友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

やっと帰ってきました

2012年03月20日 14時36分07秒 | Weblog

 突然休んでしまい、申し訳ありません。昨日、やっと戻ってきました。1週間ぶりの我が家です。心配したコメントが来ているかと、早速パソコンに向かったのに何もありません。そんなことを期待している私の方が子どもっぽいと気付きました。考えてみれば私自身、友だちのブログが長い間更新されなかった時、騒がずに時の来るのを待とう、それが大人の態度だろうと思っていました。この1週間の詳しいことはまたいつか、別の機会に触れたいと思っています。

 人生には、何かが突然に起きることがある。じわじわと準備されてきたことなのかも知れないが、本人にとっては全く予期していないことで、驚いているのになぜか素直に現実を受け入れてしまっている。私は最近、逆らっても仕方がないと思うことが多い。諦めるというわけではない。何度も言うけれど、戦争はどんな理由があっても反対だ。だからいつまでもそう言い続ける。格差の小さな社会にしようと言い続ける。けれども、歴史の流れはそうなってはいかない。いかないから言わなくてもいいとは思えない。

 中日新聞のコラム『けさのことば』を連載していた歌人、岡井隆氏の著書『わが告白』の中に「会議で臨席の女性とごく事務的な話をかわしていた。会議が長引いて自宅に帰れなくなった。臨席の女性と一度だけ関係する。男は冷静で物静かだが、その時ある閾をこえた」という夢の話がある。私は「閾(しきみ・しきい)」が読めなくて、よく覚えている。なぜ、この夢の話が書かれているのか分からないが、人生には思いもよらないことが起きるということなのかも知れない。

 岡井氏はアララギの歌人で、NHKや新聞社の短歌教室の講師であり選者である。一度講演を聴きに行ったが、岡井ファンがたくさんいてビックリした。名古屋出身の岡井氏はキリスト者で、医学部の学生だった頃は日本共産党のシンパだったのか、地下に潜り権力を奪取する方針に従っていたようだ。今は、宮内庁の御用掛となって、天皇や皇后の歌の指導をしている。私は岡井氏の経歴など全く知らなかったが、とにかく短歌の世界ではトップにいる人なので、岩波新書の『短歌の世界』を読み、次に私的な部分から学ぶものをと思って『わが告白』を読んだ。

 この本は昨年の12月に発行されているので、最後の章には3・11についても書かれている。そこには「原子核の構造を探り当て、そこから巨大なエネルギーを解放するための理論と方法をあみ出した人間の英知に無限のあこがれを抱いてきた」とある。「原子力という人類がやっと手に入れた最高の宝を魔女裁判にかけてはいけない」「自然は、制御不可能で、上手につき合う他ないが、原子力など人間の造ったものは努力すればコントロール可能である」。

 3月16日に詩人で思想家の吉本隆明氏が亡くなった。全共闘世代には神様のような人だったが、「反原発は人間の進歩性、学問の進歩を否定するものだ」と批判し、「原発はどんなに危なくて退廃的であっても否定することはできない」と発言している。岡井氏は82歳、吉本氏は87歳、ボケたのかと思ったけれど、共に理系の人で、原発に対する認識は似ている。ふたりは人間の知恵を信じている。私は全く逆で、人間の情を信じている。

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