梅林の「十郎梅干」、おぼろ豆腐は箱根湯本の「豆腐屋萩野」など。)

運ばれてきました。品数や食のバリエーションも和食に分がありそうです。

(鰺は相模湾産で、「金乃竹」が厳選した肉厚の特級品。確かにうまい!(妻にちょっとシェアしてもらいました。))

窓の外では雨の勢いは弱くなりましたが、まだ降り続いています。部屋に戻って、コーヒーマシンを使ってみます。

(後ろでテレビが映っていますが、大谷選手出場の試合を観ようと思いましたが、BSは映らず。まぁデフォルトテレビなしのコンセプトなので文句も言えませんが。(笑))

いつものようにチェックアウトまでまったりした時間を過ごします。

(温泉は最後の最後まで楽しみました。)

「金乃竹 塔ノ澤」、評判の宿ですが、再訪はないかな。近隣かつ同価格帯の宿で私たちがリピートするなら伊東の「ホテルふたり木もれ陽」です。「金乃竹 塔ノ澤」のターゲット年齢層はひょっとしたら私たちよりもかなり若いのかもしれません。

(部屋の鍵ホルダーが漆塗りでオシャレですが、巨大。(笑))

チェックアウトの頃にはすっかり雨も上がりました。最後に門柱の所で記念写真を撮ってもらって出発です。お世話になりました。

さて、2日目も特に立ち寄りスポットは決めていませんが、箱根と言えば「寄木細工」ですので、旧東海道筋にある昔の宿場町「畑宿」の「寄木細工の里」に行ってみます。

(想像していたのとは違って、細い街道筋にひっそりと寄木細工の店が点在している感じです。)

箱根駅伝の往路優勝カップが箱根寄木細工ですが、そのカップを製作している「金指ウッドクラフト」という工房に来ました。

お店に入ると、何やら体験用の作業机が並んでいて結構な人数が手作り真っ最中。一応販売もやっているようですが、どうも雰囲気が違います。街道筋を歩いていると、少し離れた所に「金指寄せ木工芸館」がありました。こちらが販売店のようです。

(お客さんは私たちだけ。土産物屋的なセールストークもなくゆっくりと箱根寄木細工を見ることができます。)

良さげなメガネケースがあったので、旅の記念に購入。

(老眼鏡を持ち歩いていたので、実際に入れてみると、ピッタリ収まりました。)

帰宅後箱を開けてみると、寄木細工の歴史と使用する樹々の種類が書かれた短冊が入っていました。

(工芸品の多彩な色は使用材の天然の有色材で出しているのですね。)

こちらに趣きのある店舗を見付けましたが、臨時休業中のようです。

(茶店ですかね。)

すぐ近くに「箱根旧街道一里塚」がありますので、歴史ある石畳の道を見に行ってみます。

ここを歩いて行けば元箱根に抜けて行けるようです。(が、薄暗くて怖いですね。)

(何と、妻が歩いたことがあると言っていました。)

ここで駐車場に引き返して帰路につきます。あとは、お土産に蒲鉾を買おうということで道中にある「鈴廣」に立ち寄るのと、遅めの昼食を小田原で食べようということになりました。

まるで箱根駅伝の復路を走っているようなコースで、すぐに「鈴廣」に到着。

(鯉のぼりならぬ、鰹のぼり。)

ここは「鈴廣かまぼこの里」と言って、「鈴廣蒲鉾本店」、「すずなり市場」、「かまぼこ博物館」などの施設が集まっています。

(「鈴廣蒲鉾本店」の店舗。重厚な佇まいです。)

こちらは「かまぼこ博物館」の中。「かまぼこ手づくり体験教室」が開催中。

(家族連れで大賑わい。)

「かまぼこ博物館」は3階建てで、蒲鉾のことを楽しく学べる趣向でいっぱい。子ども向けですが、蒲鉾板を使ったアート作品は大人でも見応えがあります。私たちも一通り見学して、お土産物を売っている「すずなり市場」へ。

(蒲鉾の料理方法などの提案展示もあります。再現するのか、妻が写メを撮っていました。)

蒲鉾などを購入。国道と反対側の出口を出ると、そこは箱根登山鉄道の「風祭駅」。

(「鈴廣かまぼこの里」は駅直結でした。商売上手ですねぇ。(笑))

「鈴廣かまぼこの里」、箱根の帰りにいつも前を通過していましたが、立ち寄ったのは今回が初めて。なかなか楽しめます。一度は立ち寄ってみるのもおススメです。

さて、次は昼食です。ここから数分、小田原の「だるま料理店」に向かいます。「だるま料理店」のことを知ったのは、昨日「大涌谷」で取ったフリーの観光情報パンフに載っていた天丼の写真が美味しそうだったから。(笑) 実は歴史のある老舗で、建物そのものが国指定有形文化財。こちらです。

(唐破風入母屋造りの建物。なかなかの老舗っぷり。これはそそられます。)

パンフで見た通り、どうやら名物は、天丼と、相模湾の地魚の代表、アジの握りのようです。

お昼時は行列ができるそうですが、既に14時頃で❝待ちなし❞で入ることができました。店内もこの重厚感。

(これは雰囲気あります。「だるま料理店」の天ぷらは特製のごま油で揚げるそうで、店内にはごま油のいい香りが漂っています。)

注文の方は、天丼と寿司というキーワードで、妻が「天丼とおさしみのAセット」、私が「すし・天ぷら定食」にしました。「天丼」がこちら。

(海老が立派。)

「すし・天ぷら定食」がこちら。

(寿司も天ぷらもうまい!)

文化財のお店で老舗の味をいただく、豊かな昼食となりました。箱根の帰りの昼食はこれからも機会があると思いますが、再訪したいですね。その時は地魚の握りを食べてみたいと思います。(笑)

帰路は渋滞もなく、順調に進みました。時刻も早かったので、現在進捗中の❝プライベートプロジェクト❞関係の場所に立ち寄って帰宅しました。

2023GW前半戦、4月最終の土日は充実した2日間となりました。


箱根「金乃竹 塔ノ澤」一泊旅行①〔1日目〕

2023年05月01日 | 旅行記

2023GW、ちょうど休みの日はお天気がイマイチのようですが、かねてから泊まってみたかった箱根の宿に行って来ました。箱根湯本駅前を通過して、あの箱根駅伝の5区のコースでもある国道1号線を登って行く途中にある「箱根塔之沢温泉郷」の「金乃竹 塔ノ澤」です。

昨年末の箱根・伊東で2泊旅行で箱根はそこそこ観光したので、今回立ち寄りたいスポットも特にありませんが、お天気がギリギリもちそうなので、「富士山が見えればラッキー。」くらいのノリで「大涌谷」へ。ネット情報によると、GWともなると駐車場渋滞で手前1kmあたりから1時間はかかるとのことでしたが、お天気のせいか、GW前半4月最後の土日という暦のせいか、20分程の待ちで駐車場(1日530円)に入れました。

そして、見えました、富士山!

