堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

伝道師活動と箱石先生の講演

2009-11-13 09:41:53 | 勉強会、講演会

11月10日、早朝に家を出てJR熊谷駅に行きました。


Cimg1412 熊谷駅


熊谷は群馬県の隣、埼玉県ですが、ここで富岡製糸場世界遺産のキャンペーンをおこないました。

「群馬県ではいま富岡製糸場と絹産業遺産を世界遺産に登録する運動をしています」と

チラシを配ったり、パネルを飾って説明をしたりします。

場所は熊谷駅の改札を出たところで、花屋さんと沖縄の物産展の間でした。


Cimg1399 北口で伝道活動



たまには私も伝道師としてこういう活動に参加します。

始めの頃はチラシを配るのも勇気がいるし、パネルの説明も聞かれてわからないことがあったらどうしよう、

なんてドキドキしたものですが、最近はだいぶ慣れました。

特にチラシ配りは、テレビかなにかで、町中でティッシュやチラシを配る人の極意というか、

どうしたら手に取ってもらえるか、なんていうのを見て参考にしたら結構うまくなりました。

パネルの説明も相手にあわせて、自分の得意分野をしゃべるとよく聞いてくれるみたいです。



熊谷駅でみつけたすてきなもの。

北口の階段をおりたところに、新幹線開通を記念して昭和11年の熊谷市の鳥瞰図が壁面に飾られていました。


Cimg1409 熊谷市の鳥瞰図 左


Cimg1410 鳥瞰図 中央


Cimg1411 鳥瞰図 右


大きすぎるのと、文字の色が薄いので見にくいのですが、当時の駅のまわりの様子がよくわかります。

片倉製糸の熊谷工場があったり、繭検査所があったり、いくつか製糸所もあります。


書いたのは鳥瞰技法の絵図では第一人者の吉田初三郎です。

横浜や神奈川では、彼の鳥瞰図はいくつか復刻されていて、少し持っています。

見ていると町の様子がよくわかって、いつまでも眺めてしまいます。

熊谷のもあったのか、とおもい写真にとったけれど、大きすぎてうまく撮れません。

手頃な印刷物として復刻していたらいいのにな、とおもいました。




さて、そんな感じで2時間伝道師活動をしたあと、

こんどは熊谷駅から湘南新宿ラインに乗って横浜に向かいました。


「パシフィコ横浜」で昨年古文書を読み解くのにたいへんお世話になった箱石先生の講演があります。

ここははじめて来たのですが、幕張メッセや東京ビッグサイトのような感じの建物で

大規模なイベントがおこなわれる場所なんですね。


Cimg1416 パシフィコ横浜


講演は「第11回図書館総合展」の中のフォーラムでの開催でした。


展示のほうは出展者数が170以上の大きなイベントで、おもいがけず最新の図書情報が得られました。

一番驚いたのは明治7年からの新聞記事のデータベースです。

「ヨミダス歴史館」のデモンストレーションでためしに「富岡製糸」と入れて検索してみたら、

驚くほど明治初期の記事が出てきて、どれも読んでみたいものばかりでした。

図書館で早速にやってみようとおもう。

絶対堅曹さんの記事がでてくるはず、と確信をもってます。

とまあ、余計な話ばかり。



肝心の箱石先生のお話は、東大資料編纂所の絵画や錦絵、古写真、古文書などのデータ解析の話でした。

「東京大学史料編纂所画像史料解析センターにおける 幕末維新期画像史料研究」というタイトル


Cimg1421 箱石先生の講演


10年程前から史料編纂所でも写真や絵画の画像史料を取り入れようと解析センターが設置されたという。

ひとつ、戊辰戦争を風刺した浮世絵を例にあげて解析の方法を説明してくださった。

絵師、版元なども記されていない場合の時代の特定の仕方や、

風刺の場合、登場人物の着物の柄や手ぬぐいの柄で藩名をあらわしている、とか

何のパロデイーになるのかは、

先行した文学作品とおもわれる絵図と比較してみると参照しているのがよくわかる、ということ等々。

本当に当時の全般に精通していなければ解析できないとおもった。


古写真のほうを解説してくださった谷先生の話も

ジョン万次郎が万延元年に写真を撮っていたか?という話で、

確定していく経緯は、とても興味深かった。


歴史を検証していくのは、本当に細部まで目をこらして膨大な知識をもってやらなければならず、

それが現在はパソコンを駆使したデータ解析も使って行われている状況がよくわかりました。


貴重な文献や錦絵がデータベース化されることで、家にいながら見ることができるのは、

今もだいぶお世話になっていますが、もっともっと豊富になるのは大賛成!

図書の分野でもどんどんデジタル化が進んでいるのを実感した日でした。