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マリオ・バルガス=リョサ『誰がパロミノ・モレーノを殺したか』

2010-11-22 04:24:00 | ノンジャンル
 今日はaikoさんの誕生日。彼女ももう35才です。彼女の大ファンである私としては、早く彼女の赤ちゃん誕生のニュースを聞きたいのですが‥‥。とりあえず、Happy Birthday!

 さて、今年のノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス=リョサの'86年作品『誰がパロミノ・モレーノを殺したか』を読みました。
 舞台はペルー。空軍基地のあるタデーラの町から歩いて1時間ほどのところにある老木に、串刺しにされた上、睾丸を引き裂かれた惨殺死体が吊るされているのが発見されます。町の警官リトゥーマは唯一の上司であるシルバ警部補と犯人探しを始めますが、やがて住民の証言から、殺されたのはペルー北端の都市ピウラ生まれの志願兵で、空軍基地で任務についていたパロミノ・モレーノという青年であり、生前は歌がうまく、ロマンティックな詩人といった感じで、彼が「高嶺の花」と呼ぶ女性との密会を繰り返していたことが分かります。シルバ警部補はリトゥーマとともに情報を得るため、空軍のマンドゥロー大佐への面会を申し込み、尊大な大佐が動揺しているのを見てとって、彼が事件に関わっていることを知ります。そして最後には、彼が「高嶺の花」と呼んでいたのは大佐の娘であり、モレーノは彼女と駆落ちしようとしていたこと、大佐は娘には妄想癖があり、自分の母の死の責任が大佐=父にあると思い込んでいて、大佐=父に対する誹謗中傷を真実であるかのように周囲に吹聴し、インディオの血の入ったモレーノと恋に落ちたというのも彼女の妄想にしか過ぎなかったのであって、そう考えていた大佐が娘の恋人であった中尉にモレーノを殺す許可を与えたこと、そして中尉が仲間と殺人をエスカレートさせてモレーノを惨殺してしまったことが明らかとなります。大佐は娘を殺した上で自殺し、警部補の書いた報告書は上層部で握りつぶされ、人々は真実を信じようとはせず、彼とリトゥーマには左遷の命令が下されるのでした。
 全182ページ中40ページほど読んだところで先を読むのを断念し、最後だけ拾い読みしました。会話など生き生きと書かれ、無駄で装飾的な文章も一切なく、大変読みやすかったのですが、話自体が何ともやりきれない内容で、ついていけませんでした。バルガス=リョサの本はこれでおしまいにしようかな、とも考えています。人種差別の横行する中、たくましく生きる南米の人々の熱い熱気を感じたい方にはオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto