みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1401「みおの事件簿/おとり」

2023-07-16 17:30:53 | ブログ短編

 鬼瓦(おにがわら)は嘘(うそ)っぽい笑顔(えがお)を振(ふ)りまいて、「警察(けいさつ)がそんなことしたらダメに決(き)まってるだろ。ああ、でも、まあ、警察関係者(かんけいしゃ)じゃなかったら……。別に俺(おれ)は強制(きょうせい)してるわけじゃないぞ」
 目黒所長(めぐろしょちょう)はきっぱりと断(ことわ)った。そんな危険(きけん)なこと、させるわけにはいかない。でも、
「分かりました」みおはあっさり引き受(う)けてしまった。目黒は反対(はんたい)して、
「これは、どうみても事件(じけん)だ。行方不明(ゆくえふめい)になってる女性は見つかってないんだぞ」
 みおはきっぱり言った。「あたしたちで捜(さが)しましょう。早く見つけてあげないと…」
 鬼瓦はここぞとばかりに、「そうかぁ。さすが樋口(ひぐち)ちゃん。俺(おれ)が見込(みこ)んだだけある」
 翌日(よくじつ)から、みおはその店(みせ)(庶民的(しょみんてき)なバー?)へ毎晩(まいばん)通うことになった。
 それは四日目のことだった。みおは店に来ていた客(きゃく)に声(こえ)をかけられた。どうやら、彼女をナンパしようとしているようだ。みおは、その男の話しを聞きながら観察(かんさつ)した。どうみても殺人(さつじん)とか誘拐(ゆうかい)をするような感じではない。ただのチャラ男(お)だ。みおはとりあえず店の外(そと)でまた会う約束(やくそく)をした。一応(いちおう)、念(ねん)のためである。
 みおは店を出てしばらく歩いたところで、誰(だれ)かにつけられていると感じた。もしかしたら、誘拐犯(ゆうかいはん)かもしれない。ちょうど他(ほか)に歩いている人はいない。みおは脇道(わきみち)に入って隠(かく)れる。すると、駆(か)けて来る足音(あしおと)が聞こえてきた。それは間近(まぢか)に迫(せま)って脇道に入って来る。みおはそいつの腕(うで)を掴(つか)んで投(な)げ飛ばした。不意(ふい)を突(つ)かれたそいつは、道路(どうろ)に倒(たお)れ込む。そいつの顔を見たみおは、思わず声を上げた。
<つぶやき>いったい誰だったんでしょう? みおって意外(いがい)と強(つよ)かったりするんですね。
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