「市民が2人以上集まって何かをすれば、協働になるのですか?」と、会場から質問が飛んだ。コメンテーターの岩崎恭典・四日市大学教授は、「ええ、それでよいと思います。そしてその輪が広がり、地域の役に立つようになればもっとよいでしょう」と言う。今日の市民協働フォーラムでの1場面だ。質問者は早朝の広場に集まってラジオ体操を行なっている、レクリエーション協会、太鼓クラブ、演劇クラブなど、実に多様な市民活動を行なっている。
質問者が聞きたかったことは、市民協働を行なっている団体に対して、市が補助金などの支援をしているが、その基準は何か、ということにあったようだ。補助金を受けられた団体とカットされた団体や申請できなかった団体で、この辺りの受け止め方が違っているようだ。市民協働について市の担当者が、「協働には2つある。1つはみんなでやる。もう1つは市役所が市民にお願いしてやっていただく。市の方からやっていただこうとすると、市民は市にやらされていると受け止めるので、NPOやボランティアをつくり、その人たちが市民に呼びかけるのがいいと思う」とまとめた。
しかし、そもそも協働とは何だろう。今日の岩崎先生は随分力が入っていた。私たち無党派・市民派の議員の勉強会で話していただいた時よりも、明確で力強かった。市民自治が将来を決めると確信していた。岩崎先生の基調講演は、人口問題から始まった。2005年をピークに日本の人口は減少している。1995年に生産年齢人口はピークを迎え、以降、税収は減少となった。つまり右肩上がり型の行政では行き詰まることが明白になった。行政の施策の中で維持するものとしないものを選択する必要が生まれてきた。市民主権による新たなまちづくりの時代に入ったというのである。
行政が担わなければならないのはセーフティーネットだと岩崎先生は言う。それ以外の部分、地域住民の自己決定権を拡充し、「地域のことは地域に任せる」仕組みが必要で、協働はその新しい仕組みへと向かう道と考えているようだ。しかしまだ、行政にも市民にも「協働」はよく理解されていない。とりあえずは市民が立ち上げた団体に行政は物心両面で支援して欲しいと思うけれど、お金は無いわけだからまず行政が持っている施設や用具を提供して欲しい。真摯に相談にのってくれることもお願いしたい。
ボチボチやっていくことが大事だろう。その過程で出てくる問題に、行政は市民の側に身を置いて、解決に協力して欲しいと思う。
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