沼田まほかる 著
「ユリゴコロ」と題された一冊のノート。
その古ぼけたページには、恐ろしい殺人とそこに至る心理が書かれていた。
実家の父の部屋でそのノートを見つけた亮介は動揺する。
そして幼い頃の思い出がよみがえるとともに違和感が募っていく。
そのノートはまったく共感できない内容だ。
そして、それに振り回される家族たちの行動にも理解できない部分が多い。
それなのに、なぜかトンデモ感がない。
心の揺れや波がうまく表現されているからだろうか。
お互いを想いあっているということが根っこにあるからだろうか。
父は余命いくばくもない。
母といわれた人はもういない。
妻にしたいと願った人は行方が知れない。
亮介は自分の営む店だけしか居場所がない。
考えなくてはいけないことも、やらなくてはいけないことも
亮介を取り囲んでいる。
それなのに「ユリゴコロ」は亮介をとらえて離さない。
今まで読んだどんなものとも違う印象が残った。
結末も予想と全く違っていた。
殺人もあったし陰謀もあった。
それなのに残るのは切なさと悲しみとそしておだやかな日々。
静かな音楽のような、水彩画のような読後感だった。
「ユリゴコロ」と題された一冊のノート。
その古ぼけたページには、恐ろしい殺人とそこに至る心理が書かれていた。
実家の父の部屋でそのノートを見つけた亮介は動揺する。
そして幼い頃の思い出がよみがえるとともに違和感が募っていく。
そのノートはまったく共感できない内容だ。
そして、それに振り回される家族たちの行動にも理解できない部分が多い。
それなのに、なぜかトンデモ感がない。
心の揺れや波がうまく表現されているからだろうか。
お互いを想いあっているということが根っこにあるからだろうか。
父は余命いくばくもない。
母といわれた人はもういない。
妻にしたいと願った人は行方が知れない。
亮介は自分の営む店だけしか居場所がない。
考えなくてはいけないことも、やらなくてはいけないことも
亮介を取り囲んでいる。
それなのに「ユリゴコロ」は亮介をとらえて離さない。
今まで読んだどんなものとも違う印象が残った。
結末も予想と全く違っていた。
殺人もあったし陰謀もあった。
それなのに残るのは切なさと悲しみとそしておだやかな日々。
静かな音楽のような、水彩画のような読後感だった。