ナイチンゲールの沈黙＆螺鈿迷宮

『チーム・バチスタの栄光』が面白かったので予約していた海堂尊氏の『ナイチンゲールの沈黙』と『螺鈿迷宮』が立て続けに届いたので読みました。

『ナイチンゲールの沈黙』
今回は小児科病棟の眼球に発生する癌網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たちとその看護士である浜田小夜を軸に物語が廻ります。
患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正と白鳥の関係が面白く書かれていますが、前回ほどのインパクトがありませんでした。
歌姫物語？

『螺鈿迷宮』
初めて白鳥の部下である氷姫が登場。
ちょっとイメージが違いました。
桜宮病院と東城大学病院の２つをとおして、厚生省主導で動く現代の末期医療の問題点を考えさせられます。
田口先生もほとんど登場せず、白鳥の冴えもそれほど感じられず、『アンラッキー・トルネード』の天馬君中心なので、田口＆白鳥ペアの活躍した『チーム・バチスタ』からはかけ離れた作品。

登場人物はそこそこ出来ていますが、思いつきで作ったキャラクターが多く、底が浅くなっている感じ。狂言回しが力不足で廻しきれていない印象です。
『ナイチンゲールの沈黙』と『螺鈿迷宮』は微妙にシンクロしているようで作者のメッセージ性が高い分、すでにミステリーではないような・・・
どちらもそれなりに読ませますが、☆３つくらい。