グランピング。夫婦ともども興味はありつつも手を出していなかった旅のスタイルです。今年のGWは、そのグランピングに初挑戦、富士河口湖町の「星のや富士」に行って来ました。
(ネットより拝借。)
「グランピング」(glamping)とは、「グラマラス」(glamorous:魅力的な)と「キャンピング」(camping)を組み合わせた造語。(初めて知りました。)「星のや富士」は、2015年10月30日開業、日本初のグランピングリゾートとのことです。
今回は「星のや富士」での滞在がメインですので、道中の立ち寄りは時間調整として、河口湖周辺で少しだけ。幸い、中央道の渋滞もなく、すんなり目的地に到着。河口湖越しに遮るものなしで、すそ野の広がりまで富士山を堪能できる「長崎公園」です。
(公園と言っても、一方通行の道と若干の駐車スペースがあるだけ。)
ただ、今日は残念ながら雨模様。富士山は全く見えず、この景色。(笑)
(この方向に富士山があるはず、、、。)
一眼レフを抱えたカメラマンが待機している車を何台か見ました。多分、晴れた日の長崎公園は富士山の絶景を撮る有名スポットなのではないでしょうか。
次は、車で数分、ここは訪れてみようと思っていた(山梨県の)「富士山世界遺産センター」。
(ギリギリ雨は降っていません。)
北館と南館から成る、富士山のことを勉強できる無料施設です。南館の方が新しく、様々な装置を駆使した展示があり、無料施設とは思えない充実ぶりです。
(南館のショップ横に掲げられている「世界遺産登録証」(複製)。)
まずは、カフェ&レストランが入っている北館で、軽めの昼食を。ここに来たのは、これを食べてみようというのも目的のひとつです。
(青いカレー。)
「青い富士山カレー」のセット。(食券制です。)
(妻はこの色に引いてましたね。(笑))
セットには、サラダの他、ドリンクが付きますが、せっかくなので「富士山サイダー」を。
(箸置きも富士山。サラダ以外はブルーで統一。(笑))
カレーのお味の方は、、、青色という視覚から受ける影響か、それとも味そのものなのか、イマイチ美味しくないです。(笑)
妻はご当地の名物らしい「吉田のうどん」。
(トッピングの練り物が富士山。)
うどんというよりは、ほうとうをイメージするような腰の強いうどん。少し食べてみましたが、青いカレーの後に食べると、「こっちの方が美味しい~。」とホッとするお味でした。(笑)
なお、カレーには、「赤い富士山カレー」という赤色バージョンもありますので、辛口の好きな方はそちらがいいかも。
北館2階のカフェ&レストランを出て、1階で富士山の紹介ビデオ15分を観て、富士山の成り立ちや噴火した時の火山弾などがある展示コーナーを見学。(ラグビーボール大の火山弾を見ると、頑丈な建物を突き破るのも分かります。)
そして、南館へ。順路は2階からで、こちらも15分程のビデオ観賞から始まります。ビデオはノーナレで映像とほんの少しの字幕で展開されます。時折係の人の生解説がカットインしてくるという趣向。ビデオの進捗内容に合わせて、ホール全体を覆う富士山の色が変わっていきます。
(「冨嶽三六○」という富士山を360度・全方位から見ることができる巨大オブジェ。)
係の人の話で印象に残ったのは、「富士山はできてまだ2万年くらいの若い山。山は何百万もかけて成長します。富士山に川が一本もないのは若い証拠です。ただ、山全体での保水量は関東圏全域を賄えるくらい。麓に湧く水は、20年くらいをかけて濾過されて来たもので、古いものでは40年前の水が湧いている所もあります。」という説明でした。
ビデオを観終えて、1階へ。
(電子機器を使った展示から富士山に関する書籍を集めた図書コーナーなど退屈知らずのいろいろな展示あり。吉田口から山頂までの13時間を要する登山ルートを5分の早送りで追体験できる画面が面白かった。)
「富士山センゲン」という装置の前に来ました。
御朱印のスタンプに見える梵字のようなものが台紙になっていたので、「センゲン」を「浅間」神社のことと勘違い。正しくは「みなさんが富士山のためにできることを❝宣言❞して書いてください。」というコーナー。なのに、「健康第一」なんて書いてしまって夫婦で写りました。(笑)
(スマホに落とすことができます。これはこれでいい記念になりました。(笑))
ショップは北館の方が広いですが、南館の方が何となく惹かれるグッズを置いています。お土産に、妻は北館でミニタオルを、私は南館で洗面用のタオルを購入。
さて、そろそろいい時間です。「富士山世界遺産センター」を出る頃には雨が降り出していました。
「星のや富士」のチェックインは15時ですが、ほとんどの人が14時には「レセプション」に入り、チェックインタイムまで無料カフェコーナーで飲み物やスイーツ系を楽しんで過ごすそうです。ということで、私たちも14時過ぎには到着。
(最終日に撮った写メです。到着時は本降りの雨で写メどころではありませんでした。(笑))
