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サミュエル・フラー監督『折れた銃剣』

2010-11-12 05:43:00 | ノンジャンル
 海保における中国船ビデオの流出がこのところマスコミをにぎわせていますが、昨日の朝日新聞の朝刊に「保安官、独断の公開」という見出しが踊っていました。海上保安庁の職員は「保安官」なのですね。西部劇みたいでカッコいいなあ、とちょっと笑ってしまいました。

 さて、サミュエル・フラー監督・脚本の'51年作品『折れた銃剣』をWOWOWで再見しました。
 「朝鮮戦争についての映画。アメリカ軍の歩兵に捧げる。協力してくれた陸軍に感謝」という主旨の字幕。1万6千人の師団撤退命令が下されますが、それを敵が知ると総攻撃をかけてくることが分かり、敵の目を欺くため、48名の小隊を連隊と見せかけて後方防備に置くことになり、ロック軍曹(ジーン・エヴァンズ)がその任に就くことになります。倒した敵から乾いた靴下を手に入れて喜ぶ部下たち。敵はラッパを鳴らして挑発してきます。砲撃を受け、崖の中腹に空いた鍾乳洞に逃げ込む小隊。伍長のデノ(リチャード・ベイスハート)は過去に小隊を指揮して部下を死なせたことをトラウマとして、敵を撃つこともできずにいることを軍曹に告白し、軍曹とロネガンが死んだ後は自分が小隊の指揮を取らなければならなくなることを恐れ、降格を直訴しますが、軍曹はそんなデノを励まします。敵をかく乱するために部下が敵のラッパの奪取に成功しますが、一人が戻らず、ロネガンは救出に向かいますが、自分が銃撃されて地雷原の真ん中に取り残されます。デノは地雷原から彼を救出することに成功しますが、既にロネガンは息絶えていました。人形を敵に撃たせて敵の位置を知り、迫撃砲でやっつける軍曹。しかし敵の襲撃を受けて鍾乳洞に退却したところで、軍曹は敵の跳弾を受けて死にます。すぐに撤退を主張する部下たちに対して、指揮官となったデノはあくまで命令された時まで留まることを主張し、反抗したら銃殺すると言います。そしてやっと時間が来て撤退を開始すると、それに気付いた敵は戦車で追ってきますが、デノは偵察兵をおびき出して射殺し、戦車を地雷原で破壊して道を塞ぎ、敵の進軍を阻止することことに成功します。そして味方の待つ対岸へ、疲れ切った表情で歩いて川を渡るデノたちの姿で映画は終わります。
 すべてセット撮影であり、画面はオーソドックスながら、360度のパン撮影や、一人一人の表情を追いながらそれぞれの独白をナレーションで流すなど、注目すべき画面も多くありました。地雷で黒焦げになった兵士や、台詞だけながら、ちぎれた耳の描写など、それまでの戦争映画にはなかった戦争描写もあったように思います。フラー・ファンの方以外にもオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto