長尾景虎 上杉奇兵隊記「草莽崛起」<彼を知り己を知れば百戦して殆うからず>

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池上彰先生の『経済と政治が5時間できっと学べる』著作引用・経済篇(投資篇・ごく一部の公開)池上流・経済の基礎のき、を学ぼう!

2024年06月14日 20時27分58秒 | 日記











   いまさら聞けない「投資」の話

   株とはなんだろう

 「株」とは、「お金を出しました」という証拠です。たとえば、あなたが新しく仕事を始めるとします。あなたが大金持ちでなければ、仕事を始めるお金をほかから用意しなければなりません。そんなとき、「株」というしくみがあります。いろいろな人からお金を出してもらい、その証拠に渡すのが「株」です。集めたお金で仕事をして、儲けが出たら〝分け前〟を払います。これが「配当」です。
 株を発行して集めた資金で始める会社を「株式会社」といい、お金を出してくれた人は「株主」と呼ばれます。株主あっての株式会社。「株主」が一番に偉いので、年に一回株主総会を開いて株主に経営方針を説明し、了解をもらう必要があります。
 株主は、株を持っている会社の経営がうまくいくと、毎年、配当を受け取れます。株を持っているだけでお金が入ってくるわけですから、その株をほしいと思う人が出てきます。株の売り買いが始まります。株を売買する場所が「株式市場(証券取引所)」です。
 株というと、日本では「儲ける手段」というイメージが先行していますが、実はそれだけではありません。株を買うことは、その会社を応援すること、ひいては経済活動に参加することでもあります。アメリカなどでは株式投資に対する意欲が高いのは、小学生のころから、こうした株取引に関する教育がなされているためです。
「株価は景気のバロメータ」といわれ、株価が上がれば景気は良くなり、下がれば、景気は悪いことになります。

   株式上場とはどういうこと?

 株は、株式市場(証券取引所)で売買されます。とはいっても、どの会社の株でも株式市場で売買されるわけではなく、資格が必要です。資格を満たして、株式市場での売買が認められることを「上場」といいます。「市場」に「上がる」ことができたという意味ですね。
上場して株が売れると、株式会社には多額の資金が入ってきます。この資金を使って事業を拡大したり、新しい仕事を始めたりできるようになるのです。また、株式会社を作った経営者は、その会社の株をたくさん持っていますから、これを株式市場で売ることで、大儲けすることもできます。
日本国内には、東京証券取引所のほか、名古屋、札幌、福岡にも取引所があります。この中でニュースに登場するのは、やはり東京証券取引所(東証)です。この東京証券取引所には、第一部と第二部、マザーズ、JASDAQ(ジャスダック)の四つがありましたが、二〇二二年四月以降は、プライム、スタンダード、グロースの三市場に再編されました。
プライム市場…株主数八○○人以上、流通株式数二万単位以上、流通株式時価総額一○○
         億円以上、流通株式比率三五%以上。(グローバルな大企業)
スタンダード市場…株主数四○○人以上、流通株式数二○○〇単位以上、流通株式時価総     
         額一〇億円以上、流通株式比率二五%以上。(大企業に準ずる企業)
グロース市場…株主数一五〇人以上、流通株式数一○○〇単位以上、流通株式時価総額五
億円以上、流通株式比率二五%以上。(ベンチャー企業など)


   平均株価とTOPIX(トピックス)

日経平均株価の算出方法は、東京証券取引所第一部(現在はプライム市場)上場企業のうちの代表的な企業二二五社を日本経済新聞社が選び、株価の平均を毎日計算して発表したものです。
 日経平均株価の計算が始まった一九四九年ごろの株は、一株五〇円で発行されていましたから、計算方法に一貫性を持たせるために、まず計算対象企業の株を額面五〇円に換算します。額面五万円で発行されて、現在五〇万円の価値がついている株は、一○○〇で割って、五○○円にします。こうして二二五の数字を合計し、「除数」で割ると、平均が出ます。
「除数」とは、割り算で割る数字のことです。二二五社の額を出すのだから二二五で割ればいいだろう、と思ってしまいますが、これが二二五ではないのです。一九四九年五月に平均株価を計算していた時は、計算対象企業数が二二七社であったのです。翌年から二二五になり、除数も二二五社になりました。時間が経つにつれて、問題が起きます。株式の分割です。
 株価が下がった会社は買いやすいように、株式を分割して売るようになります。これまでの一株が二株になるので、値段が半減します。そのまま日経平均を出すと、値が減るので、二二五よりもっと少ない数で計算することになりました。
 また、TOPIX(Tokyo Stock Price Index)とは、「東証株価指数」です。
 東京証券取引所第一部上場企業会社の株式の時価総額(各企業の株価に発行株式数をかけたもの)を、指数(ポイント)で表しています。現在は一部という区分はなくなりましたが、引き続き使っています。
 一九六八年一月から計算をはじめ、この年の最初の取引が始まった一月四日当時を一○○として計算しています。この指数が一○○〇であれば、当時の時価総額の一〇倍の金額になっている、ということになります。


   国債のしくみはどうなっている?

 国債とは、簡単にいうと「国の借金」のことです。こう聞くと、「誰から借金しているの?」と聞きたくなります。答えは、「私たち国民から」。そんな答えを聞くと、「でも、私も国民の一人だけど、国にお金は貸してないよ」と反論したくなるかもしれませんね。
 あなたが銀行にお金を預けたり、郵便貯金に貯金したりしていれば、そのお金が国債を買うことに使われているのです。あなたが金融機関にお金を預けていることで、間接的に国にお金を貸しているのです。また、あなた自身も銀行や郵便局で国債を買うことで、国に直接お金を貸すこともできるのです。
 実は日本では、財政法という法律で、原則として国が借金をしてはいけないことになっていました。第二次世界大戦中、戦争の費用をまかなうために国債が乱発され、敗戦とともに、この国債は紙くず同然に。これを教訓に、戦後は国債の発行を禁止してきたのです。
 財政法第四条には、「国の歳出は、公債又は借金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」と書いています。公債とは国債のこと。つまり、国債や借金以外を財源にしなさい、と明記してあったのです。
 ところが一九六五年、不況のため税収が足りなくなります。このため、この年は、国債を発行するための「財政特例法」という臨時の法律を作って、二五九〇億円の国債(特例公債)が発行されます。戦後初の国債で、この年だけの特別な法律でした。
 翌年になると、今度は、税制特定法の但し書きに基づいて、国債が発行されました。
 但し書きでは、つまり、道路や橋など、形として残る公共事業のためなら、国会が認めれば国債を発行できる、というのです。この但し書きによる国債を、建設のための国債という意味で「建設国債」と呼びます。また、大幅な赤字を埋めるために、公共事業以外の目的の国債も発行せざるを得なくなりました。これが、「赤字国債」です。
この赤字国債を発行するための、特例の法律を作って発行するようになったことから、「特例国債」と呼ぶこともあります。一般家庭に例えれば、建設国債は住宅ローンで、赤字国債は飲食のための借金でしょうか。建設国債なら子孫に財産を残すことができるという考え方もありますが、子孫に借金を残すということでは同じです。
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