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マノエル・デ・オリヴェイラ監督『クレーヴの奥方』

2009-04-12 14:43:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、マノエル・デ・オリヴェイラ監督の'99年作品「クレーヴの奥方」を見ました。
 ステージでサックスを吹く男。楽屋から舞台に向かうロック歌手のペドロ。宝石店でカトリーヌを見初めたクレーヴは、演奏会で正式にカトリーヌと母のシャルトル夫人に紹介されます。その晩、ペドロもパリでコンサートをしていました。カトリーヌはクレーヴと結婚し、夜会のゲストとして来たペドロに賛辞を送ります。病に倒れたシャルトル夫人は、ペドロに思いを寄せるカトリーヌの心を見抜き、カトリーヌに安易な行動を取らないように言って亡くなります。ニューヨークから舞い戻り、夫人の葬式に参列したペドロは、クレーヴの家に弔問に訪れますが、カトリーヌは居留守を使います。ペドロはニューヨークへ戻り、カトリーヌは幼馴染みの修道女に悩みを打ち明けます。ニュース番組でペドロがケガを負ったことを知り驚くカトリーヌと、その様子を見つめるクレーヴ。再び修道女に相談したカトリーヌは、ペドロを見舞おうとして、昔付き合っていた男と出会い、男は車で去る彼女を追おうとして車に轢かれ死にます。カトリーヌを責めるクレーヴと、反論するカトリーヌ。自分の公演の写真展に来たカトリーヌをペドロは引き止めようとしますが、彼女は去ります。数日後、公園でペドロは、本当のことを夫に告白するカトリーヌを見かけ、その後修道女を訪れたカトリーヌは、真実を夫に語ったことを誉められます。クレーヴは心労から病死し、カトリーヌは正気を失いかけて修道女に慰められます。立ち直ったカトリーヌは公園で出会ったペドロから逃げ出し、部屋に戻ると、窓の正面に見える部屋には、こちらを見つめるペドロがいました。カトリーヌがまた修道女に会いに行くと、ペドロとの結婚を勧められますが、カトリーヌは彼を避けて生きていくと言います。ペドロのコンサートの映像。姿を消したカトリーヌを探して、ペドロは彼女の知り合いに会いますが、手がかりは得られません。そして修道女の元に、アフリカで貧しい人々の支援活動をしているカトリーヌから手紙が届き、ペドロは苦悩に満ちた歌をステージで歌うのでした。
 全ての会話が登場人物が平行に並んだ状態で行なわれるという、希有な映画です。音楽の演奏場面がフィックスカメラで延々と撮られるというのが、オリヴェイラ作品の特徴であることも分かりました。明るさの抑えられた画面も魅力的で、楽しめました。地味な映画ですが、オススメです。