gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ジャック・ベッケル監督『エドワールとキャロリーヌ』

2009-08-28 21:33:00 | ノンジャンル
 ジャック・ベッケル監督の'51年作品「エドワールとキャロリーヌ」をビデオで再見しました。
 無名のピアニスト・エドワール(ダニエル・ジェラン)とその妻キャロリーヌ(アンヌ・ヴェルノン)は、叔父が名士たちを集めてエドワールのために開いてくれた夜会のための準備におおわらわです。辞書がきちんと本棚に戻してないことを注意したエドワールが花を買いに行こうとすると、キャロリーヌは何度もキスした後背中を蹴飛ばします。エドワールが出て行った後、キャロリーヌはドレスを試着して鏡に全身を写すため、辞書を踏み台にします。エドワールが戻ってきた後、キャロリーヌはファッション雑誌の中に鋏でドレスを切る最新ファッションを見つけて狂喜し踊りだし、エドワールは気違いの女と結婚しちゃったと冗談を言います。そのうちエドワールはチョッキがないことに気付き、二人で探しますが見つかりません。兵役の休暇中の甥にピアノを聞かせてほしいという大家にエドワールが演奏している間に、キャロリーヌは叔父に電話し、いとこのアランにチョッキを貸してもらえることになります。アランを毛嫌いしているエドワールは抵抗しますが、キャロリーヌがチョッキは汚かったので捨てたと言うと諦め、いとこの所へ向かいます。キャロリーヌはその間にドレスに鋏を入れ足元が見えるように前を短くしてしまいますが、帰ってきたエドワールはそれを見て怒り狂い、罵声を上げたキャロリーヌを平手打ちしてしまいます。彼女は激昂して離婚すると言い出し泣き伏せってしまったので、エドワールは一人で夜会に出かけます。二人が夜会になかなか現れないので、アランが電話すると、それに出たキャロリーヌは罵声を浴びせて離婚すると一方的に言って電話を切ります。夜会に現れたエドワールと入れ替わりにアランはキャロリーヌの元へ急ぎ、荷造りしていた彼女に迫ると、彼女は彼を避けるために夜会に出かけることにします。夜会でエドワールは自分に親切にしてくれた女性(エリナ・ラブールデッド)に尋ねると、その女性は愛する夫に平手打ちされたらやはり離婚すると答え、エドワールは女性はそういうものなのだと納得します。演奏が始まり、柱時計が途中で鳴り始めたのにもめげずに1曲弾き終わりますが、妻のことが心配だと言ってそのまま帰ろうとします。叔父は引き止めますが、主賓の女性が妻思いのエドワールを擁護する演説を始め、客一人一人に紹介してから彼を帰そうとすると、そこへキャロリーヌがアランと現れます。主賓の女性がいたたまれなくなって帰り、キャロリーヌはエドワールと二人きりになると新ためて離婚を切り出しますが、エドワールはあっさり同意します。彼の演奏を買っていたアメリカ人の客に促されて再度演奏を始めますが、ワインの飲み過ぎか途中でつかえてしまい、彼はそのまま退席します。叔父はキャロリーヌにやはり彼はダメな奴だと言うと、キャロリーヌはうなだれ、皆が楽しそうに踊っている中、彼女はその場を去ります。エドワールが家に帰るとアメリカ人から電話でコンサートを開こうと言われ、喜んでいるところにキャロリーヌが帰ってきます。もう遅くなったので今晩だけ同じ部屋で過ごしてほしいという彼女に、彼は最後の夜に思い出を作ろうと迫り、彼女は逃げ回りますが、そこへまたアメリカ人から電話があり、明日早速会おうと言われると、その電話の内容を聞きたがるキャロリーヌにエドワールは話は後でと言い、二人は熱い口づけを交わすのでした。
 前回見た時は日本語の字幕スーパーがなかったので、今回の感動は格別でした。特にラストシーンのアンヌ・ヴェルノンのまなざしは映画史に残る素晴らしさでしょう。思わず涙ぐんでしまいました。「シェルブールの雨傘」の母親を演じたアンヌ・ヴェルノンと、「ブローニュの森の貴婦人たち」に主演したエリナ・ラブールデッドが共演した作品としても記憶に残るものだと思います。映画好きの方には文句無しにオススメです。