dance dance dance

２歳を過ぎてからというもの、こうたろうがパワーアップしている。
ところかまわずぴょんぴょんウサギ飛びで跳ねまわり、
少しでも高いところがあると乗ってそこからジャンプし、
競争相手もいないのに
「いくぞぉ～～、よーい、どん！」
などと駅構内を疾走している。あぶないってば！

それに加え、最近は「人を笑わす」ということに全力を傾けているようだ。
以前から、急におもしろい顔をしたり、変なポーズをとったりしていたので
「あらあら、ユニークな子だこと」とは思っていたのだが、
このところの彼は本気を出している。
志村けんの「へんなおじさん♪」を完璧にマスターし、
片膝をつき、片手をかざして宝塚調に「それは～、愛ー！」と
感情こめて歌ってくれたりするのだ。お、おもろい……。

保育園のお迎えに行ったら、保育士さんがちょっと言いにくそうに教えてくれた。
「こうちゃんね、今日、おむつを換えて、新しいおむつを履かせようとしたら
『いやー！　はかない！』って言って……
フルチンでうれしそうにお尻振って踊り始めたんです……」

あのね、あのね、親馬鹿だって笑ってもらっていいんだけど、
こうたろうは１歳半くらいまで、どこに行ってもおとなしくて、
「色の白い子だねー」ってしょっちゅう女の子にまちがわれて、
ママ友達から「こうちゃんは稲垣吾郎君みたいになるね」って言われて、
窓辺でひっそりと絵本を広げてるような子だったの。

それが！
フルチンダンス！

そのダンスを見た保育士さんや園児たちが大ウケしているのを見届けてから、
気がすんだように自分でおむつを履いたそうだ。
「こうちゃん、キャラが変わりましたよねぇ。前は私たちの間で
癒し系だったんだけど、今はお笑い系」と保育士さん。

いやー、笑っちゃったよ。
窓辺の美少年を育てる自信は私にはない。
「くれよんしんちゃん」のような息子が理想だった私には
とってもうれしいエピソードだった。

で、家に帰ってからお風呂に入る前に、
「やって、やって！　こういうの、今日やったんでしょ」
と、私が腰を振って踊ってお願いしたのだが、知らん顔されてしまった。
ギャラリーが少ないとやれないってことだろうか。
なんだよー、そんな面白いもの、私に見せてくれないなんて許せん。