恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず11月25日に掲載された「桜は咲くか」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「本紙特報面が「桜を見る会」への疑問を報じたのは2019年4月16日。しんぶん赤旗日曜版が本格追及記事を載せたのは同年10月13日。
この記事を含む赤旗の一連の報道は今年の日本ジャーナリスト会議（JCJ）大賞を受賞した。記者たちが舞台裏を明かした『「桜を見る会」疑惑 赤旗スクープは、こうして生まれた！』（新日本出版社）は臨場感いっぱいの好著である。
23日、その「桜」に関連した新しい記事が出た。「安倍前首相の公設秘書ら、東京地検が任意聴取」。前夜祭の会場となったホテル側への総支払額と会費徴収額の差額分を安倍氏側が補填（ほてん）していた可能性があるという内容で、スクープしたのは読売新聞。
検察が情報をリークしただけなのかもしれないが、えっ読売なの？ あれほど安倍政権ベッタリだったのに？ そんな反応が目立つ。読売が報じたのなら不起訴が前提だろうとか、安倍氏が共犯に問われる可能性がないからだとか、みんな疑心暗鬼。読売も検察も信用されていないのだ。
とはいえ続報も出てきて、地検は一応本気のようだ。もし記事の通りだったら、前首相は虚偽の答弁を続けて国会を空転させ、国民を愚弄（ぐろう）してきたことになる。私たちは忘れていない。万一これで立件 しなかったら今度こそ検察の威信は地に落ちる。御苑の桜も見ているぞ」
また12月2日に掲載された「買収ツアー」と題された斎藤さんのコラム。
「ネット上では「＃スガもプリズン」というハッシュタグが飛びかっている。『週刊ポスト』12月11日号の「政権激震スクープ」「菅首相後援者2500人パーティー 政治資金収支報告書に不記載だった」を拡散させる標語である。
2014年4月19日に横浜の一流ホテルで開かれた「すが義偉・内閣官房長官『春の集い』」（会費1500円）が政治資金収支報告書に記載されていなかったという内容で、1500円の会費で会合の費用がまかなえたのかという疑惑が浮上。もしこれが事実なら安倍前首相の「桜を見る会」前夜祭と同じ構図だ。
同誌によると、これ以外にも「成田山初詣バスツアー」「すが後援会ディナークルーズ」「すが義偉・なかよしゴルフコンペ」といった報告書に記載のない後援会行事が開かれていたそうで、きめの細かい「接待メニュー」に舌を巻く。
ただ『週刊朝日』やしんぶん赤旗がわずかに後追い報道をした程度で、この話、このまま消えそうな気配である。
表向きは会費制のこういう「接待政治」をこの国の政治家はずっと続けてきたのだろうね。バスツアー、ディナークルーズ、ゴルフコンペ。いずれもお得感いっぱいだ。GoToトラベルもこの延長線上にある気がしてきた。政府が旅費の差額分を補填（ほてん）する「買収ツアー」。クソ、騙（だま）されないぞ。」
そして11月29日に掲載された「人獣共通感染症」と題された前川さんのコラム。
「27日本紙に、東大の研究チームが日本固有のコウモリから新型コロナに似たウイルスを検出したとの記事があった。日本で人畜共通感染症が生じないよう「野生動物にどんなウイルスがいるのか、人に広がる可能性があるのか、詳しく調べる必要がある」という。
人畜（獣）共通感染症という言葉で思い出すのは、2016年9月21日に国家戦略特区今治市分科会に提出された「獣医師養成成系大学・学部の新設について」と題する文書だ。
獣医学新設が必要な背景として、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群（MERS）など「人獣共通感染症」の発生や国境を越えた流行を挙げ、このような新分野への対応は、既存の大学で「十分な取組がなされているとは言えない」と断じ、新設学部は「世界に冠たる先端ライフサイエンス研究」を行う国際教育拠点だと主張した。
加計学園問題で安倍首相が追及されていた17年6月13日、国家戦略区諮問会議の竹中平蔵氏、八田達夫氏ら民間委員が、加計学園の獣医学部の新設の「正当性」を主張した「国家戦略特区獣医学部の新設について」と題する文書でも、「人獣共通感染症対策」が、学部新設が必要な理由の一つとされていた。
さて、加計学園の獣医学部は今、人獣共通感染症対策として、何かしているのだろうか。」
今回は特に斎藤さんの２つのコラムが痛烈で、強い共感力を持つ文章だと思いました。
→「Nature Life」（http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto）
