ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

上質の草履と下駄の専門店。祇園「ちょぼや」。履きやすく、脱いでも美しい、京都らしい草履

2013-10-21 | お気に入りの品

京都八坂神社の西側エリアの祇園は、舞妓さんがいる花街として有名な場所。ミモロもよくお散歩に出かけます。
四条通沿いに紅色の壁が続く『一力茶屋』の前、花見小路を、北側に進むと、古びた風情漂う1軒のお店があります。

店の表には、草履や下駄が並ぶ履物屋さんです。のれんを見たミモロ「点や?」。いいえ「ちょぼや」と読みます。
「わーかわいいお草履…ミモロも欲しいなぁ…」と、店先に並ぶ赤い子供用の草履に憧れの眼差しを注ぎます。「ここに来るときは、やっぱり足袋持って来よう…」ということで、この日は、家に戻ることに…。

さて、後日、改めて「ちょぼや」さんを着物持参で訪れたミモロです。

創業は、昭和29年。ここでは、分業で作られた草履や下駄に鼻緒をすげて仕上げる仕事が行われます。初代の櫻井義雄さんから、現在、息子の櫻井功さんが、二代目としてお店を守ります。すでに築80年以上は経っている言う風情あるお店の建物。中央に座る功さんの周りにグルリと草履が飾られています。

「わーキレイな草履…いろんな色と種類があるんだー」とズラリと並ぶ草履を見まわします。

京都は、友禅やお召しなど、どこか華やかで、艶っぽい着物が好まれます。それに合う草履も、しっとりとした色香が漂うよう。

まず、草履の選び方を伺うことに…
「うちの草履は、サイズはひとつだけ。極端に小さいとか大きい場合は、別注になりますが、22センチから24センチくらいなら、十分に対応します。足は、足袋に包まれていますから、草履からはみ出すのは当たり前です。
草履は、脱いだ時のことも考えなくて…。もしお茶会などで、ズラリと草履が並ぶとき、大きいと目立って、具合悪いのと違いますかー。脱いだ時、スッキリ見えることも大切ですねー」
・よく草履をはくと、足が痛くなるんですけど…
「それは、鼻緒のすげ方の問題。同じ大きさの草履ですから、それぞれの人に合うように、鼻緒のすげ方を調整しないといけません。うちでは、実際に履いてもらって、具合を調整しながら鼻緒をすげます。だから、他の場所で商売ができないんですよー。ここに来てもらわないと…」おひとりおひとりに、丁寧に鼻緒をすげるための、先代から使いこなされた台。古びた台に、お客様を大切にする心が映し出されているようです。

百貨店などにも一切お店はださないという「ちょぼや」さん。創業以来、祇園だけでなく、全国から、有名人や文化人など多く人が「ここの草履じゃないと…」と、贔屓にし、通い続けるお店です。


着物姿で、見える部分は少なくても、草履が決まらないと、全体のバランスが崩れてしまう重要なポイントの草履。
サイズは同じでも、高さの違いで印象も異なります。

高さの違いは、その人の背の高さの差だけでなく、好みで選べばいいそう。留袖や附下だから高いものということはないそうです。でも、着物は、あまりノッポでは、どうもバランスが…。

「色は、やっぱり年齢が関係するなぁー」と。写真でわかりにくいかもしれませんが、
一見、同じような赤い草履も、左側は、やや明るめで、せいぜい30代まで、右側は、落ち着いた赤で、それ以上の年齢の人向きです。「キャー微妙ー」「やっぱり若作りはあきまへんなぁー」

「あのー草履探してるんですけど…合うのありますか?」と遠慮がちに尋ねるミモロ。「どれどれ、ちょっと見せてください…フムフム」「この足は、むずかしい…」と。でも諦め切れないミモロは、振袖に着替えて、せめて雰囲気だけでも味わうことに…。「色は、こんなんが合うけどなぁー」「ウン、こんな色いいなぁー」とミモロ。でも、「あかん、大きすぎや…」とご店主も匙を投げます。ガッカリ…

