ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

ミモロ高野山へ行く(3) 奥の院への参道に灯る10万本の「ろうそく祭り」

2017-08-17 | 国内旅行

和歌山県の高野山に来ているミモロ。実は、8月13日を選んだのは、「高野山万灯供養会」通称「ろうそく祭り」が行われるからだったのです。

この「ろうそく祭り」は、今回で44回を数える、高野山恒例の行事です。秀吉から太平洋戦争の英霊まで、あらゆる時代の、さまざまな階層の人たちの大小さまざまな墓石が約20万基建ち並ぶ奥の院までの林。その霊を弔うために行われるもの。
「迎え火になるんだって~」とミモロ。そう、今年は、ここでご先祖様をお迎えしようとするミモロです。

宿坊で夕食を済ませ、バスに乗って、奥の院の入口である「一の橋」へ。18時すぎに到着。まずは法要が営まれて、それから参道の各所で、ろうそくが配られます。

「ここにろうそく灯すんでしょ~」夜が迫る参道は、ヒグラシがカナカナと鳴いています。

「このろうそくに火をともすんだよね~」細いろうそくには、竹ひごが付いています。
「これ種火になるんだって~」と、蓮の形のろうそくが、各所に配置されています。
種火から細いろうそくに火をともし、それを参道沿いに延々とつづく、銀色の道にさしてゆくのです。
これは発泡スチロールの土台をアルミホイルで包んだ銀の道。それが奥の院へと伸びています。

一の橋では、法要の準備が整いました。


ミモロたちは、ろうそくを配るテントの前で待機。「これもらうんだ~」ミモロ、まだよ。
このテントは、ガールスカウトの女の子たちが担当。
「クマちゃんもろうそく灯すの?」と。「うん、あのミモロは、ネコだけど…ろうそく頂戴ね」と。
いよいよ19時、ろうそくの点火時間です。「はい、どうぞ~」とみんなから、たくさんのろうそくを手渡されます。
「ありがとう~」この日用意されたろうそくは、なんと10万本。渡された人は、ろうそくを銀の道に差して、それから奥へと進み、またテントやスタッフからろうそくをもらいます。

「火つけよう~」ミモロは、慎重にろうそくに火をともします。あまり近づきすぎると焦げちゃうから用心用心。

火をともしたろうそくを、そばの銀の道に差して、祈ります。
「ヨイショ、ブス~」とろうそくをさして・・・。

「ご先祖様、ありがとうございます」今、生きているのは、それぞれの時代を生きたご先祖様がいらっしゃるから…。
ろうそくの火を見つめながら、感謝します。

銀の道に連なるろうそくの光。なんとも幻想的な景色です。「来てよかった~」と、はるばる4時間かけて京都から来たその疲れも忘れるひととき。


参拝者の手で、ひとつひとつ灯された光が、弘法大師さまがいらっしゃる奥の院へと続きます。
「キレイ~」

「ご先祖様、お迎えに来ましたよ~。ホントにありがとうございます」とミモロは、光をじっと見つめます。
「感動しちゃう~」と。

ろうそくの他にも、燈篭も灯されて、闇の中に光の道を作ります。


大きな杉が茂る林・・・ろうそくに浮かび上がる墓石。時を超えて、まるで過去と現在がつながったような感覚に…。

10万本のろうそくは、夜21時まで配られ、光の道が山に浮かび上がります。


「来てよかった~」と何度もいうミモロ。本当に感激する夏の夜です。

ミモロたちは、奥の院の弘法大師御廟に参拝。
それから、バス停まで、林の中を歩きます。「あ、お星さま~」見上げると空には、いっぱいお星さまがきらめいています。「こんなにたくさんのお星さま見たの久しぶり~」足元には、ろうそくの光、そして天上は満天の星空。「なんか浄められた気がする~」とミモロ。こんな感動的な景色が眺められたのも、高野山に来たから。

「なんか高野山って、スケールが大きいね~」とミモロ。
本当に素敵な経験・・・ご先祖様に感謝です。



「高野山のろうそく祭り」は、毎年8月13日夜19時から21時、奥の院への参道で行われます。



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