レセプションは既に満席で、車の中で待機です。
(車の中からキャビン(客室)が見えました。)
15分くらい待ったでしょうか、係の人が呼びに来てくれました。荷物とともにレセプションへ。
(壁面のリュックから好きなのを選びます。グランピンググッズ一式を入れて貸してくれます。)
レセプションで諸々の説明をしてくれますが、チェックインはキャビンで行います。レセプションでの説明時に、「AREA MAP」と、雨の日にだけ渡される「雨の森 招待状」を受け取ります。
(「雨の森 招待状」には雨の日を楽しく(?)過ごす無料イベントのタイムスケジュールが書かれています。)
一通り説明を聞いたら、キャビンへ移動。ワゴンかジープでの移動となりますが、「できればジープがいいなぁ。」と思っていたら、ジープでした。(笑)
運転席を写メ。ジープに乗るのは初めてで、あいにくの雨ですが、ようやくテンションが上がってきました。
(運転してみたい。(笑))
切り返し必須のカーブもある急坂を数分登ると、キャビンのエリアに到着です。
(ジープは、白・赤・黒の3種類。ナンバーは全て「5050」。)
キャビンは山の中腹にあり、全室、河口湖と富士山に向かって開口しています。
(AREA MAPより。私たちは黄色点線で囲んだ610号室。一番上のど真ん中、翌日実感しますが、一番いい場所だったかもしれません。)
キャビンは2室が上下に積まれている感じです。私たちは上のキャビン。
❝玄関❞の壁に長靴が掛けられています。
(クロックスのブーツ。結構フル活用します。)
そして、キャビンへイン!
晴れた日なら、キャビンに入った瞬間に❝富士山ドーン❞で大感動らしいのですが、本日は雨に霞む河口湖のみ。(笑)
キャビンの1/3を占める広々としたテラスリビングには大きく軒が張り出しているので、強雨でなければ吹き込むことはないでしょうけど、寒さと湿気だけは防ぎようもありません。(寒い時期はコタツがセットされます。)
私たちが泊るキャビンはスタンダードタイプの「T Cabin」。ラッキーなことにバスルームからも景色が抜けています。
(今日は雨ですが。(笑))
ということで、温泉宿のように探検するような客室ではなく、富士山、河口湖など、自然の景色を楽しむことを主眼に置いたシンプルな作り・内装になっています。ちなみに、テレビはありません。
(ルームキーに付いたドングリのようなものは「バードコール」という、小鳥の鳴き声のような音が出る木製の小物。)
さて、「星のや富士」での滞在が始まりました。グランピング初体験の私が言うのも何ですが、「星のや富士」を楽しみ尽くすポイントは事前の計画。実際に来てみないと分からないことの方が多いですが、滞在の❝骨格❞をプランニングして、必要な予約はしておいた方がいいと思います。
キャビンでのチェックイン時に担当の人がこんなカードを渡してくれました。
(事前に済ませておいた予約の一覧。これは助かります。)
食事場所をはじめ、いろいろなエリアで過ごせるように、予約物の場所はあえて散らしました。AREA MAPで場所を追いながら、大体の位置関係を夫婦で確認。
(キャビンエリアは一番❝下❞に位置し、一番❝上❞の「焚き火ラウンジ」・「ライブラリーカフェ」までは登って行く感じ。)
次はレセプションで選んだリュックの中身を見てみます。
(妻は斜めがけバッグを選びました。女性に人気のようです。)
中身は、双眼鏡、ヘッドランプ、マット(巻いてあります)、オリジナルボトル、「森のビスコッティ」。
オリジナルボトルと「森のビスコッティ」はもらえます。
(この情報もAREA MAPに書かれています。AREA MAPは読み込み必須です。(笑))
玄関の長靴だけでなく、部屋には外套が準備されています。
(まだまだ寒いので、滞在中、結構お世話になりました。)
そして、❝グラマラス・キャンピング❞ですので(笑)、コップなどがキャンプ仕様。
(「*snow peak」で統一されていました。)
コーヒードリップは焚き火台のデザイン。
(たたむとペッタンコになります。)
さて、諸々確認作業も終わり、テラスリビングに出て景色を見てみます、、、が、雨模様に変化なし。
(本当に富士山はあるのだろうか。(笑))
雨を嘆いていても仕方ないので、さっそく行動開始。キャビンエリアから「焚き火ラウンジ」へ向かいます。自然の中を整備された道に従って登って行くと、必ずフロントを通ることになることを発見。
(右がフロント、左がダイニング。)
少し登ると、「クラウドテラス」エリアの「木漏れ日デッキ」。
クラウドテラスを更に登ると、「焚き火ラウンジ」。ここが一番上です。
(雨なので焚き火はやっていません。)
やってみたかったことのひとつ、焚き火でマシュマロを焼く。更に、クラッカーにそれとチョコを挟んで「スモア」なるスイーツを作ってみる、、、それに必要な3点が「ライブラリーカフェ」に置かれています。
(無料。雨なので実行不可。(笑))