(駐車場渋滞を避けたい人は箱根ロープウェイを使うといいそうです。)

妻がズームできれいに撮った1枚。

(外国人観光客も大勢いましたが、富士山はみんな大好きなようで(笑)、写真をバシャバシャ撮っていました。この後、昼食後に見たら、富士山は雲に隠れて姿を現すことはありませんでした。)

大涌谷と言えば名物「黒たまご」。

(富士山が背景に入るこの❝黒たまご❞、大人気の記念撮影スポット。富士山が隠れた後は誰もいませんでした。(笑))

12時前ですので、ランチのため「箱根ロープウェイ」の「大涌谷駅」のレストランへ向かいます。

(お天気いいですが強風。気温の方は上着がないと寒いくらいです。)

「大涌谷駅食堂」。メニューはカレーのみです。(笑)

(店名の❝切れ目❞は、「大涌谷駅/食堂」ではなく「大涌谷/駅食堂」。)

どうやら「大涌谷カレー」なるものが名物らしく、トッピングで若干のオプションがあります。せっかくなので、「特製 大涌谷カツカレー」と「特製 大涌谷メンチカツカレー」を1つずつ。

(チェックインまでに結構時間がある上に、外は寒いので、ここでゆっくりしようと、カフェラテのドリンクセットにしました。500円のカフェラテが、セットにすると大胆にも半額250円になります。)

「観光地のカレーだからそれなりだろう。」と思っていたら、侮るなかれ、「大涌谷カレー」、うまいです。カフェラテと、なぜか付いていた❝おかき❞で、1時間程滞在したでしょうか、1階のショップに降りると、特設コーナーで売っていました。

(絶賛売り出し中のようです。(笑))

そして、なぜか付いていた❝おかき❞の正体は、これまた売り出し中の「大涌谷カレーせんべい」の試食品だったようです。

(せんべいということはお米が原料ってことですね。大涌谷カレーからの派生商品のようです。)

さて、お腹もふくれて体も温まったので、大涌谷を見物することに。

(景色はいわゆる❝地獄❞。超久々の訪問ですが、整備?され印象が変わったような。尖った山は「冠ヶ岳」で標高1409m。)

モクモクと蒸気(ガス?)が噴出していますので、立入禁止とは思いましたが、やはりここから先は閉鎖しているようです。

(「火山ガス注意!」と看板が出ていましたので、有毒ガスが噴出しているのでしょうね。)

ちょっとズームで撮ってみましたが、散策道のあちこちに退避場所が設けられています。

(コンクリの退避場所があるということは噴火もあるってこと。それにしても、退避場所が真新しいのが気になります。)

順番が後先になりましたが、「大涌谷くろたまご館」の1階にある「箱根ジオミュージアム」で勉強。

(入館料100円。ガラガラです。)

小ぢんまりとしていますが、大涌谷や箱根・芦ノ湖の成り立ちなどを分かりやすく勉強できます。

(メインホール。大涌谷をはじめ箱根の有名スポットの地理的歴史などを学べます。)

大涌谷一帯は過去から火山活動(地震、地殻変動、噴火)を繰り返していますが、最近では2001年、2008年、2011年、2015年、2019年と大きな活動があったとのこと。印象が変わったような気がしたのはこれら最近の連続活動の影響かもしれません。ジオミュージアムで勉強したので再度景色を眺めてみます。

(果たしてこんな間近で見ていて安全なのかと思ってしまいます。手前の段々畑状になっているのはコンクリの地すべり止め。「高耐食性グラウンドアンカー」という特殊なもののようです。)

さて、大体見物は終わりましたが、心残りのないように、気になっていた地元のソフトクリームを最後に。(笑)

(「大涌谷くろたまご館」の名物「チョコソフト」(初めて聞きましたが(笑))。観光地価格の450円ですが、コーンの中までみっちり詰まっていて重いです。)

車の中だと外の寒さも気にならず、❝こたつでアイス❞的な感覚で美味しくいただけました。これにて大涌谷から下山ですが、対向車線にはこれから大涌谷駐車場に向かう渋滞ができていて、最後尾は1時間待ちではないでしょうか、、、富士山はもう隠れてしまったけど。

大涌谷からもと来た道(国道1号線)を戻る感じで20分、「箱根塔之沢温泉郷」です。

(ポツンとあった古びた看板を写メ。)

「金乃竹 塔ノ澤」は早川に架かる専用の鉄橋を渡って入って行きます。

(ここから「金乃竹」の私有地。)

GWと言えば新緑のシーズン。ちょっと標高のある箱根のここでも新緑が輝き始めています。

(チェックインを待つ間にここまで歩いて戻って来て写メしています。(笑))

「金乃竹」の鉄橋から、早川とそれに架かる箱根登山鉄道の「出山鉄橋(早川橋梁)」を望みます。

(登山鉄道が通りかかっていれば最高の景色ですが、しばし待つも音もせず。(笑))

15時チェックインですが、みなさん14時半頃には入って来るのでチェックインは順番待ちとなります。お天気のいい今日のうちにアプローチの写メも撮れましたので、満足してロビーへ戻ります。駐車場にはEV充電スタンドもありました。

(2機あるうちの1つはなぜかエヴァ仕様。(笑))

ここが「金乃竹 塔ノ澤」の玄関となります。

(翌日チェックアウト後にここで2人の記念写真を撮ってもらいました。意外とこの門柱が低くて、やや映えず。(笑))

ロビーです。

(ネットより拝借。❝満席❞で写メしづらかったので。)

上の写真の右側フレーム外にフリードリンクのカウンターがあり、好きな飲み物を注文(無料)できます。

(私たちは利用しませんでしたが、サントリー「山崎」のボトルも見えますが、これも無料なのだろうか。)

ウエルカムドリンクとスイーツ。

(私が選んだのは確か「富士山紅茶」のアイスティー。ケーキは当宿オリジナルのバスクチーズケーキ。)

チェックインも終わり、15時前だったと思いますが、部屋へ。

(私たちは最上階(4階)の「Club floor」。ちなみに、ロビー(&レストラン)は3階で、1、2階にも客室があります。)

クラブフロアには確か3室あったと思います。重めの扉を開けると、部屋の全景が目に飛び込んできます。

(あえて仕切りをなくしているそうです。宿のサイトには「全てのお部屋は、仕切りが少なく森に溶込むテラス・温泉露天風呂付。」とあります。)

テラス側から見た部屋の景色。

(今までにない面白い作りです。仕切りがない分、とても広々と開放的に感じます。)

楽しみにしていた箱根の温泉はこちら。

(湯舟はヒノキではなく、青森ヒバ。手触りや体に触れる感触はなめらかでいい感じでした。)

温泉は地下深くまで掘って探し当てた自家源泉、その名も「金乃竹温泉」。天候や気温によっては湯が金色にも見えることがあるそうです。

(今日は完全に透明です。(笑) 青森ヒバ、なかなか味があっていいです。泉質はアルカリ性単純温泉。優しい肌当たりで、お肌がスベスベになる感じ。いい温泉です。)

部屋に戻って、、、ユニークと言うか不思議と言うか、洗面所がキッチンのシンクのようになっています。

(鏡は天井から吊るされています。まぁ掃除はしやすいのでしょうけど、趣きはないですね。椅子もないので妻は使いづらそうにしていました。また、価格帯の割にはアメニティ全般がチープなのは残念。)

シャンプー・コンディショナーなどは「Sensatia(センセイシャ)」の「ボタニカルシリーズ 」ってもの。

(1日でバクテリアに分解されるので環境に優しいと説明書きがあります。使ってみるととても良かったので、残ったものをいただいてきました。)

で、クラブフロアについてですが、「クラブフロア」というと通常は専用ラウンジがあるイメージですが、ありません。チェックアウト時刻も11時が11時半とのことですが、私たちは予約サイトの特典で12時チェックアウト。ということで、実質的な特典は、冷蔵庫の飲み物はフリーってことくらいかも。(冷蔵庫の中身の品揃えが充実しているので、その点はグッド。)

(冷蔵庫の中身の一部。ジュース、ガス入り水、日本酒、ワイン赤・白、シャンパン。他にもサイダー、コーラ、お茶、ビールなど。)

ちなみに、宿のコンセプトは「昼の森に溶け込み 夜の森に潜む 大切な人と愛しい時を過ごす珠玉の隠れ宿」。非日常と森との一体感を味わうためか、部屋にはデフォルトテレビなしで、観たい場合はフロントに言うと取り付けに来てくれます。ただ、テラスのすぐ向こうは「林→早川→国道1号線」ですので、車のエンジン音・走行音が結構聞こえますし、眺望も抜けているわけではないので、このコンセプトはちょっと盛り過ぎかと思います。テレビも客側でコントロールすればいい話なので、全般的に価格帯とのバランスという点では物足りなさを感じました。

