恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず12月9日に掲載された「万一を考える」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「日本の医療行政は、長い間、経済的な効率を優先してきた。発端は1982年の第二次臨調を受けた「医療費亡国論」で、「日本はいずれ医師が余る」「このままだと財政が破綻する」というもっともらしい理屈の下、医学部の定員を抑える、病院の統廃合を進めるなどさまざまな形で医療費の削減に努めてきた。
その結果がいまなわけよね。慢性的な病床不足に医師不足。当然それは労働強化につながって、看護師の離職を招く。大阪の脆弱(ぜいじゃく)な医療態勢も橋本大阪府から続く医療軽視が一因といわれる。
為政者は軍事方面では万一敵が攻めてきたらとばかりいっているけど、それ以外の「万一」は考えない。まさか日本が未曾有の感染症の流行に見舞われるとは、予想もしなかったのだろう。
大阪地裁が関西電力・大飯原発3,4号機の国による設置許可を取り消す判決を出した。判決は地震が起きた際の規模の想定について、原子力規制委員会の判断には「看過しがたい過誤、欠落がある」と指摘した。
感染症と原発は別の話とはいえ、この時期にこういう画期的な判決が出たのは、「万一」の危機を想定しない国や規制委や電力会社に対する重大ないましめに思える。
地震も感染症も自然災害。起きるときは起きるのよ。木曜本欄の三木義一さん風にいえば「放置国家」から脱却しなさいって話。」
また、12月16日に掲載された「WCかるたの怪」と題された斎藤さんのコラム。
「十一日、東京都が「ウィズコロナ東京かるた」を発表した。データをダウンロードして印刷し、ハサミで切って使えという。だが案の定、きわめて評判が悪い。
【あ】愛してる/家族のために/距離をあけ
【い】家でもね/会話するとき/マスクする
【う】うちの中/コップやタオル/共有しない
【え】映画館/マスク着用/会話は控えて
【お】オンライン/三密なしで/親密に
こんな時に言葉遊びかと思いますよね。でもこれ、言葉遊びにもなっていない。啓蒙(けいもう)してやろうという意図が見え見えだし、言語感覚もゼロ。
【よ】よく笑い/免疫力を/あっぷっぷ
と言われても笑えません。それよりはコロナ禍風刺(ふうし)かるたでも考えたほうがまだマシだ。
【あ】アクセルもブレーキも踏めと言う総理
【い】イソジンでウイルス減ると知事は言い
【う】麗しきアベノマスクは今いずこ
【え】エビデンスじつはなかった一斉休校
【お】お父さん在宅ワークでウザがられ
かきくけを飛ばしていまの状況はといえば…。
【こ】GoToに固執しすぎて墓穴掘り
WCかるた(と略したい)のもうひとつの欠点は、絵だけのはずの「取り札」にまで文章が入っていることだ。基本的な設計ミス。それにかるた取りって密を招く遊びですよね。」
そして、12月6日に掲載された「嘘をついたのは誰か」と題された前川さんのコラム。
「桜を見る会の前夜祭をめぐり、東京地検特捜部は安部前首相の公設第一秘書を政治資金規正法違反で立件する方針を固め、安倍氏本人にも事情聴取したという。
この問題で安倍氏は国会で「ホテル側から明細書や見積書の発行はなかった」、「後援会としての収入、支出は一切ない」などと答弁していたが、これらは虚偽答弁だった。
しかし「安倍氏周辺」(週刊文春によると私設秘書の西山猛氏)によると、安倍氏自身が秘書から虚偽の報告書を受けていたのだという。こんな子ども騙(だま)しを誰が信じるだろう。
加計学園問題で、加計孝太郎理事長との関係を問われた安倍氏は「加計さんから獣医学部の新設について、相談や依頼は一切ない」「(加計学園の獣医学部新設の申請を)知ったのは(2017年)1月20日」などと答弁していた。
一方、愛媛県が国会に提出した文書の中には、15年2月に加計氏と安倍首相と面談して獣医学部新設の計画を説明、安倍氏が「そういう新しい獣医学部の考えはいいね」とコメントしたと記録されていた。
しかし、安倍氏はこの面談はなかったと白を切り、加計学園は事務局長が愛媛県に虚偽の報告をしたのだと説明した。
上の者がついた嘘を守るために、下の者が嘘つきの汚名を被(こうm)る。情けない世の中だ。」
どれも一読に値する、渾身の文章であると思いました!
