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F・W・ムルナウ監督『ファントム』

2009-08-20 14:57:00 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、F・W・ムルナウ監督の'22年作品「ファントム」を見ました。
 「第一幕」の字幕。ローレンツは妻のマリーに勧められ、過去の苦しみから逃れるため自伝を書き始めます。文学青年だった彼は役所に出勤する途中で馬車にはねられ、馬車に乗っていたヴェロニカに一目惚れします。「第二幕」の字幕。隣人のマリーとその父は詩人としてローレンツを後援してくれるように編集者に頼んだと言い、ローレンツは自分の詩集が出されることを金貸の叔母に話しますが、編集者はローレンツの詩は出版に値しないとマリーらに言ってきます。家出した妹に酒場で会ったローレンツは、妹の連れであるヴィゴツィンスキからヴェロニカに縁談があることを知ります。「第三幕」の字幕。ローレンツの元にヴェロニカを付け回すなと使いの男が言いに来ますが、彼はヴェロニカの家を訪れて結婚を申し込み、ヴェロニカの両親は1年後に答えると言います。ローレンツはレストランでヴェロニカに瓜二つのメリッタに出会い篭絡されます。「第四幕」の字幕。メリッタの母に金を要求されたローレンツはヴィゴツィンスキに説得され叔母を騙して大金を出させることに成功し、メリッタとともに買い物をしまくります。叔母はローレンツが役所をクビになったことを知り、金を3日以内に返さなければ警察に通報するとローレンツに言います。建物が崩れてきてその影に追われる幻覚を見るローレンツ。「第五幕」の字幕。ローレンツは悩み抜いた末叔母に騙したことを白状しますが叔母は却って態度を硬化させ、それを聞いたヴィゴツィンスキは叔母の家に強盗に入ろうと言います。「第六幕」の字幕。深夜叔母宅に押し入った二人は金庫を開けようとしますが、呼び鈴で起きた叔母に見つかり、ヴィゴツィンスキは叔母を殺してしまい、二人とも逮捕されます。ローレンツは刑期を勤めて刑務所を出ると、マリーとその父が迎えに来てくれていて、新しい家で彼らは幸せに暮らし、彼が書いた自伝も彼を立ち直させるのに役立つのでした。
 フリッツ・ラングとのコンビで知られるテア・フォン・ハルボウの脚本ですが、ご都合主義のラストシーンを始めとしてストーリー全体が陳腐で乗れませんでした。唯一冒頭の丘の上の一軒家の見事な構図と、ローレンツの幻覚のシーンが楽しめました。たまには無声映画を見てみたいという方にはオススメです。