みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

アートセラピー

2012-04-08 | monologue
先日、縁あって「アートセラピー」を受けてきました。

参加者は6名。いずれも30代~40代の女性。
コの字型にセッティングされた机に座り、
それぞれの絵を見せ合います。
机の上には、24色のクレヨンが置いてありました。

絵は3枚描きました。
まず1枚目。

「最近、頭にきたこと、怒ったことを思い出してください。
そのときの気持ちを色にたとえると何色ですか?
その色を使って、思ったまま描いてみてください」

私が選んだのは迷わず黄色。
何かが爆発したときのような、ピカっと光る感じに
強くクレヨンを押し付けました。

それをみんなで見せ合うと。

みなさん、黒、茶色、グレー、青…と、暗い色ばかりで、
パステルカラーを選んだのは私だけ。びっくり。
ええっ、怒りってもっとエネルギッシュな色ではないの?
描き方も、けむりのような形が多かったです。

うーん、そうか。
一般的に、怒りというのはダークな感情なのだな。
私にとっては、むしろパワーの沸き起こるものであっても。


次に、「幸せな気持ち」。
私はオレンジ。みなさん、ピンク、赤、水色などでした。


そして最後に、「好きなように、自由に描いてください」と配られた白い画用紙。
まんなかに、直径10センチくらいの円が薄く印刷されていました。
円について、先生からのコメントはなし。


私は、その円を、じゃまだな、と思いました。
だって、自由に描いてくださいと言われているのに
この円に何かとらわれるのはいやだなぁ、と。


私が描きたかったのは、まず地平線。
円をぶった切るように、まっすぐと横に線を引きました。
線のこちらは草原、向こうは海。
右側に元気な木が一本立っていて、中央には恐竜の卵みたいなのがあって、
海にはきれいな夕日がまさに沈もうとしているところで。
手前にはおおぜいの人たちが集まって、にぎやかにしている。
そんな絵を嬉々として描きました。
太陽を描くときにちょうど円があたりましたが、円をなぞるのがいやで、
あえて円より大きく太陽を描いて、中を赤く塗りつぶしました。


先生の合図で、それぞれの絵を見せ合った瞬間、
私は思わず絵を伏せたくなりました。
みなさん、円を上手に使って、すてきな抽象画を描いている人ばかり。
太陽だの木だの、意味不明な恐竜の卵なんか描いているのは私だけで、
ひとりだけ子供のおえかきみたいなのでした。

先生から、円の内側から描いた人は自分の内面と、
外側から描いた人は周囲(他人)と向き合おうとしているという話がありました。
内側も外側もなく、ぶった切った私って……(汗)
他人のことも考えず、我が身も振り返らず、自由すぎなのでは。


絵の意味解きのような時間もありましたが、
まあ、1回こっきりの「無料体験」という刹那的な関係性の中で、
先生もみなさんも他人(私)に対して否定的なことは言うはずもなく、
自己解釈によって、私は自分がいかに自分勝手で気ままに生きているかを思い知ったのでした。
そして、多くの人が、そこにあるもの(場合によっては人)と
うまく協調して生活しているのだということもわかったのでした。
それが良識のある大人ってもんだよな。


私って、もっと消極的で、人目を気にしてばかりで、
他人の顔色をうかがって合わせてるほうだと思ってたけどなあ。
いや、社会で波風立てないよう生きていくためにそういうふうに振る舞ってるけど、
中身はてんでコドモで奔放なんだろうな。
そういう自分に気が付かないふりをしていたのかも。

知らない自分を知る、いい機会だと思います。
アートセラピー、日本でももっと身近なものになればいいのにな。