息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

もののけ本所深川事件帖 オサキと骸骨幽霊

2014-04-17 10:34:53 | 著者名 た行
高橋由太 著

第五弾。ええっ?て思いましたね。
私も思ってます。
間違って第四弾のつもりでこれを読みました。いいもん。いいの!
順不同。天地無用。

オサキもちの周吉。
それゆえに故郷を追われ、両親も失った。
自分は災厄を起こすのではないか。
それがお琴へ想いを告げることをためらわせる。
文を書いてはみたものの、わたせないままに仕舞い込む日々。

その文が飛ばされ、追いかけていった先は見知らぬ墓地だった。
墓の下から現れた幽霊・朱里はその文を見て、自分あてだと思い込み、
周吉と結婚することに。
墓地には朱里だけでなく骸骨幽霊たちが数多く集まっていた。
店に帰るに帰れなくなった周吉は、彼らを成仏させるべく力を尽くす。

そのころ、本所深川では畜生働きといわれる強盗殺人が連続していた。
華やかな江戸でも、貧しい人はとことん貧しい暮らしをしている。
故郷で食べられず、流れ着いたものも多い。
その貧しさゆえに起こる悲劇や犯罪もある。
そんな暗い面も語られる。

生きているものと死んだものとの上に流れる時間の違いとか、
なにかに心を奪われてこの世に縛られているのにかかわらず
それについての記憶はなかったりとか、はかなさやもの悲しさを
感じることもあった。

それでもさわやかに終わるのはシリーズならでは。