そんなことを思いながらも、泉質はさすがの箱根ですので、ゆっくりと箱根の湯を楽しみます。

(温泉、最高です。)

夕食の時刻となりました。レストランは個室タイプではありませんが、隣のお客の気配をほぼ感じない、ゆったりとした配置です。(いい感じに酔ったおばさまの大きな話し声が遠くから聞こえていましたが。(笑))

本日の献立です。

(夕食御献立「春爛漫」。4月もあと2日。ギリギリ春メニューですね。)

乾杯の飲み物も、せっかくなので「桜ロワイヤル」という、辛口の白ワインベースのカクテルを注文。

(写真では見えませんが、塩漬けの桜の花が浮かべられています。)

■先附:卯の花塗し(蛍烏賊、春甘藍、蕗、独活)
■添え:筍と才巻海老 木の芽味噌和え
■猪口:カリフラワーと箱根湯葉 摺り流し(蒸し鮑、うすい豆、新玉葱)

(献立名と写メは順序逆です。知らなかった言葉→「甘藍」=キャベツ、「才巻海老」=10cm以下の車海老(車海老は「出世海老」だそう)。)

■お椀:清汁仕立て(蓬麩、鳴門真丈、鮎魚女、籮蔔、鍵蕨)

(具の上にのっている花のつぼみは、柚子だそうです。「蓬」=よもぎ、「鮎魚女」=アイナメ、「蘿蔔」=薄く切ること。)

ここで日本酒を。地酒を選びたいところですが、どれにすれば良いか、なかなか難しい。ちょうど「地酒『利き酒』セレクション」というのがあったので、それを注文。「お好きな地酒を3種類選んでください。」と更に難しいことを言われたので、「辛口でお任せ3種でお願いします。」と宿の方に丸投げ。(笑)

(最近流行の「ペアリング」はありませんでした。)

出てきました。辛口3種類。

(普通のコップサイズですので、なかなか❝良心的な❞ボリューム。(笑) 右から「相模灘 特別純米」、「いずみ橋 楽風舞」、「手の鳴る方へ」。)

コップに添えられたカードの裏には詳しい情報が書かれています。

(「楽風舞」は高度精米耐性のある酒米の品種だそうです。)

3種類とも際立った個性よりもキレ味抜群という感じで、これはいい地酒です。次の料理が「造里」ですので、いいタイミング。この利き酒セレクション、「朴葉味噌」がセットで付いていました。

(焼けた味噌、日本酒の最強の相棒です。これだけで地酒を飲み尽くしそう。(笑))

■造里:鮪、間八、烏賊、鮃、栄螺と飛子(小鉢)

(小皿の中央の白いのは「泡の塩」。白身魚に合います。)

■凌ぎ:煮穴子炙り握り

(1個と言わず、もっと欲しい。(笑))

■強肴:桜鱒菜種焼、酢取り赤玉葱・百合根笑面、蓮根と海老挟みおかき揚げ・草蘇鉄天

(「草蘇鉄」=こごみ。読み方はそのまま「くさそてつ」。)

■温物:滋養と美容と山菜(手羽鶏、大粒蛤、多羅の芽、芹、自然薯、金山寺味噌)

(「滋養と美容と山菜」って。(笑))

■焜炉:かながわ牛陶板焼き

(「かながわ牛」というブランド、初めて聞きましたが、美味しかったです。)

■留椀:まるや八丁味噌の赤出汁
■御飯:雑魚と十郎梅の御飯(雑穀米) ■香物:五種盛合わせ

(赤出汁は写っていませんが。)

さて、あとは「水物」(デザート)を残すだけですが、場所を変えることもできるとのことで、現在休業中の「Bar Bamboo」へ移動しました。

(私たちの貸し切りです。)

■水物:小豆とバナナの求肥の包み揚げ、豆乳プリン(黒蜜、黄粉)、煎餅アイス(新緑ソース)、柑橘ゼリー、きらぴ香

(デザートに❝春巻き❞、なかなか斬新ですが、美味しかったです。「きらぴ香」はイチゴの品種。)

この後、お茶をすすりながらバーカウンターでゆっくり。何だか得した気分です。夕食「春爛漫」のコースは以上です。料理はどれも美味しくて、お酒も最高。欲を言えば、コースの中に「何か印象に残る❝逸品❞があればなぁ。」と思いました。ちょっと辛口コメントですが、この価格帯の宿だと、そう感じる客もいるのではないでしょうか。

最後にバブリーな(笑)オブジェを撮って、「Bar Bamboo」をあとにしました。

(バスケットボールくらいの大きさはあるガラスのオブジェ。ロックアイスのイメージか?)

ごちそうさまでした。この後、フロントに寄って、テレビの設置をお願いしました。(笑) 「小さいのが来たらちょっとね。」なんて妻と話していましたが、40型以上の大きさのテレビが来ました。

部屋に戻って、いつものように温泉三昧。やはり箱根の湯はいいですねぇ。まだ雨は降り始めていませんが、これからお天気は崩れるようです。

・・・箱根「金乃竹 塔ノ澤」一泊旅行②[完]〔2日目〕へ続く。


小豆島「海音真理」一泊旅行③[完]〔小豆島(主に土庄町)観光編〕

2023年03月23日 | 旅行記

「海音真理」をチェックアウトしました。帰路も福田港~姫路港の航路で、フェリーの出航時刻は15:30、レンタカー返却は15時。それまでは時間の許す限り観光スポットを訪れます。

まずは小豆島町最後の立ち寄りスポット「道の駅 小豆島オリーブ公園」に向かいます。運転は妻に任せて、私はスマホでGoogleマップを見ながらナビをします。10分ちょっとで「道の駅 小豆島オリーブ公園」に到着です。

(風が冷たかった昨日とは一転、上着なしでちょうどいいくらいに気温が上がってきました。)

何と言ってもここでの見所は、この「ギリシャ風車」をバックに❝魔女のほうき❞で空を飛ぶこと。

(観光パンフレットより。ほうきにまたがってこんな写メを撮ることができます。)

さっそくオリーブ畑を通り抜けて「ギリシャ風車」に行ってみます。

(「マンザニロ種」。オリーブの品種にもすっかりなじみました。)

「海音真理」の方が言っていましたが、オリーブの木は今のシーズンは次に備えて剪定する時期で、オリーブ畑の景色としては一年で一番❝寂しい❞季節だそうです。

(こちらは「ミッション種」。確かに葉も少なく、枝も剪定されているようで、貧相に見えます。)

「昭和天皇御手播きのオリーブ」がありました。昭和天皇が種を播いたオリーブの木だそうです。

(こちらは剪定対象外でしょうか、元気に茂っています。昭和25年(1950)に種を播いたと杭の側面に書かれていました。)

オリーブ畑の中を数分歩くと、見えてきました、「ギリシャ風車」の広場です。

(いい景色です。この映える景色は快晴が絶対条件ですね。)

ほうきにまたがった若者でいっぱい。(笑) 飛んでいる人を写メしてみました。

(大きな石の上から「せーの」で思い切り飛んで、スマホを構える人はなるべく下から連写、、、それがコツだそうです。)

この風車、建設当初は風を受けて回っていたそうですが、あまりの風の強さに回り過ぎて危険な状態になることがしばしばあり、その後回らないように固定されたそうです。

(風車の正面に回ってみました。こちらからの景色もいいですね。)

妻も飛んでみたくなったようで、後でほうきの貸し出し場所へ行ってみると、行列状態でした。ほうきを持っている人で返却に行く気配のある人なんて全然見かけませんでしたので、あっさり断念。

