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ルネ・クレマン監督『狼は天使の匂い』その1

2010-11-27 06:42:00 | ノンジャンル
 北朝鮮による砲撃で韓国の市民レベルで報復の気運が高まっているようですが、「毅然とした態度」の不穏な雰囲気が感じられて、よくないなあと思いました。先日の少年への死刑判決で、裁判員の1人の方がやはり、あえて自分の顔と声をマスコミに曝け出して「毅然とした態度」の表明をされていましたが、これまた不穏な雰囲気を存分に醸し出していたように思います。内田樹さんの『9条どうでしょう』を読んだ方には、彼らがやっていることの野蛮な危険性がよく分かるのではないかと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?

 さて、山田宏一さんが著書『山田宏一のフランス映画誌』の中で取り上げていた、ルネ・クレマン監督の'72年作品『狼は天使の匂い』をNHK・BS2で見ました。
 仲間の仇としてイタリア人グループに命を終われているパリ生まれのトニー(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、モントリオールで偶然にレナーという男が殺される場に行き会い、死の直前に「チャーリーの計略だ。ドボガンは死んでいる。自殺したんだ」という言葉とともに彼から大金を渡されます。その直後に現れた二人組の男・リッツィオとポールによってトニーは拉致されますが、車で連行されている時に抵抗してポールに致命傷を負わせます。湿地帯をボートで進み着いた先の小島には彼らのボスであるチャーリー(ロバート・ライアン)の隠れ家があり、彼と先の二人の二人に加え、気が荒い男マットーネ、ポールの妹で人を殺すことを何とも思わないペッパー、そしてチャーリーの情婦で料理係のシュガー(レオ・マッサリ)が住んでいました。トニーはフランスで起こした強盗と警官殺しの罪で警察に追われていると嘘をつき、腹に銃創を負っているのがその証拠だと言ってチャーリーを信用させると、彼から金をもらい逃がしてもらいますが、島と陸を結ぶ唯一の橋の向こうに追っ手の姿を見て隠れ家に取って返します。彼はレナーが持っていた大金のありかを知っていると言って、命を保障しれくれればそれを教えるとチャーリーに迫りますが、チャーリーはすぐにその話には乗りません。芸術家肌のリッツィオが作った作品を誉めて彼を味方にしたトニーは、シュガーからもその男気の良さから好意を寄せられますが、まもなくトニーの腹の傷がナイフによるものであることにシュガーは気付き、彼が嘘をついていたことを知ります。トニーは追っ手が警察ではないことを告白しますが、チャーリーは彼の嘘を許し、シュガーが彼と寝ることも許します。トニーはポールに致命傷を負わせたのも自分であることをペッパーに告白しますが、ペッパーは彼を殺すことができず、自分の本当の名はミルナだと言い、彼を愛してしまったことを認めます。そこへ武器商人がやってきますが、ポールとレナーがいなくなっていることを必要以上に詮索したため、殺され、彼らは武器と車を手に入れます。そしていよいよチャーリーの計画が実行される時が来ます。
 ということで、まだ長くなりそうなので、続きは明日に‥‥。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto