↑ 2018/11/10 撮影… 11月の佇まい
〃…カンギク
〃…ツワブキ
〃…マルバノキ
今月に入って立冬を迎えても、
どこかのんびりとした、
春のような穏やかで暖かい日が続いて、
白糸草が季節外れの花を付け、
鉦叩きがあちらこちらで鳴いていました。
中旬になって、
四季を楽しませてくれた
紅マンサク・紅枝垂れ・満天星・吊り花・タラノ木などの、
木々の紅葉が始まると共に、
鉦叩きの声も次第にか細くなって
ついには聞こえなくなってしまいました。
いっときは美しく装った木々たちも、
そのうち葉をすっかり落とてしまうと思うと物悲しさを感じますが、
春に備えて葉芽や花芽を付けているすがたを見ますと、
11月の澄んだ冷たい空気にも、
まだやさしさが残っているように思われます。
草庭での立木(たちき)の句 ・・・・・・みなみ
・蠟梅やこれからのこと胸のうち
・もてなしの天婦羅にまづ楤の芽を
・いちりんのほころびかけて冴え返る
・白梅の散る青空のしづかなる
・くろもじの花夕影のやすらぎに
・木苺の花咲きて雨やはらかし
・小雨やみ沈丁の香のことのほか
・奥の間はあるじの書斎藪椿
・山吹の伸び放題に揺れてをり
・やはらかに話をかはす濃山吹
・花ゆずの風けさの箸新しく
・亡き姉を近くに想ふ郁子の花
・あをあをと泰山木の香の降りぬ
・早朝のしんと泰山木の花
・本降りになるといふ雨実梅落つ
・父の忌のやさしき雨に沙羅の花
・迷い来し猫の逝くなり花さびた
・すつぽりと木犀の香のただ中に
・初紅葉たれぞ訪ねて来るような
・隣よりもの刻む音萩の花
・実紫いろ定まりて入院す
・敷松葉敷く指先の昏れゆきぬ
・母とゐる刻ゆるやかにお茶の花
・茶の花暮れて母の香の衣をたたむ
・冬の薔薇日向のほてりとどめをり
・禁煙をはじめて四日花八つ手
・ひつそりと冷えて朝日の紅葉かな
・また別の猫通り過ぐ枇杷の花
・冬木立小さきちさき星二つ
・万両のよく実りたる年といふ
・万両のみな啄まれ寒に入る
< 芽生えや蕾・花 など 2018/11/10 撮影 >