ということで、やってみたかったこと第2弾「森のひととき」へ、、、焼きバームクーヘンを食べる、です。(笑)
(こちらも無料。)
ライブラリーカフェは雨のせいで満席。テラスデッキはこのとおり雨に濡れますので、「注文したものの、どこに座ろうか、、、。」
と、困っていると、係の人が「あちらのタープはいかがでしょうか。電気毛布のひざ掛けもあり、暖かくお過ごしいただけます。」と提案してくれました。
(「ええやん、ここ。」と心の中で独り言。(笑))
焼きバームクーヘンが出来上がりました。カフェでコーヒーを淹れて準備完了。
(苺ソース。アツアツで美味しい。)
一段上のデッキのタープの下では若いカップルが過ごしています。
(双眼鏡で森を眺め、ライブラリーカフェから本を持って来て、ゆっくりと過ごしています。グランピングでの正しい過ごし方を見せていただきました。(笑))
この日は寒いくらい。電気毛布のひざ掛けがあれば、さほど寒さも感じないで、雨の音を聞いていられます。上の若者たちはまだまだゆっくりしていますが、私たちはアクティビティ「山麓の燻製づくり」へ。場所はすぐそこ、焚き火ラウンジから階段を下りた所の「クラウドキッチン」。
(夕食前(16:30)なので、一食を2人でシェアします。材料は、カマンベールチーズ、猪肉のベーコン、鮎の生干物、豆、ドライフルーツ。)
2人とも燻製づくりはもちろん初めてで、手順も所要時間なども知識ゼロ。言われるがままにまずはチップ選びから。
(奥からリンゴ、桜(富士桜)、白州(ウイスキー樽)のチップ。単独でもブレンドでもOK。)
リンゴは少し甘みが付くとのことで、全くの直感で、富士桜と白州を50/50でブレンド。係の人曰く「一番人気のブレンドです。」とのこと。続いて、鮎に塗るペーストを作ります。鮎のうるかに、何だかった忘れましたがオイル(?)系の液体を少し加えて、すり鉢でのばしていって、いい感じのペーストになったら刷毛で鮎にたっぷりと塗ります。
燻製器の底にチップを入れた皿を置いて、セットした網の上に材料を乗せて火にかけます。
(ベーコンなど脂が落ちるものはチップの真上は避けた方が良いそうです。なるほど。)
煙が立ってきたら蓋をして、3分待ちます。
(砂時計とランプで雰囲気はバッチリ。大きなタープに守られているので、雨も演出のひとつになるくらい快適です。)
3分で、カマンベールチーズ、鮎、豆が出来上がり。
(ベーコンとドライフルーツはもう3分。)
燻製のいい香り、そして何とも言えないきれいな色付き。
(カマンベールチーズにはハチミツをたっぷりかけて。)
ここでセットの飲み物を選びます。
(私はウイスキーの3種類のテイスティングセット、妻は葡萄ジュースを。)
テイスティングセットです。
(雰囲気のせいか、雨や寒さのせいか、燻製の美味しさのせいか、こんなにウイスキーが美味しいと感じたことはないくらい、まろやかで深い味わい。)
チーズ&ハチミツ、うるかペーストの鮎、豆、その後に出来上がった、猪ベーコン、ドライフルーツ、どれも絶品でした。妻もたいそう気に入ったようで、こんなに早く出来上がることを知ったのも相まって、一発で燻製づくりにはまってしまいました、、、そして、2日後、Amazonで燻製器とチップを購入。(笑)
想像以上に楽しかった「山麓の燻製づくり」を終えて、キャビンに戻った頃にはすっかり日も落ちていました。テラスリビングからの景色は幻想的な夜景に。
(雨もまた良しの絶景。)
燻製づくりの話でひとしきり盛り上がった頃、本日の夕食です。今晩はキャビンでゆっくりできる「グランピングカレー」です。
グランピングですので、最後の仕上げの調理は自分たちでします。
(係の人が背負子で必要な物一式を運んで来てセッティングしてくれます。テラスリビングにしようと思ったのですが、やはり寒いので室内にしました。)
まずはスパイスをアレンジしてオリジナルの味を追求します。(笑)
(クミン、コリアンダー、カルダモンの3種類を訳も分からず適当な分量でミックスして、薬鉢のような器ですり潰します。)
1セット目の具材を焼いて、今調合したオリジナルスパイス(笑)をカレールーに投入します。
一皿目のカレーの出来上がり。
(「キャンプで食べるカレーは最高!」なんて言ったら、本気のキャンプをやっている人にバカにされそうですが、うまい!)
2セット目は、❝ペース配分❞を誤って、肉とエリンギだけになりました。(笑)
(それでも、二皿目もうまい!(笑) レッドペッパーを加えてカレーの味変済み。)
この後、ゆっくりお風呂で温まって今日一日は終了。雨の中の初日でしたが、思っていた以上に楽しく過ごすことができて大満足でした。あとは滞在中に富士山が姿を現してくれることを祈るばかりです。
(テラスリビングの「ファイアプレイス」の揺らめく炎を見ながら静寂の夜を過ごします。)
明日は晴れますように。
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