「オリーブの原木」という案内板が出ています。

(昨晩の「静かなる光と祈りのミニツアー」で教えてもらった、小豆島で最初の(日本で最初の)オリーブの木でしょうか、行ってみます。)

風通しの良さそうな場所に「オリーブの原木」がありました。ここもいい景色です。

(この「オリーブの原木」は樹齢100年超。ちなみに、土庄町の西方、観光名所にもなっている「樹齢千年のオリーヴ大樹」は、2011年3月15日にスペインのアンダルシア地方から小豆島へ贈られた古木で、日本の生まれ育ちということではここの「オリーブの原木」が日本最古。)

お土産を見るために「オリーブ記念館/売店」に来ました。どんなオリーブオイルが売られているのか、ちょっと見てみます。

(ありました、先日小豆島町へのふるさと納税の返礼品で送ってもらったオリーブオイル。)

ちょっと品がないですが、並んでいるオリーブオイルで一番高そうなものを探してみました。(笑)

(これは昨晩「海音真理」の「オリーブ会席」で生素麺に回しかけてもらったオイルです。何だか嬉しいですね。)

とても美味しかった「海音真理」の部屋の置き菓子を発見。妻がお土産で何箱か買いました。

(後程訪れた「土庄港観光センター」ではありませんでした。ここで買っておいて良かった。)

想像はしていましたが、❝オリーブ❞をからめた麺類が溢れています。

(ラーメン。「オリーブ」って書いておくと売れ行きがいいのでしょうね。)

もちろん素麺もオリーブをからめています。

(よく見る乾麺タイプ。)

こちらは半生タイプの素麺。

(お土産で買おうかと思いましたが、昨晩の夕食で「生素麺」を食べたので、❝半生❞だしスルー。(笑) また生素麺を食べたくなったら、今回訪れることはできませんでしたが、「遠くへ行きたい」で土井善晴さんが訪れていた「マルカツ製麺所」のオンラインショップで購入することにします。(笑))

素麺の製造過程で出る❝端っこ❞「ふしめん」もひっそりと売られていました。

(棚の一番下、目立たない場所でひっそりと、、、。)

コイツもいました。(笑)

妻も満足のお土産タイムになりました。最後に「幸せのオリーブ色のポスト」を撮って、「道の駅 小豆島オリーブ公園」を後にします。

(最高の景色です。)

小豆島町とはここでお別れ。次は、土庄町(とのしょう)のスポットを訪れます。妻が運転していますので、助手席から気に入った景色を写メできます。(笑)

(「手延そうめん 島の光」。このあたり、素麺の製作所が多かったですね。)

土庄町最初の観光スポットは「土渕海峡」(どふちかいきょう)。ギネスブック認定の「世界一狭い海峡」。

海峡の❝両岸❞にまたがる白いアーチ。

(どんな意味があるのか分かりませんが、アーチで飾られています。)

海峡の縁を歩いているという感覚ゼロですが(笑)、きれいな散策路。

そしてここは「からかい上手の高木さん」の❝聖地❞でもあります。

(❝聖地巡礼❞、達成!(笑))

世界で一番狭い海峡はこうなっています。

(海峡の定義は分かりませんが、普通の水路にしか見えません。(笑))

ここで振り返ると、土庄町の名物スポット「迷路のまち」の入口を示すアーチがあります。

(「迷路のまち」は、食べ歩きしたり、「妖怪美術館」を訪れたり、「西光寺」にお参りしたり、迷いながら(?)そぞろ歩く、楽しいエリアです。)

「迷路のまち」はその名の通り複雑な路地が迷路のようになっていますが、実は理由があります。それは、①海賊から島民の生活を守るため、②海風から建物や日常生活を守るためで、その昔、意図的に造られた町並みです。

「迷路のまち」を楽しみたいところですが、時間がないので、次のスポット「土庄港」周辺に移動します。「土庄港観光センター」の駐車場へイン。

(大型バスが立ち寄るのか、駐車場は広大です。)

小豆島の数ある港の中で一番にぎわっているのが土庄港だと思います。

(土庄港、「オリーブポートとのしょう」という別名があるようです。正面2階左の窓全面に「高木さん」。(笑))

港の周辺にはいろいろなモニュメントが点在。

(「石と歩んだ歴史の島」。小豆島各地にある「大坂城石垣石切丁場跡」とその歴史が記されています。)

その近くには「大坂城里がえり太閤石」。

(大坂城の発掘現場から小豆島産の石が出土、400年を経て、故郷の小豆島に返還された石とのこと。)

「二十四の瞳」のブロンズ像「平和の群像」。

そして、私が是非とも見たかった「太陽の贈り物」(2013年の瀬戸内国際芸術祭の作品)。

(「Olive Line」とのコラボショットが定番。)

この角度でも一枚撮っておきたい理由があります。

(オリーブの葉の王冠の輪の中に入港中のフェリーを納めてみました。)

その理由は、「からかい上手の高木さん」の❝聖地❞だからです。(笑)

(❝聖地巡礼❞達成!(笑))

土庄港周辺の観光はこれで完了。観光センターでお土産を買って、例の観光スポットへ向かいます。

(醤油蔵「タケサン」の焼肉のタレ「焼肉天国」、手延べそうめん「島の光」のレトルト素麺を買いました。「小豆島の波おと」は「小豆島オリーブ公園」で妻が買ったもの。1箱もらいました。)

例の観光スポットとは、ここ「エンジェルロード」です。

(駐車場は満車。ちょっと離れた第2駐車場に停めて歩いてきました。)

ちょうど干潮のタイミングで「トンボロ現象」発動中。「エンジェルロード」が出現していて、大勢の人が歩いて渡っています。

(小豆島一番の人気スポット。とにかくカップルだらけ。(笑))

地上から見ていてもイマイチ景色の良さが分かりませんので、「約束の丘展望台」に登ってみます。

(5分強でしょうか、登ります。途中の景色が素晴らしい。)

展望台に着きました。これは絶景ですね。

(この写メを撮るために狭い展望台の一番前に出る必要がありますが、並びました。(笑))

「エンジェルロード」、車も人も多くてちょっと困りましたが、景色は最高です。快晴ならば展望台に登って、記念の一枚を。おススメです。

さて、ここで時刻は14時。14時になったら土庄を出発して福田港に向かうことにしていましたので、この先の(福田港から遠ざかる)2つの観光スポット、「鹿島明神社」と「樹齢千年のオリーヴ大樹」は断念です。

(「エンジェルロード」近くのビルの壁にラッピングされていた写真。「ここから車で7分」ですが、タイムリミットです。ちなみに、断念した2つのスポット、実は「高木さん」の❝聖地❞です。(笑))

駐車場に戻るために歩いていると、「迷路のまち」のシンボル的景色のランドマーク、「西光寺」の三重塔が見えました。

(「迷路のまち」から見る景色とはちょっと違いますが、これは嬉しいですね。)

ちなみに、これが「迷路のまち」のどこからか見える、「西光寺」の三重塔のある景色。

(観光パンフレットより。)

福田港から遠ざかるスポットは断念しましたが、道中にある見所は訪れることにします。まずは「宝生院のシンパク」。

(この森のようにも見える巨大なシンパクは樹齢1600年以上の大樹。)

宝生院の御神木にして、国指定特別天然記念物。

(パワースポットの雰囲気です。シンパクのみなぎるパワーをいただきたく近くに行ってみます。)

根元の周囲は何と17m! 触れることは禁止ですが、ごく近くで見ることができるように周囲に通路が設けられています。

(これはすごい。実際に見るとその迫力に圧倒されます。)

モザイクがかかっていますが、人と比べるとその巨大さが分かります。

(右端に男性が1人立っています。)

幹に最接近できる所でアップを撮ってみました。

(まるで何かを語っているかのような複雑なシワ。世の中の苦しみを一身に引き受けてシワとなっているようにも思えます。)