→「Nature Life」(表紙が重いので、完全に表示されるまで少し時間がかかります(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(名前を入れて、FACEBOOKに登録しておけば、見られます)(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)
まず12月9日に掲載された「万一を考える」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「日本の医療行政は、長い間、経済的な効率を優先してきた。発端は1982年の第二次臨調を受けた「医療費亡国論」で、「日本はいずれ医師が余る」「このままだと財政が破綻する」というもっともらしい理屈の下、医学部の定員を抑える、病院の統廃合を進めるなどさまざまな形で医療費の削減に努めてきた。
その結果がいまなわけよね。慢性的な病床不足に医師不足。当然それは労働強化につながって、看護師の離職を招く。大阪の脆弱(ぜいじゃく)な医療態勢も橋本大阪府から続く医療軽視が一因といわれる。
為政者は軍事方面では万一敵が攻めてきたらとばかりいっているけど、それ以外の「万一」は考えない。まさか日本が未曾有の感染症の流行に見舞われるとは、予想もしなかったのだろう。
大阪地裁が関西電力・大飯原発3,4号機の国による設置許可を取り消す判決を出した。判決は地震が起きた際の規模の想定について、原子力規制委員会の判断には「看過しがたい過誤、欠落がある」と指摘した。
感染症と原発は別の話とはいえ、この時期にこういう画期的な判決が出たのは、「万一」の危機を想定しない国や規制委や電力会社に対する重大ないましめに思える。
地震も感染症も自然災害。起きるときは起きるのよ。木曜本欄の三木義一さん風にいえば「放置国家」から脱却しなさいって話。」
また、12月16日に掲載された「WCかるたの怪」と題された斎藤さんのコラム。
「十一日、東京都が「ウィズコロナ東京かるた」を発表した。データをダウンロードして印刷し、ハサミで切って使えという。だが案の定、きわめて評判が悪い。
【あ】愛してる/家族のために/距離をあけ
【い】家でもね/会話するとき/マスクする
【う】うちの中/コップやタオル/共有しない
【え】映画館/マスク着用/会話は控えて
【お】オンライン/三密なしで/親密に
こんな時に言葉遊びかと思いますよね。でもこれ、言葉遊びにもなっていない。啓蒙(けいもう)してやろうという意図が見え見えだし、言語感覚もゼロ。
【よ】よく笑い/免疫力を/あっぷっぷ
と言われても笑えません。それよりはコロナ禍風刺(ふうし)かるたでも考えたほうがまだマシだ。
【あ】アクセルもブレーキも踏めと言う総理
【い】イソジンでウイルス減ると知事は言い
【う】麗しきアベノマスクは今いずこ
【え】エビデンスじつはなかった一斉休校
【お】お父さん在宅ワークでウザがられ
かきくけを飛ばしていまの状況はといえば…。
【こ】GoToに固執しすぎて墓穴掘り
WCかるた(と略したい)のもうひとつの欠点は、絵だけのはずの「取り札」にまで文章が入っていることだ。基本的な設計ミス。それにかるた取りって密を招く遊びですよね。」
そして、12月6日に掲載された「嘘をついたのは誰か」と題された前川さんのコラム。
「桜を見る会の前夜祭をめぐり、東京地検特捜部は安部前首相の公設第一秘書を政治資金規正法違反で立件する方針を固め、安倍氏本人にも事情聴取したという。
この問題で安倍氏は国会で「ホテル側から明細書や見積書の発行はなかった」、「後援会としての収入、支出は一切ない」などと答弁していたが、これらは虚偽答弁だった。
しかし「安倍氏周辺」(週刊文春によると私設秘書の西山猛氏)によると、安倍氏自身が秘書から虚偽の報告書を受けていたのだという。こんな子ども騙(だま)しを誰が信じるだろう。
加計学園問題で、加計孝太郎理事長との関係を問われた安倍氏は「加計さんから獣医学部の新設について、相談や依頼は一切ない」「(加計学園の獣医学部新設の申請を)知ったのは(2017年)1月20日」などと答弁していた。
一方、愛媛県が国会に提出した文書の中には、15年2月に加計氏と安倍首相と面談して獣医学部新設の計画を説明、安倍氏が「そういう新しい獣医学部の考えはいいね」とコメントしたと記録されていた。
しかし、安倍氏はこの面談はなかったと白を切り、加計学園は事務局長が愛媛県に虚偽の報告をしたのだと説明した。
上の者がついた嘘を守るために、下の者が嘘つきの汚名を被(こうm)る。情けない世の中だ。」
どれも一読に値する、渾身の文章であると思いました!
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