時は戦国(せんごく)の世(よ)。刀(かたな)を携(たずさ)えた武士(ぶし)たちが群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)していた。この男たちも刀や槍(やり)をかかえて集まってきて、戦(いくさ)を始めようとしているようだ。
「…で、俺(おれ)、考えたんだけど、あのうつけ者が当主(とうしゅ)の織田家(おだけ)だったらやれると思うんだ」
「バカいうんじゃねぇよ。あの信長(のぶなが)を相手(あいて)に戦(いくさ)なんかできるわけないしょ」
「それがな、今川(いまがわ)が来てるんだって。桶狭間(おけはざま)ってとこへ向かったそうだ」
「なら、清洲城(きよすじょう)はがら空(あ)きってことか? これ、いけるんじゃねぇ?」
「君(きみ)たち、死(し)にたいのか? 信長がそんなヘマをするわけないでしょ。私が聞いたところでは、美濃(みの)のマムシの軍勢(ぐんぜい)が入ったって話だ。私は犬死(いぬじ)にはごめんだ」
「じゃあ、どうすんだよ。せっかく刀を集めてきたのに。いまさら野良仕事(のらしごと)なんか…」
「あっ、いまいいこと考えた。それだったら、稲葉山城(いなばやまじょう)を攻(せ)めるってのは?」
「おめぇ、戦(いくさ)したことないのか? この人数で落(お)とせるわけないだろが」
「あのさ、もっと現実的(げんじつてき)に考えた方がいいんじゃねぇ。こうなったら、俺たちで城(しろ)を造(つく)るってのはどうだ? 土木作業(どぼくさぎょう)なら俺たちの得意分野(とくいぶんや)だ」
「そりゃいいなぁ。だったら、どこに造るんだ? あんまり遠くない方がいいけど…」
「いいとこあるだろ。小牧山(こまきやま)だ。あそこなら見晴(みは)らしもいいし、すぐ近くだ」
<つぶやき>こんなことがあったのか…、なかったのか…。今となっては分かんないです。
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