「宝生院のシンパク」、妻も私も感動しました。訪れる価値あり、おススメです。ここからは島の北岸に出て、海沿いの景色のいい道を福田港に向かって走ります。途中、「道の駅 大坂城残石記念公園」に立ち寄ります。

島の北側は訪れる人もまばら。小豆島オリーブ公園やエンジェルロードのにぎわいが嘘のようです。ここは県指定史跡「大坂城石垣石切り飛びこし丁場跡及び小海残石群」。

(「小海」はこのあたりの地域名。)

大坂城の石垣を築くための石材を運び出す方法が再現されています。

(「修羅」と「ロクロ」という運搬用具で切り出した石材を運んでいたようですが、この用具そのものが重くて丁場まで運ぶのがたいへんだったと書かれています。この石ひとつを見てもいかに重労働だったかが分かります。)

島内の所々で見かけた「小豆島石の絵手紙」。

(ひときわ絵が上手だった2つの石の絵手紙。2つの石の間の軽自動車は私たちのレンタカー。)

さて、この後も順調に走って、15:03に福田港のレンタカー返却場所に到着。係の人が待っていて誘導してくれました。サクッと返却手続きも終わり、あとは船に乗るだけです。

(帰りはヤドンのシールはもらえないようです。(笑))

フェリーが入港してきました。

(予定通りの船に乗ることができそうで、ホッと一安心。)

帰路のフェリーはヤドンのコラボ船ではないようです。代わりにゆるキャラらしきぬいぐるみがいます。

(小豆島のゆるキャラ「オリーブしまちゃん」(左)と、しまちゃんのガールフレンド「ミモザのりくちゃん」(右)とのことです。(笑))

ちなみに、土庄港~高松港のフェリーは「高木さん」ラッピングのコラボ船のようです。

(乗船する機会もなさそうですので、パンフだけいただいておきました。)

フェリー前方の席は眺望抜群のようです。

(最前列が特等席ですね。)

私たちはテーブルを挟んだファミレスタイプのゆったりした席に落ち着きました。「海音真理」をチェックアウトしてから昼食も食べずに観光していましたので、遅めのお昼ということで、船内の売店でうどんを注文。

(メニューはうどん(500円)一択ですが、さすが讃岐です、うどんが美味しい。)

ベタなぎの海をフェリーは進みます。途中の島(無人島?)も石材を採る島なのか、こんな景色の島がいくつもありました。

(作業所のような建物も見えます。)

行きは寒くて展望デッキに出る気がしませんでしたが、帰りは随分と暖かくなりましたので、デッキに出てみました。

(さすがにしばらくいると風で肌寒さを感じます。)

前方に行ってみたいところですが、立入禁止で入れず。後部は一番後ろまで行くことができました。

(小豆島、いい所でした。)

定刻通り姫路港に到着。姫路駅行きのバスの到着を待ちます。

(今降りて来たフェリーからはまだ車が吐き出されています。ほとんどの乗船客が車利用のようです。)

バスも定刻に来て、無事姫路駅に帰ってきました。

(姫路城の超本格的ジオラマ。)

行きに妻が発見した姫路駅構内の「御座候」。「帰りに買って新幹線で食べよう。」と言っていましたので、忘れず購入。(笑)

(物価高のご時世なのに、1個110円でがんばっています。)

姫路駅に停車する東京行き「のぞみ」に乗車です。

(妻と並んだ席を指定済み。私は新大阪駅で降りて、妻はそのまま乗って行く段取りです。)

姫路駅から新大阪駅はすぐですので、さっそく御座候をいただきます。

(いわゆる「回転焼」。関西では「御座候」、九州では「蜂楽饅頭」。「今川焼」や「大判焼」は関東というよりは全国で通りますかね。)

そんなこんなで私が単身住まいに先に帰宅。夕食には、「土庄港観光センター」で買った「島の光」のレトルト素麺をいただきました。

(意外にもボリューム満点。お腹いっぱいになりました。「海音真理」の「オリーブ会席」に感化されて、オリーブオイルを垂らしてみました。(笑))

私の帰宅から3時間程経ったでしょうか、妻も無事帰宅したとのメッセージが入りました。これで、人生初の小豆島、「海音真理」一泊旅行は終了です。

旅はいつもそうですが、訪れてみないと分からないこと、訪れるからこその感動がいっぱいです。今回の小豆島への旅もそんな驚きと感動の旅でした。お世話になりました!


小豆島「海音真理」一泊旅行②〔「海音真理」編〕

2023年03月22日 | 旅行記

休前日はもちろん平日でもほぼほぼ空室がない超予約困難宿「海音真理」(うみおとまり)。島の素材を使った「オリーブ会席」や部屋からの眺望などが人気です。ジョウコウジサクラが満開になる3月中旬の土曜日一泊のキャンセル待ちをしたのが確か昨年の11月頃だったか、ラッキーにも予約することができました。

「海音真理」に到着です。

(さすが石とともに歴史を刻んできた小豆島の宿です、石材がふんだんに使われています。)

食事処と4つの客室が入っている本館棟。

(駐車場にはまだ車は停まっていません。どうやら一番乗りのようです。)

後程タブレットで見た宿の紹介によると、「母から受け継いだ民宿を礎に、『島宿真理』を営んで早20年。その別邸となるこの『海音真理』の構想は、10年前より温め続け、『島宿真理』とは魅力を違えた、島を伝える新たな宿として、2019年春にオープンしました。」とのこと。

「島宿真理」・「海音真理」の「真理」は、宿の主のお母さま「真渡里枝」さんの名に由来するようです。客室は全6室(離れ2棟、本館4室)。その客室の名が「さ」「と」「え」「の」「ゆ」「め」+「の音」。

(客室に置かれているタブレットの画面より。)

今回予約したのは離れ「『さ』の音」。

(鍵のホルダーがでかい!(笑))

離れに入って一旦落ち着いた後に外に回って撮った「さの音」の全景です。

(1棟向こうは離れ「との音」。本館棟との位置関係は、写真の左フレーム外に本館棟が建っています。)

それでは改めて離れ「さの音」の紹介を。再びタブレットによると、「小豆島産オリーブオイルを堪能できる食事や、島の石や木などの根源的な素材を用いたモダンな室礼、程よい心地よさを感じるもてなしなど、新たな表現へのチャレンジを試みている宿です。」とのことで、離れのアプローチにも立派な石材が。

(何か落ち着きます。)

部屋に入ると、巨大な提灯が目を引くリビング。

(大開口の窓の外、石垣の下は浜辺で、波の心地よい音が静かに絶え間なく聞こえてきます。)

テラスからの景色。

(おそらく南向きですので、向こうの陸地は四国(香川県)。大きな船が瀬戸内海を行き交っているのが遠くに見えます。)

リビングと組木細工のパーテーションで区切られた寝室。

(一段上がった畳台の上にセミダブルサイズのマットレスがツインで。)

ちなみに、タブレット掲載の「さの音」の部屋の写真です。

(タブレットの画面の写メなので画質が荒いですが、部屋の様子がよく分かります。)

そしてお風呂です。

(細かいタイルが美しい。)

「海音真理」の湯は温泉ではありませんが、肌当たりやしっとり感などは温泉かと思うほど。それもそのはず、湯は、少し離れた所に建つ「島宿真理」にある自家源泉「里枝温泉」の温泉と、ここ「海音真理」敷地内の地下水をブレンドした特別な湯。(❝温泉❞と言ってもいいと思う湯のクオリティです。)

そんな湯に浸かりながら、この景色を楽しみます。

(湯面が光って見えませんが、湯舟の底に敷いてある石は当地(堀越)の浜辺の石。)

