仮想通貨は面白い発想だ

　インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」が問題になっている。「ビットコイン」がどういう仕組みで運営されているのか知らないが、面白い発想だと思う。考え出した人は日本人という。世の中には凄い人がいるものだ。貨幣が生まれる前は、物と物を交換していた。交換することによって必要の物を、必要でない物と取り替えるわけだから、豊かさを手に入れることになる。

　物と物を交換する媒体になったものが貨幣で、わざわざ物を持ち歩かなくても、貨幣で必要な物を手に入れるという画期的なシステムが出来上がった。このシステムを最初に作り出したのはどこの国なのだろう。国という保障がなければ、貨幣は流通することはできなかっただろう。「ビットコイン」は仮想通貨で、国が保障しているわけではない。逆に見れば、国の保障なしに物が流通するシステムが生まれたことになる。

　各国政府は自国の通貨の価値が下がることを警戒する。そのための経済政策を押し進めるが、「ビットコイン」は国を超えた通貨だから、政府の権限が及ばない。これは世界経済を支配している政府や金融にとっては脅威だろう。「ビットコイン」は麻薬などの犯罪やブラックマネー隠しに使われると懸念されているが、「ビットコイン」の使い方を厳密にすることで解決するだろうから、「ビットコイン」の存在が邪魔な人々によって炎上されたのだと思う。

　ソチ・オリンピックを見ても、世界はどんどん１つになろうとしている。各国、各民族の伝統を継承しながら、世界中が洋服を着ているように、同じようになりつつある。フランスはヨーロッパの覇者として、アメリカ文化であるディズニーランドの建設に抵抗してきた。逆に中国にはディズニーまがいが公然と存在する。パソコンが生まれ、インターネットで結ばれると、ほとんどの地域で瞬時に情報を共有できる。

　各国政府は、自国のつまりは現政権の利益のために、インターネットを規制しようとしているけれど、おそらくイタチごっこになるだろう。インターネットは面白いスキルだ。人類が予想できなかった革命的な世界が生まれつつあるのかも知れない。