嵐山光三郎『不良定年』

　山田詠美さんが「熱血ポンちゃん膝栗毛」の中で言及していた、嵐山光三郎さんの'05年作品「不良定年」を読みました。
　先ず定年後どのように過ごしたら快適に過ごせるかが述べられます。そして、「約束した事は、呆れて忘れる」「チャンスがあれば浮気する」「競輪ざんまい」など100項目の守るべき原則が挙げられます。その後、５年単位で勝ち負けを考えたり、正月にまつわる自作の俳句の話、地図の話、二つの顔を持つ人の実例の話、らしき服装の話、通勤の話、スミレの話、句会の話、タイの旅の話、冬の上越新幹線の話、ローカル線で食べられるうまいものの話、北海道の駅弁の話、嬉野温泉の湯豆腐の話、はしっこの話、伊賀上野での芭蕉の話、花札の話、冬の能登の話、旅からの帰り方の話、写真の撮られ方の話、おばさんの話、一年前後半制の話、汚れたものへの憧憬の話、ケンカの話、渡辺和博さんについての話、携帯の話、赤坂・神楽坂の話が展開されます。
　最初の章でこの本は不良定年の指南書であるというようなことが書いてあったのですが、途中から普通のエッセイ集になっていました。始めに挙げられていた100項目では私は38項目で当てはまっていて、５年ごとの勝敗表ではこれまでの50年で６勝４敗となっていて、まあまあの結果かなと思ったりもしました。旅行三昧、おいしいもの食べ放題の生活、単純にうらやましいです。私も不良定年目指してまい進していきたい所存です。ということで、楽しい老後を送りたい方にはオススメです。