「さぬきの酒風呂」ということで、入浴剤として使う日本酒が置かれています。

(香川県観音寺市の「川鶴酒造」の地酒と書かれています。滞在中にやってみましたが、確かに肌がよりしっとりするような気がしました、、、何かもったいない気もしました。(笑))

シャンプー・ソープなどはオリーブオイル系。

アメニティもオリーブオイル系。

(大阪でもよく耳にする「井上誠耕園」の製品。)

シャワー設備は、オーバーヘッドシャワーと普通のシャワーヘッドの2つ。

(オーバーヘッドシャワー、湯が出始めるまでは要注意。水を浴びることになります。滞在中何度か冷水を浴びました。(笑))

そして、シャワーヘッドはウルトラファインバブルの「ミラブル」。

(「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」のシャワーヘッドはリファでしたが、ここはミラブル。「なぜミラブル?」と思ったら、製造元のサイエンス社が2017年に小豆島に「サイエンス香川工場」を開設したので、その関係かもしれません。)

冷蔵庫の中。下段は有料ですが、上段の「水」と「香草茶」は無料。

(「水」は地下水と温泉水の混合、「香草茶」はレモングラスのお茶。冷蔵庫の上には❝真水❞も備えられています。)

有料の飲み物は小豆島産がずらり。

(右の赤とオレンジのきれいなラベルは、小豆島の地ビール「まめまめびーる」のひとつ、レッドエールの「あかまめまめ」。)

そんなこんなで部屋の探検もひと段落した頃に、宿の方がウエルカムスイーツを持って来てくれました。

(スイーツにはオリーブオイルがかけられています。「ミッション種」のオイル。全くクセがありません。)

宿の方から、夜のツアー「静かなる光と祈りのミニツアー」の説明と参加意向の確認がありました。

(無料のツアーです。手前の「小豆島の波おと」というお菓子など、置き菓子が全部美味しかった!)

「静かなる光と祈りのミニツアー」の説明書きにはこうあります。「しんと暗い夜の遍路道を登っていくと広がる、ささやかな島夜景と満点の星を堪能して、小豆島霊場・第二番の碁石山へ参拝いたします。人生の荒波を切ってくださるという、ご本尊・浪切不動明王が奉られた、神秘的な岩屋の本堂で、それぞれの想いを胸にお祈りください。」

宿の方によると、21時にマイクロバスで出発、1時間程度のツアーなのですが、夕食が19:30スタートの私たちは、コース最後のデザートはツアーから帰って部屋でいただくことになります。一瞬迷いながらも、せっかくなので「参加」でお願いしましたが、これが大正解。すごく良かったです。(レポートはこの記事の後半で。)

すっかり落ち着きました。湯に何度か浸かったり、波の音を聞きながらソファやベッドでのんびり過ごします。外はそろそろ日没です。

(雲が晴れてきました。)

テラスの灯りが旅の雰囲気を増してくれます。

(空気は冷たいですが、波の音が優しくて、超リラックスできます。)

夕食の時刻となりました。本館棟に向かいます。

(実は、細工ガラスのパーテーションはお手洗いの入口なのですが、石とガラスと木と提灯がいい感じです。)

厨房(オープンキッチン)が見えるカウンター席に案内されました。席に着くと、夕食の献立表を探しますが見当たりません。その代わり、目の前の石のスタンドにセットされた「オリーブ会席」が表紙になったカードの束が目に留まります。

(「小豆島の農園から取り揃えた高品質なエキストラバージンオリーブオイルを、旬の素材と合わせてご堪能いただきます。島の香りを、どうぞお愉しみください。」とあります。)

タブレットによると、数種類のオリーブオイルを料理とマリアージュしていただくようです。

(タブレットの画面より。)

献立表の代わりに、この石のスタンドのカードを料理ごとにページをめくるように変えていくという趣向です。それではコースのスタートです。

■セロリのジュースにゆずオリーブオイル

旬の香川県産のセロリに、島の文旦(柑橘)を合わせたジュース。

(オイルはオリーブの果実と柚子の皮を一緒に搾ったフレーバーオイル。文旦を合わせているためか、セロリが得意でない私でも美味しくいただけました。)

■朝採れアスパラガスそのまんま

(アスパラとオリーブオイルは同じ農園「高尾農園」産。)

ドーンと超立派なアスパラが生で登場。(笑)

(小豆島産のアスパラ「さぬきのめざめ」だそうです。こんな立派なアスパラは初めて見ました。家庭菜園でアスパラを育てたことがありますが、どうやったらこんなのが収穫できるのか、驚きです。)

てっきり調理前の❝素材見せ❞かと思ったら、「そのままどうぞ!」とのこと。「えっ、アスパラって生で食べられるの?」と一瞬ためらいますが、これがうまい! コース冒頭からちょっと衝撃的です。

ここで注文していた飲み物が登場。先程部屋の冷蔵庫で見た「小豆島まめまめびーる」の「あかまめまめ」にしました。(笑)

(これはうまそう。)

後で「小豆島まめまめびーる」のサイトを見てみると、地ビールへの思いが溢れていました。大胆に要約すると、「島の素材を活かし、島で飲む瞬間を想い、小豆島の『地』ビールを探求する」。ということは、今私は最高のシチュエーションで飲んでいることになります。(笑)

■自家製オリーブ新漬、姫栄螺(ひめさざえ)の含め煮、たけのこ芋とオリーブのコロッケ、かんぱち味噌漬、中海老、南瓜寄せ(バターこんぶ)、オリーブ地鶏のオイル蒸し

宿の主は器にもこだわりがあって全国の焼物を集めているそうです。器と料理のコラボが美しいので、❝一列❞ずつ撮っておきます。

手前から、中海老、南瓜寄せ、たけのこ芋とオリーブのコロッケ、姫栄螺の含め煮。

(コロッケはほろ苦くて大人の味。)

手前から、オリーブ地鶏のオイル蒸し、かんぱち味噌漬、自家製オリーブ新漬。

(オリーブの新漬、よくある瓶詰めのオリーブとは全く違います。美味しい!)

■鯛の潮仕立て 豆腐真薯

潮汁にオリーブオイルを数滴たらして仕上げです。「立ち上る風味を楽しんでください。」とのこと。

(2023年の新搾りのオイルですね。)

宿の方が数滴オイルをたらしてくれます、、、確かに、いい香りがします。

(オリーブオイルの使い方、楽しみ方、実は幅広いということを実感します。)

■春の造り 島野菜 青竹盛り

青竹に盛り付けられた瀬戸内の春の魚の数々。宿の方曰く、「瀬戸内はどうしても❝白い❞魚が多くなります。」とのこと。

(手前の野菜も立派。刺身を造っている包丁さばきも目の前で見ていただけに、一層食欲が刺激されます。)

刺身につけるものは4種類。

右から次の4種類です。

 ・島粒醤:醤油諸味(もろみ)に粒荒大豆を加えた特製
 ・生あげ:島の木桶仕込み火入れ前の生醤油
 ・島三塩:小豆島・家島・淡路島のブレンド
 ・オイル:オーガニックオリーブオイル

島粒醤に大豆を加えるのは食感を出すため。生あげ(生醤油)は「海音真理」の刺身専用に作ってもらったもの。通常の生醤油だと❝強過ぎる❞ので、白身の刺身に合うように特別に優しい仕上げにしてもらっているとのこと。

オリーブオイルはこちらの一本。

魚は4種類。コモンフグ。

(柔らかいけどもちっとした食感。味わいは普通のふぐよりも濃厚な気がします。)

ニシ貝(アカニシ貝)。

(この貝の形・色、見たことはあるような気がしますが、食べるのは初めてかも。)

ヒラメ。

コチ。

4種の魚につけるのも4種類、途中で何が何やら状態になりましたが(笑)、やはり醤油系の2種類(島粒醤、生あげ)がいい感じでした。オイルの方は塩とセットでいただくとバッチリでした。

■平貝の生素麺 島海苔つゆ

オイルの方はこちら。

(「コロネイキ種」のオイル。コクと渋みが特徴とのこと。二日目に立ち寄った「道の駅小豆島オリーブ公園」のショップで一番値段が高いオイルを探してみたところ(笑)、これでした。)

小豆島の生素麺を食べてみたかったので、嬉しい一品です。

(そば猪口が粋ですね。)

薬味と生素麺の間に平貝(タイラガイ)が敷かれています。

(少し縁に焼き色が見えるのが平貝。「タイラギ」という名の方が通るかも。)

温かいつゆの底に黒く見えるのが小豆島産の海苔。

(先日大阪の「万博記念公園」の散策途中で買った小豆島産の海苔の佃煮が美味しかったことを思い出します。)

ちょっと出遅れましたが、ここで飲み物を日本酒に。小豆島唯一の酒蔵「森國酒造」の「小豆島にオリーブの実のなるころ...-さぬきオリーブ酵母仕込み-」。

(「森國酒造」の情報も小豆島出身の同僚からの情報です。ありがとうございました!)

