← 大きくみたい方はこちら2018-12-25作成
インフルエンザワクチンによる副作用を少しでも減らす目的にチメロサールを使わないワクチンが製造されています。しかしまだまだ供給量が少なく、値段も割高となっていて肝臓クリニック札幌でも少量しか手に入っていません。このため問合せがあった方や副作用の軽減が必要な方を中心に使用しています。
2018年肝臓クリニック札幌での価格は1回4000円(税込み)としていましたがよりしやすくするために、1月17日より今期のみ子供さんには2500円税込みにしました。
以下チメロサールを含国有ワクチンのQ&Aに追加改変
(北海道お薬情報室http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H24-5.pdf)
チメロサールを含む国有ワクチン
Q:チメロサールは水銀を含むので、子どもにはあまり使用したくないのですが、国内にチメロサールを含まないワクチンはありますか。
A:チメロサールは殺菌・防腐剤として注射薬に添加されていることがあります。重大な報告がなくとも添加は好ましくないと考えられるようになりましたので、現在ではチメロサールを含まないワクチンもあります。
チメロサール(thimerosal:エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム)は、ワクチンの大容量バイアル製剤を、開封後に細菌汚染から防止する目的として殺菌・防腐剤として添加されています。1928年にオーストラリアでジフテリアの予防接種の注射薬に病原体が混入して注射を受けた多数のこどもが死亡する事件が起こったこと、および1940年代から少量で効果が高く安いことなどを理由に、世界的に使用されるようになりました。
ただし、ワクチンのすべてに含まれているわけではなく、生ワクチン以外の不活化ワクチンやトキソイドにも添加されています。チメロサールは体内で有機水銀の「エチル水銀」と「チオサリチレート」に分解されるため、有機水銀であるエチル水銀の人体への影響が心配されています。しかしながら多くの健康被害が報告されているメチル水銀とは異なり、チメロサール含有製剤での毒性については過敏症(発熱、発疹、じんましん、紅斑、かゆみ等)を起こすことがある以外はよく分かっていません。
最近では、極微量とはいえ有機水銀を医薬品の中に添加するのは好ましくないと考えられるようになり、チメロサールを添加しないワクチンや減量したワクチンが増えており、チメロサールをワクチンの保存剤として添加しない方向にあります。
人が微量の物質を摂取する場合の安全基準については、種々の機関からだされてはいるものの、統一した基準値はありません。
チメロサールのエチル水銀の基準には、化学構造が最も近いメチル水銀の基準が使用されていますが、この中でも、その基準値が最も高いのがWHO(世界保健機関)です。これは、食事によるメチル水銀の主要な摂取源として魚が考えられますが、世界には魚の栄養面での評価
が高く、重要な蛋白質の摂取源となっている地域もあります。そのためメチル水銀の摂取量を減らすために魚の摂取を制限するとしても、栄養面での効能にも配慮すべきだとしている背景もあるようです。
しかし、妊婦や乳幼児については一般の人々よりも危険性は高くなると考えられます。WHOはメチル水銀による影響を最も受けやすい胎児を守ることを考えて、当面はチメロサールを可能な限り減量し、将来的には代替となる保存剤を開発し、これを防ぐことを各国に向けて勧告しています。
また、WHO(世界保健機構)では「エチル水銀は半減期が短く暴露は比較的短時間であること、さらに体内に蓄積されるメチル水銀と違いエチル水銀は腸管から盛んに排泄されるため、ワクチン中のチメロサールにさらされた小児、成人における毒性を示す根拠はない」という見解を示してもいます。
日本においても除去ないし減量の方向で努力が続けられており、インフルエンザワクチン以外の不活化ワクチン(日本脳炎ワクチン、沈降破傷風トキソイド等)でもチメロサールを含有しない製品が流通しています
インフルエンザワクチンの需要にあった供給がされること、そしてほぼ全てがチメロサールフリー・ワクチンとなることが望ましいとされるようになってきました。