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HBV Infection Forum B型肝炎の勉強会です

2009年07月26日 | 学会研究会報告新聞記事など
今回東京で行われた、勉強会の報告です。B型肝炎のガイドラインも少しずつ進歩していてすごいです。

第一部
○培養細胞を用いた肝炎ウイルスの増殖系 
これは、難しかったです。マウスやチンパンジーなどでの肝炎ウイルスの感染や増殖についてどのように研究されているかがわかりました。
しかし、30年以上感染するというモデルは存在しないため、患者さんの臨床経過が分析されるということになります。

話題として、HBVユニバーサルワクチネーションは国際的に導入されているということがでていました。B型肝炎のワクチン接種が行われていると言うことなんですね。日本では感染の可能性がたかい医療従事者や母児感染の危険のある場合などが行っていますが、国際的には子供たちを中心に急性肝炎の予防に役に立っていると言うことでした。
アメリカでは1991年子供の
14歳以下の急性肝炎はゼロになっている。今後は成人を対象としたワクチン接種が検討されている。
我が国での急性肝炎感染の状況とワクチンのリスクを検討し導入を検討すべきだろうと。

○HBV感染は直接肝細胞に傷害を与えるか 急性期のメカニズムから報告されていました。
アジアはゲノタイムC型がおおい、国際的にはA,Bが多い。
HBVのゲノタイプCでは、ウイルスが多いと肝がんのリスクが高くなる。

劇症肝炎には、ウイルスの複製増殖や、変異が関わっている。ジェノタイプcは発癌に関連してる、複製も多い

虎の門は5000例のB型のデータがあるとのこと、患者さんたくさん通っていてすごいです。

○ラミブジン耐性、エンテカビル耐性に対するアデホビルの有用性について
298例のまとめ

アデフォビル ウイルスが陰性化する例では、3年くらいで陰性化していく、
ラミブジン耐性にエンテカ使った場合11例中3例は陰性化、しかし他は増えている。
エンテカビル耐性には、ラミブジンとアデフォビルが用いる方向でガイドラインではなっている。
切り替えた7例では、ウイルスが減少している

エンテカビルで3年以内で陰性化しない例は、ウイルス量が多いので、最初からアデ補を追加するのもいいのかもしれないと
テノフォビル(TDF)を海外から輸入という手もあるが、アデフォビルとエンテカビルの併用が日本では現実的かと

第二部 特別講演 熊田博光先生の講演
B型慢性肝疾患の最新の治療戦略 HBsAgの消失か、発癌予防か
治すところまで行けるのか

ラミブジンが1176 アデフォついかが431例
ラミブジンから切り替えて206から単独で続けられたのは187例
エンテカ399例 副作用でラミブジン8例 3例はエンテカに戻る
アデフォ併用1例

ラミブジンでの耐性ウイルスは、ジェノタイプAが早く出てくる次がBつぎがCとなる。

エンテカビルの患者さんの場合
半年で半分が陰性化 2.6未満となった、2年で93%
ゲノタイプのAは陰性化が良くない タックマンでは陰性化は悪いのがわかる
2年で64% 使用期間が短ければ再燃するのは当たり前とわかる
吐き気や発疹で8例が中止や変更した

耐性出現 226例で3例出現した 半年、一年半、5年で出てきた。

耐性株の出現は、1年以内に陰性化していない例だった。
1年以上陰性化しなかった26例 e抗原陽性が多くウイルス量も多い
家族歴が濃厚、ジェノタイプはc
変異がでているのはe抗原陽性で7LogIU/ml以上のところにしかいない

エンテカでウイルスが陰性化しない人は1年で中止してる研究もある。
治験では3年で5例 3.3%

シークエンシャル療法 一旦エンテカビルをやめていく方法、IFNを一ヶ月併用してやめていく
厚生労働省で結果が出た 終了時にe抗原が陰性化してる人は経過がいいe抗原陽性の症例は元に戻っている

エンテカビルととアデフォビルを使う
181番以外の変異ウイルスが押さえられる
ラミブジンの変異がある人(ブレイクスルー肝炎を起こしている日と)は、エンテカにして5年で55%に変異がでた。

アデフォの耐性は181だけが耐性になってもすぐには悪くならない(ストップコドンになっているから増えない、おー、勉強になる)。181にもう一回変異が起こって変わって236が変わると増殖する。これは難しい話ですのでわからなくてもいいですよ-。

3剤の変異株はどうするか tenofovir(テノフォビル)使えば押さえられる、でも今は輸入。。。

他にも色々ありましたが、メモはここまででした。いろんな検討がされていてとても勉強になりました。
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