ー しをり戸の「山野草の育て方」解説 -
育て方の一例です。
○耐寒性と耐暑性について。( 関東地方を目安 )
耐寒性 : 強 は、……寒さに強いので、対策は不要です。
中 は、……冬期は霜よけや風除けが必要です。
弱 は、……寒さに弱いので、凍らないように保護が必要です。
寒冷地での屋外の栽培は難しいようです。
耐暑性 : 強 は、……暑さに強いので対策は不要です。
中 は、……夏期は日よけ、半日陰や風通しの良い場所に置くことなど必要です。
弱 は、……暑さに弱いので、涼しくする対策が必要です。
暖地での栽培は難しいようです。
○日照について。( 植物が好む鉢の置き場所 )
日向は、………1日中日当たりがよい場所です。
一般に野草系の多くのものは日光を好みます。
半日陰は、……午前中に日の当たる場所や落葉樹の下などです。
夏越しの時には、高山植物系・山草系のものは葉焼けを起こし枯れやすいので、
遮光して育てるか、明るい日陰に置きます。
日陰は、………1日中直射日光が当たらないで、間接光しか当たらないような場所です。
遮光したり、建物の北側に置いて日に当てないようにします。
○植え付けの適期について。
一般には、
「春」咲きの植物は、………… 花後すぐまたは秋の彼岸~10月頃が適期です。
「夏・秋」咲きの植物 は、… 春の3~4月上旬が適期です。
○用土について。
・使用する主な用土です。
基本の用土……硬質赤玉土(小)、硬質鹿沼土(小)、黒土、軽石、山砂 (桐生砂・富士砂・蝦夷砂・
ひゅうが土・ 十和田砂) 、ケト土、荒木田土、水ゴケなど。
改良用土……… 腐葉土、バミキュライト、ピートモス、パーライト、くん炭、バークチップなど。
また市販の山野草培養土や草花用培養土、ユリやランなどの専用土、水生植物用土も便利です。
・水ゴケは、湿地性の植物などに戻して使用します。
・腐葉土は、暑さに弱い高山性・山草などには、夏に蒸れる原因となるので一般に用いません。
・用土の混合は、地方や栽培する人また植物の種類によつて異なります。
・用土は基本的に混合して使用します。
高山性のものは、…… 砂礫(されき)地に多く生育しているので、
蒸れを防ぐ水はけのよい用土に植えます。
鹿沼土(小粒)・桐生砂(小粒)・軽石(小粒) 等量の混合土。
山草は、………………… 亜高山に多く生育しているので、
水はけも保水もよい用土に植えます。
赤玉土(小粒)・鹿沼土(小粒)・軽石(小粒) 等量の混合土。
野草は、…………………低地に多く生育し、丈夫なので、肥沃な用土で植えます。
赤玉土(小粒)4・鹿沼土(小粒)4・軽石(小粒)2の混合土+ 腐葉土1 。
湿生植物は、………… 湿地や湿原、溜池畔や水田・休耕田・用水路など、
水辺の湿潤なところに自生して、常に水に浸かっていなくても育つので、
水持ちのよい用土や水ゴケに植えます。
(モウセンゴケ・サギソウ・チゴザサ・ハリイ・セリ・ヤナギタデなど)
水生植物は、………… 水生植物とは、発芽が水底で行われ、植物体が水中に生育するものや
または抽水状態で長期にわたって生育するもので、
荒木田土や 水生植物用土など販売されています。
(ショウブ・ガマ類・カキツバタ・ミツガシワ・コウホネなど)
着生植物は、………… 岩石・樹木などに付着して生育しているので、
おもに水ゴケに植えます。他にヘゴ材や軽石・流木なども用います。
*「しをり戸の用土」の基本配合ついて。
鉢植えは、およそ
「硬質赤玉土(小粒)5・硬質鹿沼土(小粒) 4 ・ 日向土または軽石(小粒)2 の混合土 + 腐葉土1」
ですが、植物の種類に合わせて桐生砂・富士砂や水ゴケの刻みを用いたり、
腐葉土を除いたりしています。
鉢にあわせて鉢底石に軽石や日向土なども使ったりしています。
露地植えは、
・高山性のものは、山草の花壇(エリア)に植穴を掘って、
その植物に適した配合の土を使用します。
・山草は、林床の植物に適した用土で山草のエリア(花壇)を作っています。
赤玉土(小粒)4・鹿沼土(小粒)4・軽石(小粒)1~2の混合土 +バーク堆肥・腐葉土1
・野草は、平地の植物に適した用土で野草のエリアにしています。
掘り上げた土に、堆肥や腐葉土を3割ほど混ぜ込んでよく天地します。
○肥料について。
元肥……植え付け時に与えます。
ゆっくりと長く効くものが適しています。
中~長期型の緩効性化成肥料や油カスなどの遅効性有機肥料。
追肥……生育期や開花中など、植物の生長に合わせて与えます。
すぐ効果が出るものが適しています。
置き肥……油カスと骨粉などの固形肥料。
花後と秋に1回、又は芽出し~枯れるまでの生育期に2~3回。
液肥………液体肥料をそのまま与えるものと、
水で薄めた1000~3000の培希釈液を与えるものとがありす。
緩効性化成肥料なら1カ月に一度程度が目安です。
希釈液は1~2週間に1回。(芽出し~枯れるまでの生育期に月2~3回)。
お礼肥え…花後に与えます。
回復させるのにすぐに養分を補給する即効性のものが適しています。
水で薄めた液肥や小さめの粒状化成肥料(マグァンプKなど)を撒きます。
活力剤……弱っている時に与えます。
活力剤にはHB-101、ルートン、バイオゴールドなどがあります。
○鉢について。
・選び方と使い方
向いている鉢は、通気性・排水性があって、 ある程度の保湿もある駄温鉢や焼き締め鉢です。
一般に通気性のある陶器がよく、高台の一部に切れ込みのあるもの。
株の大きさに対して,鉢は小さめのものが適当です。鉢が大きすぎると根がよく伸びません。
植えるものの特徴、水を好む・好まない、根がよく伸びる・伸びないなどで鉢の形を決めます。
花色と同系色の鉢も好ましくありません。落ち着いた茶色や褐色系が広く使われています。
一度使った鉢は内側が強酸性化しているので、よく水洗いします。
鉢は湿らせてから用います。
・用途に合わせて、大きく作り鉢(栽培用)と鑑賞鉢の2つに分けて考えられます。
作り鉢……素焼き鉢や駄温鉢、実生苗などを育てるプラスチックの鉢などです。
鑑賞鉢……焼き締め鉢(伝市鉢・欅鉢・信楽鉢・備前焼き)や釉薬鉢があります。
・鉢の種類。
楕円か丸鉢が原則です。
平鉢………根ばりの浅いもの、細く長い根のものなどを植えることが出来ます。
浅鉢………小型の山野草など。
中鉢………最も一般的で大方のもを植えられます。
中深鉢……高山性のものや浅根性のもので、
極端に乾燥を嫌うものや根灼けを防ぐ必要があるものに使います。
深鉢………山草。太く大きい根のものに使います。
蘭鉢………寒蘭・春蘭などです。
水鉢………水生植物用です。
○植え替えの頻度について。
鉢植えは、
生育の旺盛な種は、1年に1度。株の生育や性質よっては、2~3年に1度植え替えます。
地植えは、
5年くらいをめどに、別の場所に植え替えるか、
天地した用土に肥料や堆肥や腐葉土を混ぜ込み用います。
○増殖について。
株分け、実生、根茎の根伏せ、分球、ムカゴ、挿し芽・挿し木・葉挿し、胞子播きなど。
株分け……大株になったものを2~3株それぞれに新芽が残るように分けます。
時期は植え替えの時期とほとんど同じですが、
秋は株を細分しすぎないように配慮します。
分球………自然分球は、自然にできた子球を新たに植え付ける方法です。(スイセン・ムスカリ)
切断分球は、大きく育った球根を掘り上げて乾燥させ、
ピートモスなどに入れて保存した後、
芽がついているところを1球としてナイフで幾つかに分け、
植え付ける方法です。(カラー・カンナ)
鱗片挿しは、鱗片を1枚ずつ球根からはがして個別に育てる方法のことです。(ユリ)
ムカゴ……ムカゴを採ってすぐに播き床に浅く植え付けます。
挿し芽・挿し木・葉挿し………
春の彼岸の頃~梅雨頃までと秋の彼岸の頃が適期です。
挿し芽や挿し木は、
その年に伸びたよい枝や茎を2~3節付けて切り、
水揚げをして床にさし、たっぷり水を与え、
2~3週間明るい日陰に置き、発芽させて新株を作ります。
葉挿しは、花後に葉柄を付けて切り取り、床にさし、たっぷり水を与えます。
(イワタバコ・スミレ・ダイモンジソウ・サクラソウなど)
実生………種を播いて育てます。
「取り播き」とは、採種した種をすぐに播きます。