→FACEBOOK（https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135）
まず11月25日に掲載された「桜は咲くか」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「本紙特報面が「桜を見る会」への疑問を報じたのは2019年4月16日。しんぶん赤旗日曜版が本格追及記事を載せたのは同年10月13日。
この記事を含む赤旗の一連の報道は今年の日本ジャーナリスト会議（JCJ）大賞を受賞した。記者たちが舞台裏を明かした『「桜を見る会」疑惑 赤旗スクープは、こうして生まれた！』（新日本出版社）は臨場感いっぱいの好著である。
23日、その「桜」に関連した新しい記事が出た。「安倍前首相の公設秘書ら、東京地検が任意聴取」。前夜祭の会場となったホテル側への総支払額と会費徴収額の差額分を安倍氏側が補填（ほてん）していた可能性があるという内容で、スクープしたのは読売新聞。
検察が情報をリークしただけなのかもしれないが、えっ読売なの？ あれほど安倍政権ベッタリだったのに？ そんな反応が目立つ。読売が報じたのなら不起訴が前提だろうとか、安倍氏が共犯に問われる可能性がないからだとか、みんな疑心暗鬼。読売も検察も信用されていないのだ。
とはいえ続報も出てきて、地検は一応本気のようだ。もし記事の通りだったら、前首相は虚偽の答弁を続けて国会を空転させ、国民を愚弄（ぐろう）してきたことになる。私たちは忘れていない。万一これで立件 しなかったら今度こそ検察の威信は地に落ちる。御苑の桜も見ているぞ」
また12月2日に掲載された「買収ツアー」と題された斎藤さんのコラム。
「ネット上では「＃スガもプリズン」というハッシュタグが飛びかっている。『週刊ポスト』12月11日号の「政権激震スクープ」「菅首相後援者2500人パーティー 政治資金収支報告書に不記載だった」を拡散させる標語である。
2014年4月19日に横浜の一流ホテルで開かれた「すが義偉・内閣官房長官『春の集い』」（会費1500円）が政治資金収支報告書に記載されていなかったという内容で、1500円の会費で会合の費用がまかなえたのかという疑惑が浮上。もしこれが事実なら安倍前首相の「桜を見る会」前夜祭と同じ構図だ。
同誌によると、これ以外にも「成田山初詣バスツアー」「すが後援会ディナークルーズ」「すが義偉・なかよしゴルフコンペ」といった報告書に記載のない後援会行事が開かれていたそうで、きめの細かい「接待メニュー」に舌を巻く。
ただ『週刊朝日』やしんぶん赤旗がわずかに後追い報道をした程度で、この話、このまま消えそうな気配である。
表向きは会費制のこういう「接待政治」をこの国の政治家はずっと続けてきたのだろうね。バスツアー、ディナークルーズ、ゴルフコンペ。いずれもお得感いっぱいだ。GoToトラベルもこの延長線上にある気がしてきた。政府が旅費の差額分を補填（ほてん）する「買収ツアー」。クソ、騙（だま）されないぞ。」
そして11月29日に掲載された「人獣共通感染症」と題された前川さんのコラム。
「27日本紙に、東大の研究チームが日本固有のコウモリから新型コロナに似たウイルスを検出したとの記事があった。日本で人畜共通感染症が生じないよう「野生動物にどんなウイルスがいるのか、人に広がる可能性があるのか、詳しく調べる必要がある」という。
人畜（獣）共通感染症という言葉で思い出すのは、2016年9月21日に国家戦略特区今治市分科会に提出された「獣医師養成成系大学・学部の新設について」と題する文書だ。
獣医学新設が必要な背景として、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群（MERS）など「人獣共通感染症」の発生や国境を越えた流行を挙げ、このような新分野への対応は、既存の大学で「十分な取組がなされているとは言えない」と断じ、新設学部は「世界に冠たる先端ライフサイエンス研究」を行う国際教育拠点だと主張した。
加計学園問題で安倍首相が追及されていた17年6月13日、国家戦略区諮問会議の竹中平蔵氏、八田達夫氏ら民間委員が、加計学園の獣医学部の新設の「正当性」を主張した「国家戦略特区獣医学部の新設について」と題する文書でも、「人獣共通感染症対策」が、学部新設が必要な理由の一つとされていた。
さて、加計学園の獣医学部は今、人獣共通感染症対策として、何かしているのだろうか。」
今回は特に斎藤さんの２つのコラムが痛烈で、強い共感力を持つ文章だと思いました。
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