さて、2月7日まで「京の二十四節気グラフィックアート展」が開催されている「高台寺 圓徳院」を見てゆきましょう。
「ここねねの道だよ~」
「高台寺」は、豊臣秀吉の正室、北政所ねねが、秀吉の没後、出家し高台院という号を賜り、秀吉の菩提を弔うために建立したお寺です。その建設には、北政所をリスペクトする徳川家康が普請を担ったといわれます。
創建当初は、曹洞宗の寺院でしたが、後に臨済宗となり現在に至ります。
創建に際し、方丈や茶室、化粧御殿が伏見城から移築されました。
「圓徳院」は、ねねの甥、木下利房が、木下家の菩提寺として建立した寺院です。
現在は、「高台寺」と「圓徳院」の間には、ねねの道という石畳で整備された情緒ある道が八坂神社から清水寺方向に伸びています。「でも、きっと昔は、この道なくて、高台寺の広大な敷地が繋がっていたんじゃないの?だって、なんか高台寺がこの道で、2つに分かれている感じするもの・・・」と思うミモロです。
さて、
受付のある正面の長屋門を入ると、次に唐門が見えてきます。
なだらかなカーブのある屋根は、ここを訪れる貴人を迎えるのに相応しい格式のある姿です。
北政所ねねは、その人柄から多くの人々に慕われ、「高台寺」には大名をはじめ、さまざまな文化人や芸術家が訪れたそう。
「あ、氷・・・冷た~い」手水鉢の水も凍る寒さの京都です。
まずは、方丈から南庭を拝見します。
白砂の美しいお庭です。
方丈には、平成7年に製作された赤松燎画伯の遺作となる「白龍」。そして赤松画伯の思いを引き継いだ弟子の木下育應氏と志村正氏の『雪月花図」「松竹梅図」の襖絵があります。
今回、その前に「京の二十四節気グラフィックアート展」の作品が展示されているので、全体は見えませんでした。あしからず・・・。
方丈のまわりの廊下を進むと、途中、長谷川等伯作の障壁画の展示が。
そしてさらに進んで階段を上がると…そこに「なんかお蔵があるよ~」
中を覗くと、展示室になっていて、そこには、高台寺に伝わる品々が並んでいました。
「この人が、ねねさんの甥の木下利房さんなんだって~」
そこから渡り廊下を通って、北書院へと向かいます。
「あれ~どこ歩いてるんだろ?」渡り廊下は、「三面大黒天」のお堂のそばを通っていきます。
「北書院」にも、たくさんアート作品が並んでいましたが、その陰に、見つけた床の間。
「あ、これねねさんの掛け軸だ~」と小さなミモロは、作品の後ろにまわり込んで拝見しました。
「やっと到着~」北庭の前に座ります。
このお庭は、もともと伏見城から移築したお庭で、当時の原型を留める桃山時代の代表的な庭園のひとつなのだそう。その後、小堀遠州が手を加えています。国指定名勝です。
秋は、紅葉が美しく彩る庭です。
「ここ、ねねさんが住んでいた伏見城のお庭なんでしょ。ねねさん、どういう思いでこのお庭眺めたんだろう…」とミモロ。
華やかな時代を懐かしむ思いと、秀吉を失い、滅亡へと進む豊臣家を思うと、なんともやりきれない気持ちだったのでは?「移築もいいけど、いっしょにいろんな思いも移されるのって、辛くなかったかなぁ~。死んでから移築されるならまだしも、生きてる内に過去を見せつけられるようで・・・複雑~」とミモロ。でも、ねねが伏見城にいたのは、それほど長い期間ではなく、秀吉の最晩年の時期ですから、それほどいい思い出もなかったかもしれません。
また、「高台寺」建立当時、伏見城は、秀吉の死後、徳川家康が管理していたので、新たに資材を準備して庭や建物を作るより、使えるものは使う移築の方が財政的にもよかったという理由もあったかも。
北政所ねねは、慶長4年(1599)から京都に住んで以来、豊臣家のことを思い、徳川家や淀君ともさまざまな交渉を行ったそう。でも、淀君にねねの思いは届かず、慶長20年(1615)大坂夏の陣で秀頼と淀君が自害し、事実上豊臣家が滅亡します。
77歳で京都で没するまで、ねねは、豊臣家の菩提を弔って過ごします。
豊臣家の滅亡に関して、ねねは、多くのことを語らなかったそう。秀吉と共に、築いた豊臣家。「やるだけのことはやった~」との思いではなかったでしょうか。
「圓徳院」をいろいろ見て回ったミモロは、出口から外へ。「あれ、ここに出るんだ~」
そこは、「三面大黒天」の脇です。
お堂は京都御苑からの移築。本尊の「三面大黒天」は、大黒天、毘沙門天、弁財天からなる秀吉の持仏と言われるもの。「わ~1回お参りすると、三倍のご利益あるんだ~」とミモロ。秀吉もそう思っていたのでしょうか?
「わ~また雪・・・」人通りの少ないねねの道。「こんなに空いてる珍しいね~」そういいながら歩くミモロの上にハラハラと雪が舞い落ちます。
*「圓徳院」の詳しい情報はホームページから
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