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ハワード・ホークス監督『光に叛く者』

2009-08-10 13:31:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、ハワード・ホークス監督の'31年作品「光に叛く者」を見ました。
 地方検事のブレディ(ウォルター・ヒューストン)は、レストランで傷害致死事件を起こしたロバートを起訴しますが、本心では正当防衛だと思っています。ロバートは懲役10年の判決を受け、刑務所に入れられ、6年の歳月が流れます。そこへブレディが新しい刑務所長として赴任してきます。彼に訴追された囚人たちが抗議の声を上げますが、彼らの中に一人で敢然と入っていったブレディはその迫力で彼らを黙らせます。製麻工場で働くロバートは精神に異常を来たし、医者は環境を変えて立ち直らせるようにブレディに進言し、ロバートはブレディの運転手の仕事を与えられ、またブレディの娘のメアリーに一目惚れしたことによって精神的に立ち直ります。ロバートと同房の囚人が脱獄を図りますが密告され看守によって殺されると、それに抗議する囚人たちが一斉に声を上げ、その対策のために警備が手薄になったところを、やはりロバートと同房のギャロウェイ(ボリス・カーロフ)が密告者を殺します。ロバートはギャロウェイを目撃しますがブレディの追及にも口を割らず地下牢に入れられてしまいます。旅行から帰ったメアリーはロバートに恋しているので彼を助けてほしいとブレディに懇願し、ブレディはロバートを仮釈放させる決心をし、看守長に彼を連れて来るように言いますが、ロバートにナイフを渡したと仲間から聞いたギャロウェイは、ロバートに罪を犯させないために地下牢に急行し、以前自分を密告したことのある看守長を刺殺し、自らも射殺されます。無事解放されたロバートはメアリーと抱き合い、ブレディも彼らを祝福するのでした。
 何とも暗い話です。ウォルター・ヒューストンはどう見ても悪役顔で、他の囚人たちも陰惨な顔をしていて、見ていて気分のいいものではありませんでした。唯一好感の持てるロバートも終始虐げられていて、最後は一応ハッピーエンドにはなるものの、何か救われない感じがしました。ここまでホークス作品を3作見てきましたが、どの作品の魅力も私には理解しかねるものばかりです。明日の「永遠の戦場」に期待です。