ここ数年年末に温泉の❝浸かり納め❞で温泉宿に行くのがやや恒例になってきています。心身ともに一年の疲れを癒して、いい新年を迎えるための大切なリセット効果があるような気がします。
ということで、2022年も行って来ました。箱根(仙石原)と伊東(網代)、2泊3日の旅行です。帰省ラッシュの渋滞が気になるところでしたが、東名を避けて小田原厚木道路にしたのが良かったのか、さしたる渋滞にも遭わず。最後の箱根湯本駅前で❝年末観光渋滞❞となりましたが、ほどなく脱出、新年の箱根駅伝の往路山登りの道を登って行く感じで、仙石原へ。
まずは道中、昼食も兼ねて「箱根ラリック美術館」に立ち寄ります。
(芦ノ湖ど真ん中から外れた仙石原のせいか、空いています。)
昨年は箱根神社に幸先詣でをして「箱根芦ノ湖成川美術館」でランチをするという、芦ノ湖ど真ん中でしたので、駐車場にも困りましたが、今年(2022年)は楽なものです。
「箱根ラリック美術館」は3つの建物、4つの施設からできています。1つはもちろんラリックの作品を集めた美術館、もう1つはレストラン、3つ目はオリエント急行の本物の車両を使ったカフェ、4つ目はショップ。
(写真奥の三角屋根が美術館、手前の白壁の建物はショップ、左に屋根の軒が少し見えるのがレストラン&カフェの建物。4つの施設が3棟の建物に入っています。)
到着がちょうど12時前でしたので、まずはランチを。レストランが新年に改装予定とのことで、ランチメニューは一種類のみでの営業とのこと。
(「箱根山麓豚」のロースト。)
先にココットに入った鶏のテリーヌ(?)とパン(&オリーブオイル)が出てきて、いいタイミングでメインが登場。
(オニオンソースは夫婦ともに大好きなタイプです。)
リゾットのような米も添えられているのでボリュームはこれで十分。お味の方もなかなか本格的で美味しかったです。お客さんは混んでもなくガラガラでもなく程良い感じで、ご近所さんがレストランだけの利用もされているようで、店員さんと年末の挨拶を交わされていました。
レストランと建物は同じですが、レストランフロアと仕切られた開放的なスペースにオリエント急行の車両がドーンとあります。
(本物。)
車両そのものがカフェになっていて、内装もオリエント急行のもので、ラリックが内装を手掛けていたことから、ここにカフェとして展示&営業しているようです。完全予約制ですが事前予約は不可、当日ここでしか予約できません。私たちはランチを優先したので、残念ながらオリエント急行は外から眺めるだけでした。(この写メを撮っている所から先は❝有料エリア❞。)
では、美術館へ。
(トンボや蝶のアクセサリー、見覚えがあります。これがラリックかぁ。)
大きなショップの建物を一旦出て、この雰囲気のいい散策路の向こうに美術館の棟があります。
(お天気最高。とてもいい雰囲気の木立の中を歩きます。すぐですが。(笑))
1階と2階にラリックの作品、といっても香水瓶やアクセサリーなど、実用品がほとんですが、「どうやってこんな細工をしてるんだろう?」と思うような美しい作品がいっぱい。訪れる人も少ない、静寂に支配された館内で贅沢な時間に浸ることができます。
さて、次は、せっかく仙石原に来ていますので、シーズンオフとはいえ、「仙石原すすき草原」に行ってみます。すすき草原の散策路は往復でも30分程度ですが、私たちはホテルのチェックイン時間の関係で、散策路の入口から景色を見るだけなので、この「ローソン箱根仙石高原店」で買い物をして数分だけ車を停めさせていただきました。
(このローソン前の横断歩道を渡ると、すすき草原の散策路入口。)
ここのローソン、エヴァとのコラボで、一部の筋では有名。
(店内全体がこんな感じでディスプレイされています。関心のない人には邪魔なだけかもしれません。(笑))
仙石原すすき草原の散策路入口からの景色です。
(結構いい景色。シーズンオフの今、人がいない季節にのんびり散策するのが実は一番かも。)
ちょっと驚いたのがこの看板。
(熊が出るのですね。「冷静に立ち去る」、難易度高過ぎです。(笑))
いい時間になりました。ここから「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」へは5分という近さです。
エントランス前の車寄せで荷物を降ろして、すぐ隣の駐車場へ車を入れます。
(ワクワク感を掻き立てるエントランス。)
妻が先にロビーに入っているので、そちらへ。
(この左側にドアがあります。)
