そもそもこの「BMW」と言うメーカーは、国際的なレースの成績で有益を上げようと試み始めたのが遅く、
2000年を超えても、いわゆる本格的なスーパースポーツバイク(SS)を作っていませんでした。
その背景には伝統の「水平対抗エンジン」ではそこまでのパワーを引き出すことが難しかったからですが、
以前ご紹介した「R1200S(2006年〜)」の出現により、国内でのレースを中心に「BMW」としてのレース部門を立ち上げたことで、
よりハイパフォーマンスなスポーツバイクの必要性を考える様になります。
そこで登場したのが、この水平対抗2気筒エンジンを搭載した「HP2スポーツ」なんですよね。
この「HP」は「ハイパフォーマンス」の略語で、それだけ「凄い」と言う意味合いを持っています。
その登場時期ですが「R1200S」と入れ替わるカタチで、2008年からで2010年まで生産されていました。
その後は、現在につながる並列4気筒エンジンを搭載した「S1000RR」へとバトンタッチしていくと言う経緯です。
とにかくこの「HP2スポーツ」の凄い所は、なんと言ってもエンジンで、ここで使われてる水平対抗2気筒エンジンは、
空冷式ながら、それまで不可能と言われた新技術の「DOHC」で作られたモデルでした。
さらに、フューエルインジェクションとのコンビで、高いポテンシャルを得ることに成功してたんですよね。
具体的に言いますと、新開発のエンジンは空冷式4スト水平対抗2気筒DOHC4バルブで、
排気量が1169cc、最高出力は133psで最大トルクが11.5kgとなっています。
また乾燥重量は178kgと比較的軽く、アルミとスチールをうまく組み合わせた特殊な構造のフレームを搭載しています。
さらにフロントは倒立フォークで、ブレーキシステムは純正でブレンボーを採用、マフラーは後方排気型のセンターアップ式で、
型持ち式のリアサスペンションに、駆動系は伝統のシャフトドライブ式が装備されていました。
これによりスーパースポーツ(SS)として十分なポテンシャルを水平対抗2気筒エンジンで実現した訳ですが、
残念ながら日本製やイタリア製のマシンには勝つことが出来ず、
結果的には短命に終わり何度も言いますが、並列4気筒エンジンを搭載した「S1000RR」へと引き継がれて行くこととなります。
ただ、中古事情を見てみますと、他の車種が年式と共に順調に値段を下げてる状況にも関わらず、
この「HP2スポーツ」に関しては、安くても300万円を上回る高額な値段がつけられており、高いものになると400万円を超えています。
なるほど、市販車としては、とても「高い価値がある」ことを物語ってるんですね。(笑)
個人的にはヘッドライト周りのデザインがイマイチな感がありますが、
全体的なフォルムは、それまでの「BMW」に無かったスポーツバイクらしいデザインでまとまってると思います。
今後、現存する個体がどんどん減っていく事を考えれば、将来もっと「価値がつくバイク」になるかも知れないですね!(笑)
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