みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0187「確認事項」

2018-03-29 19:11:44 | ブログ短編

「何よ、話って」恵里香(えりか)はソファーに寝転(ねころ)びながら言った。
「だからね…」賢治(けんじ)は控(ひか)え目な感じで、「君が、どういうつもりなのかなって…」
 恵里香はテレビ番組(ばんぐみ)に夢中(むちゅう)で、賢治の話など聞いているのかどうか――。賢治はたまらず、リモコンに手をのばしテレビの電源(でんげん)を切った。恵里香はやっと起(お)き上がり、
「何すんのよ。あたし、見てるんだから…」
「だからね、これは大事(だいじ)な話なんだから。ちゃんと聞いてよ。――君がここに来て、もう一週間だよね。今の、この僕(ぼく)たちの状況(じょうきょう)というか、関係(かんけい)って…」
「ねえ、ケンちゃん。何が言いたいのよ。あたし、分かんない」
「だからね、僕のことどう思ってるのかなって…。つまり、僕と結婚(けっこん)しようとか…」
「そうねえ」恵里香は賢治の顔をしばらく見つめて、「それも、ありかな」
「えっ、何だよそれ…。ほんとに真剣(しんけん)に考えてるのかよ」賢治は不安(ふあん)な顔で言った。
「考えてるわよ。だって、ケンちゃんといると、とっても楽(らく)っていうか…」
「じゃあさ。家事(かじ)とか、ちょっと手伝(てつだ)ってくれてもいいんじゃ…」
「えーっ、あたしが?」恵里香はリモコンに手をのばしながら言った。「ケンちゃん、得意(とくい)じゃん。あたしケンちゃんの料理(りょうり)、大好きだよ」
「いや、僕が言いたいのはね。えっと、そういうことじゃなくて…」
 恵里香はテレビの電源を入れると、画面(がめん)に釘付(くぎづ)けになりケラケラと笑った。
<つぶやき>愛って何なんでしょう。結婚って…。二人で、将来(しょうらい)のこと話してみませんか。
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