ミモロが、京北の山里にある「常照皇寺」を訪れたのは、まだ春浅い頃。
心訪れるのは、ずいぶん久しぶりのこと。その時は、春ではなかったので、桜を見たことはありませんでした。
ここ「常照皇寺」は、貞治元年（1362）に、光厳法皇によって開かれた寺院。皇室ゆかりの格式高いお寺です。
臨済宗天龍寺派の禅宗寺院であるこの寺の各所には、皇室の菊のご紋章が…
そもそもこのお寺でできたのは、朝廷が南北に分かれ皇位を争った南北朝時代で、きわめて複雑な時代を背景にしています。「後醍醐天皇や足利尊氏とか、いろいろたくさんの人が複雑に絡まりあう時代だよね～。本当、簡単に理解できない～」とミモロもよくわからない時代。なので、その話は、ここでは避けることに…。
ともかく、そのさまざまな思惑が絡まりあった南北朝時代の渦中にあった人物のひとりが、ここを開山した光厳法皇で、北朝の初代天皇と言われますが、実際には、在位せず、歴代天皇127代に含まれていないという、複雑な状況がそこに。
この世の中が揺れ動く時代は、60年近く続き、その渦中の光厳法皇は、40歳を過ぎる頃に、禅の道に帰依し、争乱で命を落とした人々を慰霊するために、当時、誰も住むことがなかった廃寺を改修。庵を結んだのが、この寺の始まりと伝えられます。
「きっと世の中、やんなっちゃったんだよね～。それじゃなきゃ、こんな都から離れた山里に住もうなんて思わないのね～」と勝手に想像するミモロ。確かに、今も、ここに来るのは、かなり時間がかかります。
寺のご本尊を祀る釈迦如来立像が祀られる「方丈」。静寂の時が流れます。
さらに奥に進むと、そこには、禅宗仏殿形式の建物の「開山堂」が続きます。
ここは、大変厳かな雰囲気…お堂の奥には、それは美しいお姿の像が安置されています。
「どなただろ？」と、その憂いを秘めた表情のお姿に思わず見とれるミモロです。
それは、このお寺を開山した当時の光厳法皇のお姿を映したと伝えられる像。
「本当に、お美しい～」としばしその前に立ち尽くすミモロです。
おそらく自分の思いとは、関係なく進む状況…そのお顔には、どこか寂しさと悲しみを感じます。
そのお姿に、手を合わせるミモロです。ぜひ、一度、参拝に…。
さて、話を桜に移しましょう。毎年、大勢の参拝者が桜を楽しみに訪れる「常照皇寺」。3本の桜の銘木は、いずれも見事です。
京都府の史跡に指定されている境内には、国の天然記念物である「九重桜」。
御所から株分けしたと言われる「左近の桜」
そして、この時、まだ咲いてなかった「御車返しの桜」が、次々に境内を彩ります。
「この桜は、光厳法皇はご覧になっていないかもね～」とミモロ。
安土桃山時代には、信長の命を受けた明智光秀が、この一帯を治める赤井氏の居城攻略の折に、この寺は焼失したそう。現在の建物は、江戸時代に再建されたもの。
「でも、このお寺の裏山に、光厳法皇の御陵があるんだって～だから、桜のころは、そこから見にいらっしゃるかもね～」と想像するミモロです。
春まだ浅い頃…ウグイスの声が響く山里の寺…。
「なんか心が鎮まる気がする～」というミモロでした。
＊「常照皇寺」京都市右京区京北井門町１４の６ 075－853-0003 拝観時間 9：00～16：00
秋には、紅葉も美しいお寺。そのころ、参拝できるといいですね～
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府立京都植物園の前園長でした府立大の教授の方が詳しいと思います。