15時チェックインのところ、14時40分くらいに着いたでしょうか、私たちが早い方かと思ったら、ロビーは既にチェックインのお客さんでいっぱい。順番にチェックインですので、ウエルカムドリンクを飲みながら待ちます。
(ウエルカムドリンクは基本この4種類から選びます。)
私はスパークリングワインを、妻はグレープ系だったかジュースを。
(卓上のこの花の名前を思い出せず、スマホでリサーチ。正解は、トルコキキョウでした。(笑))
15分いや20分以上は待ったでしょうか、ようやくチェックインが完了して部屋に案内されます。部屋の作りはHIRAMATSUの共通仕様の一番ベーシックなタイプ。
(玄関からテラスまで一直線に、ベッド、リビング、バスルームが配されています。)
賢島のHIRAMATSUの部屋は海をイメージした調度品で統一されていましたが、ここはアンティーク調で統一されているような気がします。作りが同じでも、部屋の広さは今までで一番狭いかも。定番の石造りのお風呂。
(源泉が出ている所になぜか竹筒。役に立っているのかどうかよく分かりませんが、明朝入った貸切風呂も同じく竹筒がありました。(笑))
ちなみに、温泉は「新姥子温泉」の源泉かけ流し。源泉温度は61度と熱め、、、竹筒は冷ますためか(やけど防止のためか)。
テラスからの景色はこんな感じで、開放感抜群。
(手前の樹々の向こうに道路がありますが、音も視線も全く気になりません。)
室内、ベットの頭上に赤富士の絵画があります。
(不思議と惹きつけられると思ったら、片岡球子さんの「赤富士」シリーズのひとつ。)
冷蔵庫にはウエルカムドリンクにもあった❝高級❞ジュースが入っています。
(ドリンクは無料です。)
部屋に置かれているお菓子は箱根寄木細工に入っています。
(HIRAMATSUオリジナルのケーキ。おいしゅうございました。)
天気がいいとテラスから富士山の上の方が見えます。ちょうど夕暮れ時に撮った1枚。赤富士とまではいきませんが、ほんのり赤みがかっています。
(室内の片岡球子さんの赤富士はこの景色とセットなのでしょうね。なかなか粋な趣向です。)
何度か温泉に浸かっているうちに夕食の時刻となりました。ロビーの隣にある(というかロビーと一体化している)レストランへ向かいます。
本日の献立表です。
(サービスプレート(プレイスプレート)の模様、私の勝手な解釈は、仙石原のすすき草原をイメージしていると思います。)
飲み物の方は、最近はいつも「ペアリング」をお願いしています。3種類、4種類、5種類で選べますが、4種類くらいがちょうどいいかと。1種類目となる乾杯はシャンパンで。
(「Yves Jacques(イヴ・ジャック)」というシャンパン。)
濃い色の印象の通り、しっかりとした味わいでした。
(しっかり目ですがすっきりしたシュワシュワです。)
■あおり烏賊のグリエ(烏賊のムースと水晶文旦のソース)
(半球状のものがイカのムース。黒い点々はイカ墨のソースです。黒・黄・緑の3種類のソースでいただきます。緑は何だっけ、、、。)
パンにはホイップバターを。
(よく見るこの形のパン。名前を知りたくてネットで調べてみると、「クッペ」って言うみたい(間違っているかもしれませんが)。)
次の料理の前に白ワインが出されます。2種類目。
(「Rully(リュリー)プルミエ クリュ」。)
ソムリエ曰く、HIRAMATSUのオーナー(ヒラマツさん)がフランス某地のレストランで食事をしていた時に隣のテーブルにいたリュリーさんと意気投合して仕入れるようになったとか。
(何というか、初めての味わい。すっきりとしたフルーティーな感じと言うと普通の白ワインの感想に聞こえますが、いい意味でかなり独特な味わいです。私は好きですね。)
■真鱈の白子のボッシュ(蕪と堀川牛蒡のボリート、冬トリュフと鴨のコンソメ)
(白子、ゴボウ、カブ、コンソメ。その通りの一品です。(笑))
ワインは3種類目となります。ここでソムリエから提案が。「ワインは残り2種類となったのですが、注ぐ量を少し少なくしてあと3種類にしてはいかがでしょうか」。嬉しいご提案ですので、即答。次の料理に合わせて赤ワインが登場。
(「Domaine Gallety(ドメーヌ ガルティ)」。)
味わいの方はちょっと記憶が定かではありませんが、重さはなく軽やかな印象が残っています。
(美しい深紅。次の料理への期待が高まります。)
■蝦夷鹿のラグーソースで和えたスパゲティ(茸とラディッキオのアグロドルチェ、ランポーネの香り)
(皿の縁には蝦夷鹿の干し肉が添えられています。パスタ&ソース、美味しい!)
