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ジャン・ヴィゴ監督『アタラント号』その1

2020-12-29 07:33:00 | ノンジャンル
 DVDで、ジャン・ヴィゴ監督・共同脚色の1934年作品『アタラント号』を再見しました。

 はしけ。煙。教会。親爺(ミッシェル・シモン)、少年の腕を引き、「モタモタするな」。いったん教会に戻り「父と子と聖霊の御名において。アーメン」と言うと、走り出す二人。
 結婚式。音楽。新郎新婦を先頭にした行列。「もう泣くのはやめなさい。いい婿じゃないか。いつか里帰りするさ」。「あの娘が村を離れるなんて」「祝宴を楽しみにしてたのに」「おい、おい」「船まで行くのか? 花婿も知らんのにな」。
 親爺「船長の花嫁への挨拶は?」少年「教わったよ」「わしが教えた?」。
「二人ともいやに急いでますな」「遅れると船会社が文句を言うらしいんです」「ほら、男女二人ずつ並んで歩いて下さい」「船乗りと結婚なんて」「昔から変わった娘でね」「村が嫌いなのかしら」「二人はもう村に入ったぞ」。
 新郎新婦が間をあけて先頭を歩いていく様子をパン。
 堤防の上を歩く新郎新婦。
 猫を肩にのせて親爺「花嫁への挨拶は?」「まあね」「ちゃんと言ってみろ。最初はどうする?」「花嫁の前に進んで」「何って言うんだ?」「“アタラント号で楽しく暮らせますように”だ」「そうだ。花は?」「バケツに」(猫に)「お食べ。(少年に)紙を取り換えろ。衣装が濡れちまう。来たぞ」。アコーディオンを弾き始める親爺。踊る少年は、バケツを蹴っ飛ばしてしまい、花は川面に。「バカ野郎。ダメな奴だ。ヘマばかりしおって。よこせ」。バケツで少年に水をかける。「帽子が川に…」「花はどうする?」「買ってくる」「花屋なんかあるもんか。間に合わん。腹が立つ。どこへ行く? もう気にするな。いいから戻ってこい。怒ってないぞ。おい」「花を摘んでくる」。母さん猫を抱く親爺。「やれやれ、ほら」。
 新郎新婦が歩く。
「早くしろ。急ぐんだ。そこだ。落ちるなよ。紙で包むんだ」。少年、花嫁に花束を渡し、「アタラント号にようこそ」「紙を巻け」。
「すぐ出港で?」「エンジン始動」。
 悲しげな花嫁。
 作業ズボンをはく新郎のジャン。エンジンを始動させる。「花嫁を」。長い棒を回してそれに乗って船に乗る花嫁。「ジュリエット! ジュリエット!」「あんたの娘さんだね」。親爺も船に乗る。ジャン、手を振り「さよなら」。帽子を飛ばし、両手を上げて「行ってきます」。黙って見つめる人々。
 甲板上で花嫁を後ろから抱くジャン。そのままそこに横たわる二人。そこにネコが襲いかかり、花嫁は歩き出す。すれ違う船。
 仰角で子供を連れた老女。ジャンをネコらが襲う。顔に傷を受けるジャン。花嫁をお姫様抱っこするジャン。
 親爺「早くしろ。花嫁を歌で起こそう。一、二、三、船の上じゃさぼれない♪働かなくちゃ♪舟遊びじゃない。船を走らせるんだ♪(笑顔の花嫁)俺たち、ケツで舵とる、いかつい男♪美人の顔と声が俺たちを呼ぶ♪待ち遠しくても耐えねばならぬ♪陽気な気分の船乗りならば♪」。甲板を這ってくるジャン。花嫁を抱く。「恋人たちは船出したのさ♪これからずっと船の上♪(ジャンの帽子を取る花嫁)二人の首は日に焼けて♪(ヒソヒソ話をして笑い合う二人)4つの“ひとみ”は風の色♪船乗りたちが二人をさらい♪(キスする二人)」。「さあ、ロープを岸につけるぞ」「親爺さん、またネコがベッドの上にいる。来てくれ」「ネコの方が人間よりずっとマシだ」。ネコを抱いている。天井からのショット。花嫁「これよ」親爺「かわいいぞ。ここにいたのかい。(黒ネコと子ねこ3匹)それで姿が見えなかったんだ(ネコをなでる)」。ジャン「ベッドだぞ。何とかしろ」「わしの“せい”じゃない。見てくれ」。3匹の子ネコ。「連れてけよ。水に放るぞ」「水に? まだ泳げもしない子ネコを? 行こう。子ネコちゃん。おいで、怖い人から逃げよう」ジャン「あんな子ネコがまだ3匹もいる」「シーツは?」「戸棚へ」。戸棚から大勢のネコ。「洗濯したことあるの?」「たまには」「不潔よ」。カバンからエプロンを出す花嫁。「明日やれよ」「どうして?」「今日はもういいから、やめろよ」「やるの」「いつでもできるだろう」「ダメよ」「じゃ一緒にやろう」。
 親爺「今メシを作ってやる」ジャン「汚れ物を出して」「汚れ物?」「子供を産んだんだね」「汚れ物?」「洗うんだって」「花嫁が洗濯を?」。
 洗濯する二人。「親爺さんはいいって」「洗わないの?」親爺「自分で洗う。花嫁に洗ってもらうなんて」「バカ言わないで早く渡せ」「洗いたいのか? お返しに買い物でもしてくるかな」。口笛。ジャン「ほら、友だちが来たぞ」親爺「ラスプーチン!」「レコードを?」「持ってんのか? 長い奴か?」「見てくれよ」「蓄音機が直っとらん」ジャン「親爺さんの友だちさ。いつも何か買わされる。壊れたバネや古い物をね」。

(明日へ続きます……)

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