ミモロ、あきらめなさい…「うーでも…」と、今度は、子供用の草履にトライ。「どう?カワイイ?」確かにカワイイけどやっぱり大きすぎ…。


お店には、お宮参り用の小さな布製の赤い草履やぽっくりが。
東京では、ぽっくりと呼びますが、京都では「おこぼ」と呼ばれます。その小さなおこぼの中には、鈴が…。
歩くたびに、リンリンと可愛らしい音を出します。「こんなんで歩いたら、楽しいねー」とミモロは、ますます憧れます。
七五三のお祝いにもぴったりのお品です。

舞妓さんが履くぽっくり、おぼこ。桐の木材をくりぬいて作ります。完成には、1年以上かかるそう。軽量な桐と言えども、かなりの重さ…。「だらりの帯に、お着物・・・簪…それから、このぽっくり…すごく重いんじゃないの?」とミモロは、改めて舞妓さんって大変なんだと思います。やっぱり若くなくちゃできないようです。

実は、最近は、舞妓さんのおこぼ姿は、特別な時以外、減少傾向にあるとか…。普段の移動は、草履…またホテルなど絨毯敷きの場所では、絨毯が痛む…という理由から、履くのを遠慮する傾向も…。でも舞妓さんには、ぽっくり。バランスの美しさは、他では叶えることができません。

「そうだよー。だって『へえおおきにー』って、ご挨拶するとき、ポックリ履いてないと、だらりの帯が、地面に着いちゃうかもよー」と、また細かいところを気にするミモロです。

三代目となるご店主。「レ・モンターニュ」とのコラボで実現した斬新な柄の草履を発表。伝統の中に、新しい風が吹きます。

「ここのお草履履きたいなぁーでも、足が小さすぎるしー」と、最後までブツブツ言い続けたミモロでした。


*「ちょぼや」京都市東山区富永町116 花見小路四条上ル西側 075-561-5584 営業時間11:30~20:00 不定休

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5 コメント

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ちょぼや、さん (がちゃぴー)
2013-10-21 18:26:27
可愛い名前のお店ですね。

草履は 履いていて痛くてつらそうと思っていたけど、きちんと調整すれば大丈夫なんだねー
ミモロちゃんの 着物姿はとても可愛いです。今日初めて気付きましたが きちんとお草履をお召しなんですね。
さすが日本ネコちゃん!
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Unknown (竹口のおばちゃん)
2013-10-22 17:03:17
「ちょぼや」さんの草履が履きたい、と
思うのですけど、なかなか買えませんねぇ。   ステイタスですねぇ。

なんぼ、名人でも、ミモロちゃんの草履を
作るのは至難の技やろねぇ。
でも、名人とじっくり、おしゃべり出来るミモロちゃんて、スゴイなぁ。
場慣れしてると言うか...
返信する
ステキなお草履 (mimoro)
2013-10-22 21:31:51
はい、ミモロ、ちゃんとお草履履いてます。
だって京都に暮らしてるネコだよー。
きちんとお着物きなくちゃねー。

「ちょぼや」さんのお草履、スッキリしててステキ、
ミモロも憧れてるんだけど・・・あまりに小さすぎて無理。ガッカリ・・・。

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ありがとうございました (choboya)
2013-10-28 23:39:09
ミモロちゃん、着物でおめかしして
ヽやに遊びに来てくださり、ありがとうございました!

11月16日(土)、17日(日)ギャラリー空・鍵屋での
新作展にも是非お立ち寄りください。
お待ちしています~。

プティ・タ・プティ【Les Montagnes】 + ヽや 新作展
https://www.facebook.com/events/1394502034111685/
返信する
お世話になりましたー (mimoro)
2013-10-30 01:34:18
ミモロのお草履は、見つからなくて、ちょっと残念だったけど、素敵な品がたくさんあって、お友達に教えてあげました。
ギャラリーにもぜひ、伺いますね。
どうもありがとうございました。
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