堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

10月の出来事

2009-11-05 09:28:28 | 勉強会、講演会

朝晩ずっと寒くなり、紅葉の便りが届き、なんと雪の便りまで届いてしまって、

もう11月になってしまいました。

時のたつのは早い!


更新もあまりできないうちに月がかわってしまったので、忘れないうちに

堅曹さん関連、シルク関連で行ったところなどをサクッと書いておきます。



まず、

10月10日 横浜へ「原三溪市民研究会」に行きました。


Cimg0768 会場の横浜美術館 「大・開港展」開催中


もう原稿は出版社へ行き、本ができるのを待っていますが、

市民研究会では『原三溪翁伝』をテキストにもっと深く原三溪のことを学び、

多くの方にこの本のことを知っていただく活動をしていこう、と第2部の活動がはじまりました。


まずこの日は、本の最初の部分の解読を担当した私が本文の内容を紹介して、

それに基づいて質問を受けたり、意見交換をしました。

とても活発な話し合いとなり、これから研究会として原三溪の積極的な活動ができそうな予感です。



10月18日 富岡製糸場世界遺産講演会・ジンポジウム

出席者がクリスチャン・ポラック氏と横浜スカーフを復活させた椎野秀聴氏と聞けば行きたくなってしまい、

午前中に仕事を終わらせて駆けつけました。


Cimg0782 会場は富岡製糸場


ポラック氏はパワーポイントを使って、たくさんの図版を見せながら

「フランスにおける富岡製糸場の役割」と題しての講演。


日本の開港前夜からのフランス国の動きを解説。

フランスは日本の生糸の総生産の50%を輸入して、日本はフランスの最新の技術を求め、

横須賀造船所をつくったヴェルニーらの来日、フランス軍人による陸軍の近代化がおこなわれた。

両国はそうやって相互依存関係が50年間つづいた。

そのいったなかで富岡製糸場がフランス人の指導のもと、日本人によってつくられた。

ポラック氏は最後に富岡製糸場の建物は「日仏傑作だ!」(合作ではなく)とおっしゃった。



シンポジウムでは、外国人からみた富岡の印象や製糸場の活用方法、

市を国際化していかなくてはいけない、といった話がでました。


Cimg0800 シンポジウム


県外や国外からの意見は具体化に富んだもので、世界遺産へ一層のはずみとなる講演会でした。



20日 伝道師協会の現地研修で上田方面へいきました。

長野県上田市は昔から蚕種の製造が盛んな地域で、

現在日本で5ヶ所しか残っていない蚕種製造会社のうちのひとつ「上田蚕種」があります。

大正時代につくられた建物も残っていて、

種紙を保存している冷蔵の部屋や検査室など、初めてみることができました。


Cimg0846 上田蚕種株式会社

Cimg0825 採卵室で 蛾と蚕種



徒歩圏内には信州大学繊維学部があります。


Cimg0884


前身は上田蚕糸専門学校。

大学のシルク関係の学部がこんなに大きな校舎とはおもわなかった。

繭や蛾の意匠がふんだんに使われた繊維学部の講堂がすばらしいです。


Cimg0876 講堂内部



その他、笠原工業の繭蔵や上塩尻蚕種製造農家群、


Cimg0888 笠原工業の木造5階建て繭蔵


Cimg0939 上塩尻の蚕種製造農家


今年の10月にできたばかりの藤本蚕業歴史館(ここはすごい古書の宝庫です)、

小岩井紬工房(NHK「鶴瓶の家族で乾杯」で見た家族だったのでびっくり!)、

海野宿(豪壮な養蚕農家です)を見学しました。


蚕種をつくったり、全国に販売して歩いた人々は昔「たねやさん」と云われていました。

その実態が理解できたのがうれしかったです。


帰りのバスで責任者のMさんから速水堅曹について話したら、といわれ

急なことで何も用意してなかったが、少し話をさせていただきました。

初めての経験でまとまりのないことしか言えず、全く下手でした。

もっと具体的に、初めて聞いた人もどんな人物かわかるようにエピソードも多くして、

と反省することばかり。


しかし、このブログを読んでいた人が、私が書いていたことを知り驚いた、といってくれたのが、

うれしいやら恥ずかしいやら。



23、24日は甥っ子の結婚式で小淵沢まで。

紅葉がはじまり、美しい森のなかでの結婚式でした。


Cimg1032 結婚式の行われたリゾナーレ


翌日近くの平山郁夫シルクロード美術館に寄りました。


Cimg1192 平山郁夫シルクロード美術館


彼のシルクロード・コレクションや有名な駱駝のキャラバンの絵をたくさん見て、

140回以上スケッチにでかけたシルクロードの地図をみていると、

ふと今の自分が日本のなかのシルクロードを追いかけていることを思い出し、

偶然、本物のシルクロードを知る機会であったんだと気がついた。



さて、最後は29、30日と「シルク・サミット2009 in 須坂」です。

前の週の長野県上田に続き、こんどは須坂です。

一度訪れてみたかった蔵の町。

もちろん繭蔵です。

そして大きな水車をつかった水力を動力とする器械製糸が特徴。

堅曹さんも訪れていた町。

楽しみにして行ってきました。

詳細は長くなるので、回を改めて。