一般に秋に採種したものを保管して春に播きますが、
時間が経つと発芽しにくくなる種子などです。
種を播く場所によって、「直まき」と「床まき」の2つの方法があります。
直まき………植物を育てたい場所に直接種を播くことで、
植え替えしないことを前提にして、花壇やコンテナ・プランター・
鉢などに 種を播いて育てます。
・種の粒が大きいもの。
(ヒマワリ・コスモス・アサガオなど)
・直根性で移植を嫌う草花の種。
(チューリップ・ヒヤシンス・ケイトウ)
・またポピーのように移植が苦手なもの。
などが向いています。
⓵事前に土に肥料を施しておく→⓶播種→ ⓷発芽
苗が根づいて生長を始めたら、薄い液肥を施します。
床まきは……播いた種がある程度の大きさになったら植え替えを前提にして、
定植する場所と違うところの苗床(なえどこ)に、
発芽まで日数がかかる種や細かい種・貴重な種を播いて育てます。
苗床の育苗箱や植木鉢、底に排水穴を空けたトロ箱・ビニールポット・
イチゴパックなどに土を敷いて種を播きます。
・箱まきは、植えかえ回数が2回です。
・ポットまきは、植えかえ回数が1回です。
種を播く方法には、「点まき」と「すじまき」と「ばらまき」の3種類があります。
点まきは………タネの間を一定の間隔離して穴を作り、1ヶ所に2〜6粒位まく方法で、
タネの大きい枝豆、そら豆、豆類やその他大根白菜など。
ポットまきにこの方法が利用されます。
すじまきは……うねにまき溝を板などで作りまく方法で一般的な播き方。
管理がしやすいので広く用いられ、
ホウレンソウ、コマツナ、ニンジンなどに適しています。
ばらまきは……平らにしたうね全面にまく方法で、生育期間の短い野菜に適しています。
種の大きさや性質に応じて、まく容器やまき方を使い分けます。
○病害虫について。
品種によってかかり易い病害虫が違いますので、
普段からよく観察して発生したらそれに即した薬剤散布を行います。
病気……… 本来の葉の色が変化し、斑やこぶを生じ、葉の委縮や肥大が見えたりします。
(球根腐敗病やウイルス病・軟腐病・炭そ病など)
虫の害 ……葉に傷となって現れます。
(アブラムシ・ナメクジ・ヨトウ虫など)
○潅水について。
一般に鉢植えは、
春・秋………表土が乾いたら、鉢底から水が出るくらいたっぷり与えるます。
(1~2日に1回程度)
夏…………… 暑がりますので、用土の乾き具合を見ながら与えます。
(1日に1回~2回)
冬…………… 表土が乾いたら、水をたっぷり与えます。
冬は地面が凍りやすいので、寒い時刻、早朝や夕刻に水をやるのは避け、
やや昼に近い午前中が適切です。
休眠期………控えめに与えます。
表土が乾いて、鉢の土が乾ききらない位で、たっぷりと水を与えます。
地植えは、
一般に夏の高温乾燥期以外には、乾燥が激しい場所でない限り水を与える必要はありません。
土中の休眠期の球根の多くは乾燥してもいいのですが、
中には乾燥をさせないユリやカンナなどがあります。
高山性のものは、過剰な水やりに注意します。
イワヒバなどは、葉水を表土が乾いたら水たっぷり与えます。
○植え替えについて。
・根を切り詰める際は、太い旧根だけを根元から切り落とし、長く伸び根を切り縮め、
細い根や根毛を残すようにして新根を発生させ、植物の若返りを促します。
・植え替え後は、直射日光や強い風の当たらない明るい日陰に1~2週間ほど置き、
風通しの良い場所に置き、元気な状態を保ちます。
・新たに持ち込む鉢植えは、消毒をします。
○その他の管理
花がら摘み………… 実を付けると株が疲れたり、
また枯れた花弁が病気を誘発する場合があります。
切り戻し・摘心……株の姿を綺麗に保ちます。
切り戻しは………宿根草は、成長期にある程度枝を刈り込むように切り戻します。 下葉がまだ元気なうちにわき芽の少し上あたりで切り戻します。
春~夏植え・一年草は、梅雨直前が適期です。
摘心は……………茎先を摘んで、必要以上に伸びるのを止め、
分枝を促すためや形を整えるために行います。
成長期ならばいつでも可能です。