なかなか咳が止まらない。熱はないし、頭が痛いとか、身体がだるいとか、特別な症状は見られないが、来週は誕生日会の北海道旅行がある。ゴホン、ゴホン、やっていてはみんなに迷惑だ。今日の午前中しかないと決意して、かかりつけの医者に診てもらった。「(先回の)薬がなくなった時点で来なくちゃーダメですよ」と注意を受けた。どうせ叱られるならと思って、「これから忘年会が続くのですが?」と聞いてみた。
「お酒が薬を強めることもありますから、注意して飲みすぎなければいいでしょう」と期待通りの答えをしてくれる。私は「はい、分かりました。ありがとうございます」と礼をするが、「ほどほどにって、どういうことなのだろう」と考える。歳を取って、無茶な飲み方はしなくなったが、酒は雰囲気で飲むものだから、ほどほどの程度が分からない。まあー、分からなくても構わない歳になったとも言える。
私が新任から6年ほど勤めた工業高校の卒業生から、展覧会の誘いがあった。卒業生の展示を見る前に、高校の卒業展を観ておくべきだろうと思って県美術館へ出かけた。見せてもらって驚いた。以前とは全く趣が違っていた。製作能力も表現力のかなり高くなっている。おそらく指導する先生たちが大きく入れ替わったのだろう。受付は私が勤めていた時から助手として働いていた女性だったから、「レベル高くなったね」と話しかけると、「自分はできると錯覚してしまう子が多くて困るのよ」と言う。
「自信を持つのはいいことだよ」と言い返すと、「受けても受けても不合格なんだから」と彼女は嘆く。それは就職指導の問題のような気がするが、学校のことも、子どもたちの現実も、私は知らないのだから、センスのいい作品が多くなったと感心するのは、私の勝手な自己満足かも知れない。「デザインはアートではない。芸術家はいらない」と昔の先生は言っていた。デザインは職人仕事ではあるが、芸術家気取りの面を持っていなければ新しいものは造れないと、私は思っていたので昔の先生の考えを受け入れることができなかった。
今年の卒業制作を見せてもらって、私はとても嬉しかった。苦難はいつもやってくる。何をどう表現するか、永遠に迫りくるよと教えてあげたい。これはどんなに年老いても、全く変わらない。さて、明日は長女のところでクリスマス会。ブログは休みます。