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ヴィム・ヴェンダース監督『ランド・オブ・プレンティ』

2009-08-14 17:51:00 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、ヴィム・ヴェンダース監督・原案・脚本の'04年作品「ランド・オブ・プレンティ」を再見しました。
 元米陸軍特殊部隊曹長のポール(ジョン・ディール)は、テロ対策のためバンを使って街角を監視しています。母の手紙を叔父のポールに手渡すためにイスラエルから生まれ故郷のロスにやってきたラナ(ミシェル・ウィリアムズ)はポール宅を訪ねますがポールは警戒して会ってくれません。ラナの様子を伺いに来たポールはそれまで追っていたアラブ人のハッサンが銃で撃たれるのを目撃し、死の直前にトロナという言葉を聞き出すと、その場にいたラナに自分が叔父であることを明かして立ち去ります。ラナはハッサンの身元を調べトロナがハッサンの兄の実家がある場所であることを突き止め、ポールとともに向かいます。ラナがハッサンの兄の家を訪ねている間に、ポールは現れた男たちを不審者と見なして尾行しアジトと見た家に突入しますが、そこには寝たきりの白人の女性がいるだけでした。ポールはラナの元へ行き、ハッサンの兄にハッサンが生前に何をしていたかを聞きますが、生活のために働いていたという答えしか得られません。白人の少年がハッサンの射殺犯として逮捕され、ポールはとまどいを隠せず、その晩ラナのモーテルに泥酔して現れると、ベトナム戦争の悪夢にうなされます。翌日ポールは娘を託すというラナの母からの手紙を読み、9・11以降悪夢が甦ったとラナに話すと、ラナはその時パレスチナの人々の歓声を聞いたと語り、9・11の犠牲者たちは報復を望んでいないと思うと話します。二人はグランドゼロを訪れ、死者の声に耳を傾けるのでした。
 明確なメッセージ・ムービーですが、それに留まらない画面の美しさがありました。特に冒頭の場面で上部が靄に煙る摩天楼の風景は息を飲むほどでした。ミシェル・ウィリアムズはちょっとジュリエット・ビノシュを思わせる、雰囲気を持った女優さんで、好感が持てました。「パリ、テキサス」が好きな方にはオススメかも。