'09年5月号の月刊「ソトコト」で、福岡伸一さんがフランス・ナントの音楽祭でユリ・ケインのグループによる前衛的なバッハの演奏を絶賛していました。ユリ・ケインと言えば、私が1月にニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードで聞いたアーティストではないですか! もしかしてめちゃくちゃラッキーだったのかも。
さて、その福岡伸一さんの'08年作品「できそこないの男たち」を読みました。
第一章では精子発見の話、第二章では染色体発見の話、第三章から第五章までは男性になることを決める遺伝子の発見の話、第六章は人間の胎児はすべて女性になることが基本であり、そこから分岐して男性ができるという話、第七章は1年のうち一回だけオスが生まれるアリマキの生態から考えると、生物の基本はメスであり、オスは遺伝子に変化を与えるためにだけ存在するものだという話、第八章は男性は女性に比べて病気にかかりやすく、ストレスも感じやすく、生命力が弱いという話、第九章は遺伝子の形から人間が地球上を移動していった経路が分かるという話、第十章と第十一章は遺伝子研究で名声を得た夫婦の栄光と転落の話です。
この本で初めて知ったことは、染色体に応じてタンパク質を作る際、染色体のある部分でタンパク質を作ると、そのタンパク質は自分が接続できる染色体の別の部分に移動し、そこで別のタンパク質を作るスイッチを入れるという動作を繰り返すということ、人間の性器は最初女性器を基本として作られ、途中から男性に分化する時には、膣口は塞がり、割れ目は閉じられて、その痕が「蟻の門渡り」になること、男性ホルモンは免疫システムを低下させる働きがあるので、男性は女性よりも生命力が弱いこと、日本には4回大規模な移民が行なわれていたこと、心臓の細胞には再生機能がないため、ガンにはかからないことでした。そういう点では勉強になったのですが、本題とは離れた科学者のスキャンダルの話なども書かれてあって、散漫な印象を与える本でもありました。
かなり専門的な本なので、理科系の本が苦手な方にはついていけない部分もあるかもしれません。理科系の本が好きな方にはオススメです。
さて、その福岡伸一さんの'08年作品「できそこないの男たち」を読みました。
第一章では精子発見の話、第二章では染色体発見の話、第三章から第五章までは男性になることを決める遺伝子の発見の話、第六章は人間の胎児はすべて女性になることが基本であり、そこから分岐して男性ができるという話、第七章は1年のうち一回だけオスが生まれるアリマキの生態から考えると、生物の基本はメスであり、オスは遺伝子に変化を与えるためにだけ存在するものだという話、第八章は男性は女性に比べて病気にかかりやすく、ストレスも感じやすく、生命力が弱いという話、第九章は遺伝子の形から人間が地球上を移動していった経路が分かるという話、第十章と第十一章は遺伝子研究で名声を得た夫婦の栄光と転落の話です。
この本で初めて知ったことは、染色体に応じてタンパク質を作る際、染色体のある部分でタンパク質を作ると、そのタンパク質は自分が接続できる染色体の別の部分に移動し、そこで別のタンパク質を作るスイッチを入れるという動作を繰り返すということ、人間の性器は最初女性器を基本として作られ、途中から男性に分化する時には、膣口は塞がり、割れ目は閉じられて、その痕が「蟻の門渡り」になること、男性ホルモンは免疫システムを低下させる働きがあるので、男性は女性よりも生命力が弱いこと、日本には4回大規模な移民が行なわれていたこと、心臓の細胞には再生機能がないため、ガンにはかからないことでした。そういう点では勉強になったのですが、本題とは離れた科学者のスキャンダルの話なども書かれてあって、散漫な印象を与える本でもありました。
かなり専門的な本なので、理科系の本が苦手な方にはついていけない部分もあるかもしれません。理科系の本が好きな方にはオススメです。