つい先日、盛岡に行ってきた。いつものように弾丸旅で、滞在時間は20時間ちょっと。せっかく遠出するんだからのんびりすればいいのにー、とか、あちこち近隣もまわればいいのにー、とよく言われるけれど、いっさい仕事はせず、街歩きを満喫した旅らしい旅だったのよ、わたし的には。
なぜこのタイミングで盛岡に行ったかというと、岩手大学と盛岡市からお仕事いただいたのがきっかけ。岩手は広いので、とオンライン開催だったのだけれど、せっかくなので盛岡まで出向いて現地から配信するっていうのはどうだろうか?近隣に住むお友達にも会いたいし、、、と妄想が炸裂して、仕事に絡めて盛岡に行こうと計画していた。
ところが、オットに出張が入り、真次郎を預かってもらうこともできず、仕事に絡めての盛岡行きは断念。けど、こうなると是が非でも行きたいよね、行きたくなるよね、会いたい人には会いたい時に会わなくちゃ!とオットのスケジュールと前後の仕事のスケジュールをうんうん唸りながら調整して行ってきた。
正直、観光はどうでもよくて(おいおい)、お友達に会うことが目的の旅。
盛岡のお隣、滝沢市に住む彼女とはもう20年近くになるお付き合い。福山に住むお友達のブログがきっかけで知り合って、毎年お互いのお誕生日に「おめでとう」を贈り合っている。実はどんな仕事をしているのかもよくわかってないけど、どんなに大変な状況でも頑張ることをやめない素敵なお友達。わたしのやること、決断したことを応援してくれて、遠い親戚のような存在。家族以外で自分のことを無条件に受け止めてくれる人がいるってほんとに幸せなことだと常々思っている。
最後に会ったのは福岡に来る前、仙台で一緒にライブに行って以来だから、もう10年以上になる。「いつか会いましょうって言い続けていればきっと実現できる」って言い続けて10年。その時が来たんだなぁーって感慨深い思いの一方で、10年ぶりだよ、お互いにそれだけ歳をとってるわけだし、「会いましょう」って言ってる時が幸せで、実際に会っちゃったら玉手箱を開けた浦島太郎みたいに夢から覚めちゃうのかもーなんてそこはかとない不安もあった。
そんなドキドキを抱えて盛岡に行ったわけですが、なんと、ご家族が急遽入院されてしまって会うことは叶いませんでした。幸いなことに大事には至らなかったそうで、本当に良かった!彼女に会うための盛岡行きでもあったから、もちろん残念なことではある。けれども、思ったよりもショックではなく、淡々と受け入れていた自分がいた。きっと今はその時じゃなくて、またいつかきっと会える時が来る。10年も待ったんだもの、まだまだ待てるよって。
というわけで、ぽっかり空いてしまった盛岡での時間。さて、何をしよう?
そういえば、ニューヨークタイムズが企画した「2023年に行くべき場所」にランクイン(2位)したって記事を読んだことある!オサレレトロな喫茶店がたくさんあるらしい!幸い歩くことは慣れてるし、思ったよりも暑くないし、天気もいい。と、市内を散策しつつカフェ巡りをしよう!と行き当たりばったり(行き当たりばっちり)旅がスタートしたのでした。
今回、ヘラルボニーがアートプロデュースを手掛けたというマザリウムのアート部屋が予約できたので、まずはホテルの近くからスタート。
ちなみにお部屋はこんな感じ。こじんまりとしたお部屋で無駄のない動線が居心地良し。お部屋にはシャワーはないけれど、サウナ付きのスパがあるのもポイント。宿泊客以外も利用できるんですって。
マザリウム近くのカフェを検索したら出てきたのがこちら、羅針盤。
え?ここから入っていいの?とちょっと躊躇するような入り口から入ると、なんですかーこの落ち着いた素敵空間!
いただいたコーヒー(オリザ)の美味しいことったら。苦味のなかのスッキリとした味わいがたまらない。一緒にいただいたチョコレートがまたビターで濃厚で絶品!
活版印刷のショップカードも素敵すぎる!
商店街のアーケードからちょっと脇に入ったところにある茶楼車門(しゃもん)
これまた佇まいが素敵すぎる。タブレットで注文なんてことはあるはずもなく、スタッフさんが忙しなく1階2階を行き来していたのも印象的だった。中国からいらしたと思しき観光客にもがっつり日本語で接客してたのも笑
そして中津川のほとりにあるふかくさ。
名前の通り、深く草に覆われた喫茶店。席数も少なくママさんと常連さんが楽しげにおしゃべりしていて、いいなぁーこういうのー♡と羨ましがりながらウィンナーコーヒーをいただく。
なんと河原で飲むこともできるんですって!メニューにはビールもある。ちょうど夕暮れ時で、空がきれいなピンクに染まっていたら、ママさんが「きれいな夕焼けよー」と教えてくれた。夕焼け見ながらのコーヒー、最高じゃないかー。
紅茶の老舗にも行ってきた。ガイドブックには必ず載っているリーベ。
ものすごく時間がかかるので急いでいる人は頼まないで!って記載があったりと手書きのメニューが味わい深い。そしてメニューの豊富さったら!これは通い詰めたくなるわー。何にしようかひとしきり悩んでシナモンミルクティーをいただく。花柄のカップが可愛い♡
そしてこちら。若草文庫。
「本と珈琲とインクの匂い」ですよ。どのテーブルにも本が置いてあって、つなぎの制服を着たスタッフがガラガラとワゴンを引いてサーブしてくれるのもまたよろし。ほぼ開店と同時に行ったらあっという間に満席に。ここもまた住みたいくらい心地よい空間だったわー。
びっくりするくらい大きなカフェオレ。わかるかなー、この大きさ。ミルクとコーヒーを高い位置からとぽとぽと注いでくれるのがパリっぽくてきゅん♡
そしてそして、盛岡に赴任中のはなちゃんにお付き合いいただき、いなだ珈琲舎へ。
初めて会った頃はまだ中学生だったはなちゃんが社会人になり、こうして赴任地で会えるだなんて、とっても感慨深い。前任地の広島でも素敵ティーハウスでお茶したことがあったっけ。どんだけはなちゃん追っかけてるんだ?笑 仕事の話をしたり、最近の面白話をしたり、楽しいひととき。モーニングセットのオムレツがふわっふわで、オリジナルだというミルクがまた美味しくて最高だった。
街中には書店や洋装店など個人経営のお店がたくさんあったのも盛岡ならではだそう。大通り商店街の中にあった老舗の書店「さわや書店」はファサードに盛岡、岩手関連書籍が陳列されていた。宮沢賢治、石川啄木関連が充実していることは言うまでもない。他の観光地ではあまり見ないよなー。文化が根付いてる、って感じがする。
地方都市だからね、そりゃ人通りは少なかったり、シャッターが閉まっている店もある。けど、大型店、チェーン店がひしめくって感じが全くなくて、歩いていてとても楽しい。違いを探そう、何か面白いものを見つけようとしながら歩いているから、って言うのを差し引いても魅力的な街だった。
会いたい人には会えなかったけど、盛岡の街を堪能できて、はなちゃんに会えて、よい旅だった。また行きたい。まだ行ってない・行きたい喫茶店も雑貨屋さんもたくさんあるものー。次は光原社はマストだな。
今度は桜の時期に行こう。その時には会えるかな。きっと会える。桜の下で再開だなんて最高じゃない?
<おまけ>
ガイドブックも可愛い😍
北上川沿いの花巻空港は小さな可愛い空港。福岡からは1日1往復飛んでます。