「俺(おれ)さぁ、ほんとにこの世界(せかい)で必要(ひつよう)とされてるのかなぁ?」
「なに言ってんだよ。そんなこと、あたりまえじゃないか。神様(かみさま)なんだから」
「ふっと思うんだよね。俺なんかいなくてもいいんじゃないかって」
「どうしたんだよ。なんかあった?」
「なんかさぁ…。やりがいって言うか、そういうのないんだよね。ほら、死神(しにがみ)さんとか疫病神(やくびょうがみ)さんは成果(せいか)がすぐ見えるじゃない。でも、俺ってなんもできないし。願(ねが)いごと聞くだけなんだよね。ほんとにそれでいいのかなぁ。もっと他に、こう…」
「みんな喜(よろこ)んでるさ。ほら受験(じゅけん)で合格(ごうかく)したり、無事(ぶじ)に出産(しゅっさん)できたり。他にも…」
「それはさぁ、子供たちと母親の頑張(がんば)りでしょ。俺なんか、なんもしてないし。それに、受験にすべっちゃったりとか、無事に産(う)まれなかったり。そういうことあるから…」
「そりゃ、ずべての願いをかなえることはできないけど…」
「俺なんか、なんもできないんだよ。いなくなっても、誰(だれ)も困(こま)らないだろうなぁ…」
「そんなことない。ほんとに、どうしちゃったんだよ。あれか? スランプになっちゃったのか? ここんとこ忙(いそが)しかったもんなぁ。休(やす)んだほうがいいよ」
「ほんとに、いいのか? 休んでも…。でも、休んでる間(あいだ)になんかあったら――」
<つぶやき>神様の悩(なや)みはつきないようですね。みんなで世界平和(へいわ)でも願いましょうか?
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます