宮城の農業普及現地活動情報

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名取市北釜地区の被災農業者が‘こまつな’栽培を再開

2011年07月20日 14時24分37秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
名取市北釜地区は,名取市東部の沿岸地区に位置し,古くから砂質土壌の条件を活かしメロン等の野菜生産が盛んな地域で,近年は‘こまつな’及び‘チンゲンサイ’の県内最大の産地でした。
 しかし,平成23年3月11日の地震による津波で,当地区の家屋や農地は全て流され壊滅的な被害を受けました。
 震災後,多くの被災農業者は避難生活を余儀なくされていますが,何とか営農を再開したいという思いも強く,新たな農地を確保し営農再開に向け動き出した農業者もいます。
 このような中,北釜地区の3戸の農家が「北釜耕人会」という組織を結成し,名取市内の遊休未利用地を借り受け‘こまつな’栽培を開始しました。
 遊休未利用地であったため畑は荒れ果てていましたが,重機などを借りながら懸命に農地の復元を行い,5月5日には播種にこぎ着けました。これまでとは違う土地での栽培に苦労もありましたが,好天にも恵まれこまつなは順調に生育し,6月8日に初収穫を迎えこの日30ケースが仙台市場に出荷されました。
 家屋も農業機械・施設も全てを失った中での新たなスタートに,北釜耕人会の皆さんの喜びは一入だったに違いありません。
 その後,農地を更に確保し,現在は1.5haにまで面積を拡大しています。また,現在は露地栽培のため雨が降ると播種ができなくなったり,湿害等により生育も不安定になってしまうので,国の補助事業等を活用しながらパイプハウスの導入による施設も計画しています。まだまだ険しい道のりですが,北釜耕人会の皆さんは復興に向け一歩ずつ歩み始めました。

連絡先:亘理農業改良普及センター 0223-34-1141
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