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ロバート・クレイマー監督『アイス』&『マイルストーンズ』

2020-12-24 09:46:00 | ノンジャンル
 DVDでロバート・クレイマー監督・脚本の1969年作品『アイス』を観ました。ブックレットから文章を転載させていただくと、

 舞台は全体主義国家と化した近未来のアメリカ合衆国(ニューヨーク)。メキシコ革命を圧殺すべく、アメリカ合衆国は同国に軍事介入をおこなった。そのため目下、メキシコでは、“解放戦線”が米軍と闘っている。おそらくこのとき、かつてヴェトナムが担っていた合衆国の帝国主義に対する抵抗闘争は、ラテンアメリカ(とりわけメキシコ)が引き継いでいるのである。
 一方合衆国では、街に夜間外出禁止令が敷かれ、公安およびその手先と思われる暴力的集団が反体制勢力を監視・逮捕・拷問している。そんななか、潜伏していた“無党派革命組織全国委員会”の若き革命家や闘士が、ゲリラ活動に従事するための準備を始める。主なメンバーは、指導者ジム、テッド・グリフィン、レズリー、ロバート(ロバート・クレイマー)といった面々だが、名前のわからないメンバーも多数登場する。ほかに、委員会の正式メンバーではないようだが、少なくとも彼らのシンパにして協力者であることは明らかな書店経営者の中年男ハワード・バブーフがいる━━ただし、バブーフは、ジムから「裏切り者」の嫌疑をかけられている。
 闘士たちの目標は、白人革命家と非白人革命家━━黒人革命家、プエルトリコ人革命家、メキシコ人革命家━━とを連帯させ、国内に「第二戦線」を作り出すことだ。彼らはみな、同じような搾取や暴力の犠牲者になりやすい存在なのだが、それは互いに理解し合うことができず、分断されているからである。一方、“無党派革命組織全国委員会”の指導者層も、自らの活動をめぐる自信喪失、同志に対する疑惑、官憲への恐怖に苛まれている。
 やがて革命のための攻勢が勃発する。破壊活動を扇動する新聞紙が発行される。陸軍大佐が誘拐され、政府高官が暗殺され、精油所が爆破される。刑務所や、テレビおよびラジオ局が襲撃される。公安側が“無党派革命組織全国委員会”の指導者テッドを殺害した後、指導者の地位はジムに引き継がれる。ジムは公衆電話を通じて同志の一人に指示を与え、闘争継続の意思を言明する。

 ナレーション、ダイアローグ、会議での発言、字幕、写真で構成された映画でした。

 またDVDで、ロバート・クレイマー&ジョン・ダグラス監督の1975年作品『マイルストーンズ』も観ました。ブックレットから文章を転載させていただくと、

 映画は大きく分けて九組の人間集団(あるいはその個々の構成員)の描写を、交互に組み合わせることで構成されている(全体はおおまかに分けて、全部で66のシークエンスで構成されている)。家族や友人が寄り集まって形成されるその人間集団は、以下の通り。

1 ニューヨーク在住の老婦人“ママ”とその娘
2 名前のわからない女性Aと彼女の生活共同体
3 ルイスとアンバー、彼らの息子リーフ/およびルイスとその友人
4 女性映画作家ヘレン、彼女の長女カレン、次女エリザベス
5 服役を終えたピーター、彼が出会う若い先住民女性、ピーターの父
6 元弁護士の女性ジャンと、その女友だちスーイ
7 元大学教員ジミーと鍼治療師ジェイン、彼らの息子ディラン
8 盲目の陶芸家ジョンを中心とした生活共同体(サル、ボビー、テリー、ジミー父子ら)
9 酒場経営者ジョーとウェイトレスのゲイル

 上記の集団はそれぞれ完全に独立しているわけではなく、各集団を媒介する人物が複数存在する。それは、名前のわからない女性A、カレン、ピーター、ジャン、スーイ、ジミー、ジェイン、サル、ポピー、ゲイルである。彼らの存在によって、とりわけ若い世代の登場人物の多くがかつて(おそらくSDSの)学生活動家であり、同組織解体後はコミューン生活を送っていた(現在も送っている)こと、お互いに知人同士であることが暗示される。彼らはそれぞれ、親であること、子であること、親になること(子を産むこと)について悩み、時に語り合う。さらに、(親族を含む)他者との間に横たわる溝を埋めたいと願いつつ他者を理解しようと努め、社会の急激な変化を理解し、乗り越えようともがく。その結果、映画が進行するにつれて各集団は緩やかにつながってゆき、映画全体がひとつの環を作り出すことになるだろう。同時に、この緊密さを欠いた不定形な環は、ひとつの生命・ひとつの時代・ひとつの理念・ひとつの運動が生まれては死んでゆく周期とも重ねられるように見える。

 この映画のハイライトは何といってもラストの出産シーンなのですが、映画全体の特徴は圧倒的に声と顔の映画だったということでしょう。3時間26分の長編でしたが、あっという間に観てしまいました。

 →「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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