ひなまつりで有名な茨城県の真壁にいってきました。
今「登録有形文化財めぐり」がマイブームだというSさんに誘われて、
雛人形ではなく、真壁の文化財を見にいきました。
Sさんによると、真壁は登録有形文化財の日本一の密集地だそうで、
48の場所に104棟の登録物件(←クリックすると地図が見れます)があります。
(1ヵ所に一つではなく、複数の登録があるので)
久しぶりに晴れて気温があがり、行楽日和となった日曜日です。
ぞくぞくと真壁の町に人が集まってきます。
この日午前10時半より
ボランティアガイドさんによる有形登録文化財を中心とした街中案内(ひなまつりではなく)があり、
最初はそれに参加しました。
町の中心部をぐるっと1時間半ほどかけて、44の登録文化財を見ました。
ひなまつりを見にきている人で町の中はごった返しています。
昨年は1ヶ月で10万人も来場したとか。
天気もいいし、風もないし、歩いて見てまわるには絶好でしょう。
その人込みの間を私達は建物をメインに見て、中に飾ってあるお雛様をちょこちょこっと見て、という感じで、
ガイドさんとはぐれない様にとたいへんでした。
なにもこの混雑する時期に建物を見にいかなくても、といわれそうですが、
Sさんによると、
ひなまつりの時だからこそ、普段は入れない登録文化財の建物も開放されていることが多いし、
中まで入れるチャンスもある、ということらしい。
ボランティアガイドの案内で見学した有形登録文化財をいくつか・・・。
等々、見世蔵や旅館、土蔵、小学校などもあり、
薬医門もたくさん残っており、門ですらこれなら、主屋はどれほどだったか、とおもうばかりです。
ガイドさんによる見学がおわり、さあ、後は二人で残りを全部見ようと決めました。
まずは、中心地よりすこし離れた場所にありますが、
製糸関係の建物だというので、ちょっと期待していきました。
それは「谷口(やぐち)家住宅」といい、
真壁の近代化を支えた谷口製糸所建物群と旧家住宅建物です。
江戸時代から続く旧家で、明治期になって座繰り製糸をはじめ、
明治14年に蒸気をつかった器械製糸所をつくったという。
ちょうど地元の方がいらしたので、この製糸所の話しを聞くことができた。
県内有数の製糸所として発展し、昭和40年代まで操業していたという。
真壁には他にも大きな製糸所がいくつかあり、横浜へ糸を運ぶため、鉄道までつくったという。
それがいまは廃線となった筑波鉄道(土浦~真壁)。
製糸所の敷地は2万坪!で、工場はもうないが、蔵は残っており、
工女達の寮はいまはアパートとして使われているという。
裏に回ってみると、そのアパートがあり、製糸所の一部ではないかとおもわれる建物や、
井戸、煉瓦に囲われた何かの機械、などを見ることができた。
そして、そばには製糸所の碑や谷口氏の顕彰碑もあった。
主屋のほうは実にしっかりと残っており、歴史を感じさせる風格がある。
Sさんと二人で、
群馬にこのくらいしっかりと残った製糸関連の建物があったら、
絶対世界遺産のリストにはいっているね、と話した。
しばし明治期の製糸所跡に感動していた。
さて、有形文化財の旅館のなかで昼食をとり、
腹ごしらえも済んだところで、あとは残り全部を見るために精力的に回ります。
離れたところが多いので、結構歩きました。
鋳造所の建物や醸造所、旧家の長屋門などが多い。
いくつか紹介します。
場所によっては武家屋敷のような雰囲気である。
そうやって終に午後4時前には104ヶ所全部の有形登録文化財を見ることができました。
完全制覇です。
すごい!
Sさんがどんどん効率よく道順を考えて連れて行ってくれたので、
私は付いていくだけ。
しかも全部制覇といっても、ただゲームのように回るのではなく、
住んでいる人の話を聞いたり、建物全部と登録有形文化財の証明のプレートもすべて写真に収めます。
そしてどうしてこの地にこんなに古い建物がたくさん残ったのか、
町の歴史や変遷を考えたり(というか私は教えてもらうばかりですが)、
町づくりの様子を話したりしながら、建物を見てまわりました。
さて、これで真壁の見学はおわりましたが、
まだ陽があるから、と急遽つくばにむかいました。
そう、日本の養蚕の発祥の地といわれている「蚕影(こかげ)神社」に行ってみることにしたのです。
その話しは次回に。
つづく。