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早川いくを『またまたへんないきもの』

2009-08-13 13:48:00 | ノンジャンル
 「へんないきもの」の続編、早川いくをさんの'05年作品「またまたへんないきもの」を読みました。
 70本もの粘液の玉が並ぶ「玉スダレ」を一匹が天井から吊り下げ獲物を狙うツチボタル、追いつめられると目から血を発射して敵を威嚇するツノトカゲ、魚の口の中に夫婦揃って寄生するタイノエ、長い布のような体の両脇に無数の毛と足が生え、正面には恐ろしい牙が多数生えた丸い大きな口を持つ、この上なく醜いメタンアイスワーム、24種類もの活動形態に変異するフィエステリア、海面から飛んできて人間に突き刺さることもある、槍のような形をしたダツ、ヒレを手だかヒゲだかわからぬ不気味な触手へと進化させ、その先端にある味覚器官を使って逆立ちになりながら海底をまさぐるサケビクニン、体長40メートルにもなる、地球上で一番長大な生物クダクラゲ、厚みがなく真横から見ると消えてしまう二次元生物フィロソーマ、と最初の40ページだけでもこれだけへんてこな生物が出て来ます。全部で170ページのこの本にはこの4倍のおかしな生物がでてくることになります。そして生物の紹介以外にも、おかしな名前として、宴会ばかりやっている宴会山に住む焦茶色の浩子がムクゲに生えたキノコを敷いてお迎えした虫とも読める「エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシ」とか、読んでいるだけで笑ってしまう「トゲアリトゲナシトゲトゲ」、本当にウルトラマンの顔が集まっているように見える「ウルトラマンボヤ」、どっちなのかはっきりしてほしい「スベスベケブカガニ」、もう適当につけたとしか思えない「クソイカ」「クソガニ」「ブタハダカ」「ボロカサゴ」「ウンコタレ」などが紹介され、それ以外にも生物の紹介文が丸まる「まんが日本昔話」風だったり、「サザエさん」のカツオの独白だったり、形が似ているゲゲゲの鬼太郎の妖怪の話だったりしている部分もありました。回虫研究家の藤田紘一郎博士へのインタビュー記事と、絶滅危惧種に関する考察も掲載されています。
 前作にもまして奇妙キテレツな生物のオンパレードでした。生物の多様性に興味のある方にはオススメです。