ワインは4種類目。再び白。
(「CHATEAU DE FIEUZAL(シャトー・ド・フューザル)」。あとで分かったことですが、2017年、HIRAMATSU熱海で同じ銘柄(の2006年産)をいただいていました。)
次の料理、本日の鮮魚はクエとのことで、濃厚な魚の味に合うように、どちらかと言えば爽やかで香り豊かな印象。
(確かに量が少し少な目ですが、酔いも回ってきて、これくらいが適量となってきました。(笑))
■産地直送 本日の鮮魚のロースト(寒締め法連草といくら入りヴェルモットソース)
(魚の下にこの季節に出回る寒締めのホウレン草(通常のものよりも葉が肉厚で美味しい)が敷かれています。)
本日の鮮魚は「クエ」(九州ではアラ)。皮の焼き目があまりにも美しかったので、そちらからも写メを。
(実際はもっときれいで惚れ惚れします。クエの濃厚な味わいが最高です。)
ワインは最後の5種類目。
(「Pommard 1er Cru(ポマール プルミエ・クリュ)」。)
確かこちらの銘柄もHIRAMATSUが取り扱っているとソムリエが言っていたような。お味の方は思い出せません、、、もちろん美味しかったという記憶はありますが。(笑)
(次のメイン料理が少しこってりとした感じなので、確かしっかり目の赤だったような、、、夫婦ともども酔いが回ってきています。(笑))
■ちりめんキャベツを纏ったイタリア産仔牛のファルシー(季節野菜のグリエ、ローズマリー香るジュのソース)
(季節野菜、結構焼き強めでした。メインのイメージは❝ロールキャベツ❞の焼きバージョンと言うと、HIRAMATSUさんに叱られますね。(笑) 今日の料理で一番濃厚な味付け。)
コースはここで一区切り、あとはデザートとなりますが、オプションでチーズを挟むことができます。せっかくなので、お願いしました。
(見たことがないくらい大きな箱根寄せ木細工の箱。チーズよりもこの箱のお値段のことを訊いてみたくなります。(笑))
チーズの説明を一通り聞いて、妻は3種類、私は2種類を。
(妻の3種類。ドライフルーツやハチミツとともに。ブルーチーズまでは覚えていたのですが、、、チーズの情報をメモっておけば良かったぁ。)
私の2種類です。
(右側は栗の葉に包まれたヤギのチーズだったかなぁ、、、こちらも情報をメモらず残念ながら忘れました。妻と私で1種類もかぶらず。)
そうそう、ワインはペアリングは終わったのですが、チーズに合わせて、ポートワインをお願いしました。
(「Chateau de Rayne Vigneau(シャトー・ド・レイヌ・ヴィニョー)」。ポートワインと言ってもポルトガル産ではなくフランス産ですが。)
甘いですが口に残らない上品な甘さがチーズによく合います。1997年産、時の積み重ねを感じるワインでした。
■苺畑(いちごとバニラのミルフィーユ仕立て)
(上に載っているイチゴ形状のものはチョコで、割るとイチゴソースが出てきます。)
■小菓子(とコーヒー)
(和テイストな菓子。両方とも求肥のような食感でした。)
私はコーヒー、妻はハーブティーでコースの興奮をクールダウン。
(素敵なコーヒーカップ。とても印象に残るカップ&ソーサーでした。調べてみると、リチャードジノリのもの。)
今日のディナーは以上で終了です。どの料理もさすがHIRAMATSUというもので、チェックイン時に待たされたことや、部屋が今までのHIRAMATSUの中で一番狭いことなど、やや盛り下がっていたところをすっかり挽回。いい気分で一日を終えることができました。ごちそうさまでした。
さて、翌朝。早朝6時に予約しておいた貸切風呂へ向かいます。
(真っ暗。深夜みたい。(笑))
貸切風呂は2つ。鍵は部屋のドアノブに掛けられていますので、それを持って「貸切風呂№2」へ。
できれば薄っすら夜が明けながらという時間帯で温泉に浸かりたいところですが、まぁ、一番風呂ということで。
(部屋の作り同様、貸切風呂の作風も基本賢島のそれと同じ感じでした。)
一番風呂をいただいて部屋に戻ってしばし休憩、7時半予約の朝食へ。昨晩の夕食はロビー階でしたが、1フロア下に別のレストランフロアがあり、そちらに案内されました。
(外の池には薄っすらと氷が張っているように見えました。)
湯河原みかんのジュースと、HIRAMATSUオリジナルのトマトジュース。
(トマトジュースの方は、トマトのみを搾っていて、何も添加していないそうです。)
オレンジジュースも美味しいですが、このトマトジュースが今まで飲んだ中で一番美味しいかも。以前、九州の壱岐(「壱岐リトリート海里村上」)で飲んだトマトジュース「甘壱岐」を超えたと思います。ホテルの方曰く、「お土産でも販売しております。お値段がちょっと、、、高いのですが。」と遠慮がちに教えてくれました。
数種類の豆が入った優しいお味のスープと、紅ずわい蟹のほぐし身を野菜で包んだものと地元野菜のサラダ。
(紅ずわい蟹のサラダ、美味しい!)
パンはおかわり自由ですが、前日の夕食で測らなくても体重が激増していることを夫婦で自覚しているので、控えめに。
(それでもホイップバターに手が伸びます。(笑))
メインは、半熟玉子や焼いたソーセージなどをクレープで包み、バルサミコソースをかけた、一見デザートかと見紛う卵料理。
(バルサミコソースの酸味が卵とソーセージ、ソテーされた野菜によく合います。)
デザートは、リンゴのコンポートと、ホイップヨーグルト&イチジク・ブルーベリー。
(ホイップヨーグルトの上に写真右上のナッツ類を砕いたものをかけていただきます。)
朝食もしっかり完食。体重が気になるところですが、美味しいものは食べてしまいます。(笑) ごちそうさまでした。
腹ごなしがてら、ショップコーナーに立ち寄ってみます。ロビー階に超小ぢんまりとありますが、それがオシャレ度を演出していますね。
(ドリンク類、アメニティ、衣類など。)
ありました、例のトマトジュース。
(ラベルが「HIRAMATSUオリジナル」を強烈にアピールしています。(笑))
で、お値段の方は、、、!!
(手前でぼやけていますが、5940円也。確かに高い。)
これまでHIRAMATSUに泊まるたびに、その着心地の良さを気に入っていた部屋着。トマトジュースは買いませんでしたが、ちょっと奮発してこの部屋着をペアでついに購入しました。
(タオル&ガーゼ地で最高のリラックスウエア。自宅でガンガン使いたいと思います。)
チェックアウトは12時。朝食を一番早い7時半にしましたので、かなりゆっくりできます。
(今日のお天気は、、、曇りかぁ。結局滞在中富士山を見ることができたのは昨日だけでした。富士山が見え隠れするたびに、「星のや富士」でハラハラした思い出がよみがえります。「星のや富士」で過ごされているみなさんが富士山を見ることができますように。(笑))
時刻は12時。チェックアウトです。最後にHIRAMATSU仙石原からお土産をいただきました。
(立派なパウンドケーキと、立派過ぎる箱に入ったチョコ菓子。(笑))
「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」、温泉の泉質と料理・ワインが特に素晴らしかったです。
さぁ、昨年も年末に1泊過ごした伊東(網代)の「ホテルふたり木もれ陽」に向かって出発です。
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