細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

金持ち喧嘩せず

2008-07-03 17:02:19 | 外交
ドバイから、サウジの首都リヤドに入った途端、そこにはムスリム一色の世界が広がっていました。民族衣装に身を包んだ人々、特に目だけを出し全身黒装束の女性の姿は、見慣れない者にとっては・・・。
何とは無しに暗い気分で入ったサウジですが、大臣や議員と話してみると、この国が中東に君臨している理由が見えてきます。ちなみに、写真は今回会談したなかで、最も大物の一人、ゴサイビ経済企画大臣。ボケボケですが、民族衣装の雰囲気は伝わると思います。

第一に、圧倒的に豊かなこと。サウジ国民には、税金はありません(投票権もなし)。医療、年金はもちろん、低所得者層は住宅の供給も受けることができます。石油で潤沢になった予算を最近は、働かない若年層の職業訓練に投じているとのことでした。3Kはインドなどからの外国人労働者頼り。石油がなくなったらどうするの?という疑問は持ちますが、当分は国家としては安泰です。

第二に、国際的な利害が複雑にからむ中東における緩衝材としての役割です。イスラエル、イラク、そしてイラン。そして米国。中東の安全に関わる大国と、サウジは、ある程度の緊張関係を維持しながら、柔軟な外交を行ってきました。ちなみに、サウジの政府関係者からは、「穏健な日本外交を評価する」との発言があったのは興味深かった。バーレーン、UAEなどの湾岸諸国にとっては、サウジは父のような存在のようです。

サウジの指導者は皆さん温厚です。話していると、そこそこ心地良い。リヤドを離れる前に、ある高官に趣味(絶対君主制のサウジには、自由と娯楽が不足しています)を聞いたところ、「辞書を引いて言葉を調べること」との返事が返ってきました。「金持ち喧嘩せず」のサウジらしい生き方に、思わず、唸ってしまいました。

いずれは民主化は避けられないとは思いますが、いまの中東には、サウジのような国が必要なのでしょう。


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