友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

『中学生日記』の最終回

2012年03月21日 18時12分15秒 | Weblog

 NHKで長く放送されてきたドラマ『中学生日記』が昨日、最終回を迎えた。昨日のテーマは「命」で、「いじめ」を取り上げていた。最終回にふさわしく、この番組から俳優の道に進んだ竹下景子や加藤晴彦なども出ていたが、重い問題によくぞ取り組んだと思った。卒業式を直前にした中学3年のクラスで2つの陰湿ないじめが行われていた。1つは、卒業式で歌う合唱の指揮をする女生徒に対して、「あんたの指揮じゃー歌わないからね」というもの。もう1つは、小さい時から身体が小さくてみんなにオモチャ扱いにされている男生徒に対する執拗過ぎるほどのいじめ。

 女生徒は卒業式で立派な合唱を聞かせたい気持ちから、「もっと大きな声を出して」とクラスメイトに厳しく当たってしまう。女子の中には猛烈に反発するグループがあって、歌おうとしない。担任が中に入って、何とかまとめようとする。反発していたグループは「ちょっとしたケンカだけ」と言い、「ごめん」と仲直りを申し出る。「あんなに言ってるんだから、許してやってよ」とクラスメイトも言う。担任もこれで万事納まったと思う。しかし、反発していた女子は「式では歌わないからね」と彼女に向かって釘を刺す。

 担任はいじめの問題をクラス全員にあからさまにして問いかけた。相手は中学生だ、これでは何も解決しないだろと思った。じゃあ、どうすればいいのか、問題がどこにあるのか、個別に当たって聞くことから始めることかなと思う。けれど、実際はケースバイケースで、この方法でいいというものはない。教師の情熱は大切だけれど、冷静さを失ったら何も見えないし、タイミングが悪かったり、時間が長引けば事態は悪化する。教師が無関心であったり、逆に過剰に反応すれば、問題はますます解決しないだろう。「いじめ」は一生涯続くわけではないけれど、受ける側はこんなことが一生涯続くのかと思ってしまう。

 だから男生徒の方は、死のうと思っている。毎日、繰り返されるいじめと実行者を克明に記録し、自分が死んだらこの手帳がきっとあだ討ちをしてくれる。いじめをしている連中に立ち向かうことは出来なくても、死を持って復讐してやるのだと決意している。彼のことも担任はクラス全員に「死のうとしてるんだぞ」と訴える。いじめを受けていた男生徒に担任は「困ったことがあったら相談してくれ」と言う。彼は「いじめはなくなるのか」と問う。「先生に言ってもいじめはなくならない」と言う。彼が言うようにいじめはなくならないのかも知れない。けれども、これほどの陰湿ないじめを食い止めることは出来るだろう。

 いつの時代にも、どこの国にも、どんな場所でも「いじめ」はあったのかも知れない。いじめている方は意外なことに気が付いていない。だからこれは、価値観や生き方の問題なのだろう。先日、『世界で一番受けたい授業』というので、オランダが取り上げられていた。オランダの学校ではカリキュラムがない。好きなことをやっていく。「どうして同じことをしないのか?」と子どもたちに聞くと、「勉強の好きな子もいれば、運動や音楽の方が好きな子もいる。みんな違っている」と答える。テストはあるが、「点数は気にする必要はない。だって、みんな違うんだから」と言う。「勉強は自分のためにするんだよ」とまで言うのだからビックリする。

 オランダにいじめはないと言い切れないが、いじめるよりも仲良くしていた方が気持ちいいという空気は日本よりも多いだろうと思った。「親の役割は、子どもが何になりたいか、そのためにどうするのか、応援し支えることだ」とオランダの親は言う。

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