
↑ ヤブカラシの花
◉ 貧乏蔓 (びんぼうかずら)
学荒ぶヒマラヤシーダへ藪からし ・・・・・ 中村草田男 [銀河依然]
月の出て蔓先潤ふ藪からし ・・・・・ 岸田稚魚 [負け犬]
青虫の肥えて露吸ふやぶからし ・・・・・ 稲葉松影女 (雲母)
繁殖力が強く
至るところに生え、
巻き鬚を絡ませて木などを登り
覆ってしまいます。
茎や葉には独特のにおいがあり、
抜いてもなかなか根絶できない
厄介なものです。
[ ブドウ科ヤブガラシ属の蔓性多年草 ]
藪からし北へ北へと雲とびて ・・・・・ みなみ
ヤブガラシ (藪枯らし )
日本では、
各地の平地や丘などの藪や生垣などに
見られます。
長く伸びた地下茎の
ところどころから出た芽が
蔓性の茎となって成長します。
草丈は、2~4m。
巻きひげは葉に対生して付き、2分します。
葉は柄をもち、
鳥足状複葉で5個の小葉に分かれ、互生します。
花期は、6~8月。
葉腋から出た上が平らな散状の集散花序に
淡緑色の小花を多数つけます。
短い柄のある花径5㎜位の4花弁です。
花弁が落ちると
白い雌蕊と淡朱色の花盤が残ります。
果実は液果です。
夏から秋の間の全草を天日に干し、
生薬の烏瀲苺(うれんぼ)として
利尿・鎮痛・神経痛・解毒・虫刺されなどに用います。
葉になる前の芽先の軟らかいところを
塩を入れた湯でゆで、
何度も水をかえアクを抜き、
含め煮や三杯酢にして食べるそうです。
名は、繁茂して藪さえも枯らしてしまうことから
付いたそうです。