猪口を選ぶことができますが、石の産地小豆島から「菊紋石」をイメージして、この猪口にしてみました。

(かなり気に入りました。可能ならお買取りしたいくらいです。(笑))

宿の方からの情報、「森國酒造さんの酒瓶は透明なんです。」、、、なるほど、お酒の名前の札がかかっていなかったら、ただの瓶ですね。(笑)

(小豆島の美しい海のイメージがします。)

■オリーブ牛の炭火焼 自家製オリーブ三昧

後程「静かなる光と祈りのミニツアー」で誕生秘話(?)を教えてもらうことになる「オリーブ牛」。

(「オリーブ塩」、「オリーブぽん酢」、「花醤ソース」(オリーブの花酵母で醸した醤油で果実を炊いたもの)でいただきます。)

オリーブ牛をアップで。

(赤身でめちゃウマ。オリーブ牛、大ヒットしているのも納得です。野菜もうまい。特に玉ねぎが甘くて最高です。半玉くらい食べたい。(笑))

■オリーブオイルとローズマリーのソルベ

箸休めです。オリーブオイルがミルクソルベの中で凍っています。

(少し黄色く見えるのが凍ったオイル。口に入れると溶けだしてオイルを感じることができる、楽しくて美味しい一品。)

■讃岐でんぷく 蕪蒸し

国内で2ヶ所(ここ(香川県・岡山県の瀬戸内海)と九州の有明海)だけで漁獲が許されている「ナシフグ」。ご当地での名前が「讃岐でんぷく」、、、❝幻の小ふぐ❞だとか。

(蕪蒸しの下に敷かれているのは、オリーブエッグの茶碗蒸し。底に「讃岐でんぷく」の食べ応えのある身がありましたが、これはうまいですね。ふぐとは思えないコクのある白身でした。)

■海音寿司

左の小鉢の蒸し寿司はゲタ(シタビラメ)。白身の握りはカンパチ、ヒラメ。艶っとしているのはオリーブオイルを塗ってあるからです。真ん中の巻物は佃煮の海苔巻き。

(おかわりしたい美味しさです。(笑))

味噌汁は刺身でも出たコチ。

(熱が入るとコチの身がホロッとしてまた格別。)

この後は、コース最後のデザートとなりますが、「静かなる光と祈りのミニツアー」への出発時刻が近づいて来ましたので、ここで「オリーブ会席」は中締め(笑)。今日のコースで出てきたオリーブオイル、勢揃いです。

(いい景色です。)

オリーブオイルには詳しくありませんが、様々な料理に合わせることができ、時に香りの主役になり、時に料理に一味奥行きを持たせて味わいを引き立てる名脇役になる、素晴らしい食品ということを知りました。自宅ではとてもこれだけの種類を使いこなすことができませんので、いつかまた季節を変えて「海音真理」を再訪したい気持ちになりました。

では、宿の方曰く「主の想いが詰まったマニアックなツアーですが、みなさん喜ばれます。」という「静かなる光と祈りのミニツアー」へ出発です。

21時、「海音真理」からのツアー参加は私たちを含めて3組6名。宿の主が運転するマイクロバスで出発です。

(ブレブレの写メ。(笑) 夜、山道に入って行くと、イノシシやタヌキなど獣たちと出会うそうです。)

途中、「島宿真理」に寄ってツアー参加者をピックアップしますが、ここからの合流客はなし。ということで、今晩の「静かなる光と祈りのミニツアー」は3組6名で確定。

(「島宿真理」の夕食は「醤油会席」だとか。興味津々です。)

ツアーではまずは「醤の郷」の「マルキン醤油」の蔵の横で停車して、主の話を聴きます。

(「醤の郷」の醤油蔵が並ぶメインの通りではないでしょうか。夜とはいえ、訪れることができて良かったです。)

主の話は、小豆島の代表的な産業の歴史や今について。とても勉強になりましたので、長くなりますが、記事に残しておこうと思います。

■醤油■

・戦後70年で醤油づくりは木桶からタンク(金属)に変わっていった。それはすなわち醤油の作り方そのものが変わったということ。
・日本に現存する木桶は約2000。その半分以上をマルキン醤油さんが持っている。ちなみに、醤油の生産量は、1位はご存知キッコーマンさん、マルキンさんは5位で、木桶仕込み醤油メーカーではトップ。
・小豆島の醤油づくりの歴史は400年と言われているが、その前は塩作りが中心、小麦粉も海運で大量に入ってくることから素麺も作るようになった。塩、醤油、素麺という小豆島の地場産業は歴史でつながっている。
・(マルキン醤油の蔵の)土塀や木の壁にも無数に付いているが、道路の手すりの黒いのも菌。醤油は菌が作る食品で、麹菌・乳酸菌・酵母菌のバランスで味が決まる。蔵が違えばもちろん、同じ蔵でも北側と南側の木桶で醤油の味が違う。木桶の醤油づくりは人が手をかけるが味は菌のバランスが決めるので、人は介入できない。出来たとこ勝負が木桶の醤油。一方、タンクの醤油は人が菌と温度をコントロールして同じ味を大量生産できる。木桶とタンクではもはや別物と思ってもいい。
・佃煮も名産。元々は、芋の栽培が盛んだったが、ツルを捨てるのがもったいないということで、醤油で煮て食べたことが佃煮の始まり。

■素麺■

・素麵は日本各地で作られるが、小豆島の素麺の特徴はゴマ油を使うこと。ゴマ油を使うと酸化しにくくなり、仕上がりが美しい素麺となる。
・素麺は食べるのは夏だが、作るのは冬。寒いほどに美味しくなる。冬場だけでは生産が追い付かないので、それ以外の季節にも作るが、気温が低い夜の時間帯に作る。夜なべのきつい仕事。

■オリーブ■

・そして、今や小豆島と言えばオリーブ。オリーブは元からあったわけではなく、明治政府の産業振興の政策で、国内で実験的に3ヶ所で試験栽培が始まった。鹿児島県、三重県、香川県(小豆島)。結局、収穫までたどり着くことができたのが小豆島だけだった。
・最初は、みかん農家が畑の片隅で栽培していたマイナーな作物だったが、(オリーブオイルが)贈答品として喜ばれ一定の需要があったことから、みかん農家が細々と作り続けたことが小豆島のオリーブ栽培が存続した理由。
・そうこうしているうちに、ここ10年でオリーブの単価が10倍になり、それにつれ、みかん畑はオリーブ畑に置き換わっていった。
・当初オリーブオイルを搾った後の実のカスは使い道がなく廃棄されていた。その頃、香川県のブランド牛「讃岐牛」を出していたが、全く売れず。石井さんという方が肉質改善のためのオレイン酸を豊富に含んだオリーブオイルの搾りカスを牛に食べさせたところ、非常に美味しい肉質となり、「オリーブ牛」としてブランド化、大ヒット。今や、搾りカスが小豆島産のオリーブでは全然足りないため、海外からカスを輸入している状態。(笑)

