子供(こども)を連れてスーパーへお買い物。今日の晩(ばん)ご飯(はん)は何にしようかな?
あれこれと、店内(てんない)を回ってカゴに商品(しょうひん)を入れていく。家計(かけい)を預(あず)かる身(み)としては、なるべく安くていいものを買わないといけない。私はふっとカゴの中を見た。すると、知らないうちにお菓子(かし)の箱(はこ)が入っている。私はその箱を手に取り、子供に聞こえるようにつぶやいた。「おかしいわね。この子、いつの間(ま)に入ったのかしら?」
子供は知らん顔して、私の方を見ようともしない。私は続ける。
「きっと連れて行ってほしかったのね」
子供はここぞとばかり、「きっとそうだよ。僕(ぼく)もそう思う。連れて行ってあげようよ」
私は残念(ざんねん)そうにつぶやいた。「でもね、今日は連れて行けないわ」
子供は悲(かな)しそうな顔をして、「どうして?」って訊(き)いてくる。
「だって、今日はこの子の順番(じゅんばん)じゃないんだもん」
「順番って? でも、きっと家に来たがってるよ。かわいそうじゃない」
「でもね、順番はちゃんと守(まも)らないといけないわ。そう思わない?」
子供はまだ納得(なっとく)してないようだ。私は少し考え込んでから言った。
「この子の順番は…。きっと明日ぐらいだと思うわ。それまで待っててもらおうよ」
子供はしぶしぶ肯(うなず)いた。私は、「じゃあ、ものと場所に帰してあげよ。お願(ねが)い」
<つぶやき>子供の頃(ころ)、買ってとせがんだことありませんか? 親(おや)になるといろいろと…。
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