■小豆島の今■

・小豆島はこのように地場産業がたくさんあるため、現在、Iターン・Uターンなど移住者が増加中で住居不足(空き家リノベも追い付かない)。
・自治体も子育て・地域医療・産業振興の支援などを展開。その原動力は小豆島町長塩田氏。塩田氏は例の元局長村木さんの厚労省時代の上司で、早々に故郷の小豆島町に戻り町長となり大胆な施策を推進。例えば、小豆島町で9年間働けば奨学金の返済免除など。

再びマイクロバスは走り出し、10分程走ったところで、小豆島霊場第二番の「碁石山」に到着。

(21時過ぎの寺院。ツアーじゃなかったら怖すぎです。(笑))

上の写真の左上に参道が続いています。主が懐中電灯で足元を照らしながら慎重に石段を上って行きます。本堂への石段はまだ続きますが、このあたりが一番高い地点で、鳥居があります。

(妻撮影。この鳥居をくぐって続く石段は❝本線❞ではなく❝支線❞。)

昼間だとここは人気の絶景ポイント。こんな景色が眼下に広がります。

(ネットより拝借。)

眼下に広がる街(集落)が「内海(うちのみ)湾」を囲むように広がっています。そして、主が石段の電灯を消すと、こんな夜景が広がります!

(これは美しい! ツアー参加者全員が思わず「うわ~っ。」と感嘆。)

視線を振って、もう少し広域を撮ると、これまた絶景!

(写メでもこの美しさですが、実際に見ると、感動の景色です。)

妻撮影の一枚。

(星空の広がりも感じられます。実際には満点の星空。オリオン座、北斗七星などもクリアに見えます。ちなみに、昨晩は雨でこのツアーは中止だったとか。)

この夜景絶景ポイントから石段を下りて行くと碁石山の山門に到着。

(木戸を開けて中に入らせていただきます。)

暗くて全容が分かりませんが、岩の洞窟のような中に祭壇が設けられています。

(この賽銭箱の向こう側にも入らせいただき、ご本尊を間近で拝むことができました。)

護摩祈祷をお願いすることができ、住職が昼間はずっと火を焚いて祈祷をしているため、岩の天井や屋根は煤で真っ黒。(夜だと黒さが分かりづらかったですが。)

御朱印もあるようです。

(人生の荒波を断ち切ってくれる「浪切不動」様の御朱印。一応御朱印帳を持参していましたが、もちろん営業時間外で、お賽銭を入れてお参りのみさせていただきました。)

来た道(石段)を戻って、出発地点に戻って来ました。最後に弘法大師さまにお参りします。

(妻撮影。)

妻も私も大満足の「静かなる光と祈りのミニツアー」でした。これは絶対おススメです。「海音真理」に戻って来ました。

(時刻は22:10。)

宿の方が迎えてくれて、「すぐにお部屋にデザートとお夜食をお持ちします。」とのこと。

■島苺のレアチーズ

今が旬の小豆島産「女峰いちご」を使ったレアチーズケーキとそのソース。オイルはまろやかな「ルッカ種」。

(ツアー帰りの遅い夜のデザート。充実感と背徳感で美味しさ倍増。(笑))

■お夜食 焼おむすび茶漬け

(焼かれた醤油の香ばしい香りと、塩昆布の具合が絶妙で、そのままでも絶品。1/3程残したところでお茶漬けで味変を。)

そして、「オリーブ会席」のカードの束が栞のようにまとめられて添えられていました。

(デザートと夜食のカードは自分で綴じ込みました。いい思い出になります。)

夜の「海音真理」。海から見るとどんな景色か、タブレットに写真がありましたので、画面を写メしました。

(夜か夜明け前か分かりませんが、こんな風に見えるのですね。湾処(わんど)のように穏やかな海だからこその、この立地。)

ツアーの余韻を感じながらの会席の最後の仕上げ。その後は湯に浸かって冷えた体を温めて就寝。最高の一日でした。

 

翌朝。快晴です!

(今日の立ち寄りスポットは晴ているのといないのとでは映え方が全く違うのでラッキーです。)

四国(香川県)も昨日よりもよりクリアに見えるような気がします。

(ちょっとズームしています。)

朝食の時刻となりましたので本館棟へ。

(「さの音」の玄関の飾り窓から本館棟を望む。(笑))

昨晩と同じ食事処です。

(さて、どんな席に案内されるか、楽しみです。)

案内されたのはテーブル席で、窓から本館棟の共用テラス越しに海が見えるいい席でした。「嶋の朝ごはん」というカードが石のスタンドにセットされました。

(「嶋の朝ごはん」のカードは3つ折りタイプ。(笑))

オリーブオイルの解説はありませんでしたが、醤油やつまようじと同じトレーに当たり前のようにオイル瓶。

(早摘み。「ルッカ種」は昨晩のデザートでも使われていたまろやかなオイル。)

メインの大盆が来ました。

(どれも美味しそうです。豆腐は「嶋豆腐」という地元産。オイルをしっかりかけていただきました。特に興味があるのが一番手前の「てんぐにし貝の時雨煮」(昨晩のニシ貝とは別物)。)

目覚めのジュースは「赤」と「黄」の2種類から選びます。

(赤:ビーツ、ブルーベリー、みかん、黄:レモン、ネーブル、生姜。)

「地魚の炭火焼」は、昨晩の蒸し寿司でも登場したゲタ(シタビラメ)。

(「遠くへ行きたい」で土井善晴さんが小豆島を訪ねた回のワンシーンで干物づくりの回転台で回っていた魚がゲタ(シタビラメ)だったことを思い出しました。ゲタは小豆島の名産ということですね。)

「オリーブ牛と大根の炊いたん」。

(オリーブ牛、煮てもうまい。さっぱりした赤身がここでも生きます。)

宿の方が「ご飯のおかわりもありますのでどうぞ。」と勧めていただきましたが、土鍋のご飯、完食でした。(笑)

ごちそうさまの後はちょっと浜辺の方に出てみます。

(食事処に続く短い廊下には作り付けの本棚とご当地の書籍。机で読書もできるようです。連泊して❝島時間❞を過ごすのもいいですね。)

外は朝の爽やかな空気。

(本館棟の部屋からの眺望も良さそうです。)

離れの一番端まで来てみました。

(それにしても立派な石垣です。さすが小豆島の宿。)

外から離れに戻ってまったりしていると、太陽も結構昇ってきました。

(時間が進むと海面のキラキラ度が増してきます。)

海がきれい!

(小豆島、いいところです。窓を開け放つにはまだちょっと肌寒いので、一日中開け放っても気持ちのいい季節に連泊、、、って最高でしょうね。(笑))

さて、名残惜しいですが、チェックアウトの時刻(12時)近くとなりました。チェックアウトはもう1棟の建物、売店も入っている「三風舎」(さんぷうしゃ)で。

(主がセレクトした全国の器や、小豆島の醤油、素麺などを売っています。)

もちろん、「オリーブ会席」で使われたオリーブオイルたちもお買い上げを待っています。

(オリーブオイルに詳しい人ならワクワクしながら選ぶのでしょうけど、私たちは買っても持て余すだけなので、「昨晩食べたね。」のみの確認だけです。(笑))

チェックアウトも終え、出発です。駐車場には私たちのレンタカーだけ。今日の運転は、知人との旅行先でレンタカーを運転する予定の妻がレンタカーに慣れるために、フルで妻に任せます。

二日目の観光は、❝魔女のほうき❞に乗って空を飛べる「道の駅 小豆島オリーブ公園」からスタートです。